『大正浪漫ラヴストーリー』<ハッピーエンド> ~清人ルート~
第14話へ⇐ ハツカダイコン事業。 それが終了したのは半年前。 簡単に育てられ、場所を選ばずに栽培出来るそれは、爆発的に売れた。 清人さんの会社の業績はうなぎのぼり。 そうして、つい先日のこと。 清人さんは、抵当に入って…
第14話へ⇐ ハツカダイコン事業。 それが終了したのは半年前。 簡単に育てられ、場所を選ばずに栽培出来るそれは、爆発的に売れた。 清人さんの会社の業績はうなぎのぼり。 そうして、つい先日のこと。 清人さんは、抵当に入って…
第14話へ⇐ それから数日後のことだった。 直哉さんの家に来客があったのは。 外出中の直哉さんに代わり、私が出迎えた人は上品な服装の綺麗な年配の女性だった。 その人は、私を見てにっこりと微笑んで緩やかに頭を下げたのだ。 …
第14話へ⇐ ハナ 「そうですね……確かに大きさはいいんですけど、もう少し下の丸みを削ってください。それから、水はけ用の穴なんですけど……」 清人 「やはり、ハナさんの意見はためになるな」 ハナ 「きょ、恐縮です……」 …
第13話へ⇐ トメ 「新しいお勤め先でも、今まで同様に頑張るのですよ」 カヨ 「はい」 ハナ 「…………」 あれから数日。 お屋敷に残るのはトメさんにカヨさん、そうして私だけだった。 皆、早々に新しい勤め先…
第13話へ⇐ 直哉 「風刺活動には、金が必要なんだ」 やりきれないような表情で、直哉さんはため息を付いた。 直哉 「……今は、母親が父親の目を盗んで俺に援助をしてくれてる。この年で、親の金使っ…
第12話へ⇐ 結局、直哉さんが帰っていたのはその日の夜だった。 いつもの調子で帰ってきた直哉さんに、どう切り出せばいいかわからずに、いつも通り夕食の準備をする。 ハナ (聞いていいことなのよね……) &nb…
第12話へ⇐ 清人 「……ハナさんには関係のない話なのだが、こぼしてもいいだろうか」 ハナ 「え?」 清人 「父様の遺産のことだ」 ハナ 「あ……。はい。私でよろしければお聞きします」 視線を伏せた若旦那様…
第11話へ⇐ 紀美子様の前に並べられたショールと切れ端。 小刻みに体を震わせた紀美子様が私を睨んだ。 紀美子 「そのショールがなによ。あたくし、明日も学校があるからくだらない話をするのなら部屋へ戻らせてもら…
第11話へ⇐ 直哉 「ふぅん、じゃあ屋敷で一番仲良かったのがあの子なんだ」 ハナ 「ええ、そうなんです」 夕食事、思い出話がてらカヨさんの話しをすれば直哉さんは興味深そうに聞いてくれた。 直哉…
第10話へ⇐ 直哉 「あー、やっぱりハナちゃんだ」 ハナ 「直哉……さん……?」 その声に振り向けば、そこには優しい笑顔のままの直哉さんがいて。 だけど、ぐちゃぐちゃになった泣き顔の私を見て、表情が一変した…
第10話へ⇐ 清人 「ハナさん!!」 ハナ 「若旦那様……?」 声の方を振り向けば、息を切らせた若旦那様の姿。 清人 「……すまない」 ハナ 「い、いえ……若旦那様に謝っていただくようなことは…
第9話へ⇐ 翌朝。 いつもより眠る時間が少なかった割には元気に仕事が出来ていた。 それはきっと、衿の中にあるお守りのおかげ。 ハナ (直哉さんにもらった本……いつか読めるように) カヨ 「ハナ、向こうを掃除…
第8話へ⇐ 女中1 「はぁ、今日はなんだかいつも以上に疲れちゃったわ」 女中2 「けど、若旦那様があんなこと言ってくれるなんてね」 女中3 「驚いたわ」 女中1 「それもこれも、夏井さんのおかげかしら」 ハナ 「え……?…
第7話へ⇐ 若旦那様はぽつりぽつりと紀美子様の過去を話しだした。 清人 「紀美子は幼い頃、体が弱かったんだ。そのせいもあって、家族は皆、紀美子を甘やかせた」 清人 「どんなわがままを言ったって、紀美子が元気…
第6話へ⇐ ハナ 「いつの間にか……外の景色が一変してる」 2階の廊下を掃除している時だった。 ふと、外を見るとそこから見える 庭の草花は姿を変えていた。 それは、季節が変わったことを 表していて……。 &…