無敵のゼロ感（1）皆が霊体験する場所でも何も感じない。霊感ゼロのおぬしは実は『霊的強者』
■霊的な磁場が強力な心霊スポットは存在する
霊が出ると噂される、いわゆる心霊スポットは世界中に存在する。
本当に本当のことを言うてしまえば、心霊現象を起こしているのは死者の霊とは限らぬ。死者はとっくの昔に成仏していても、その抜け殻である魂魄の『魄（ぱく』』が残って、操縦者のいなくなったソーラー充電の自動運転車の如くこの世を彷徨い続けていることがあり、そこに死者の『未練』『恨み』などの念も残っていると、一般に知られる人型の霊となり生きた人間にも感知できることがあるのじゃな。
■霊は月日と共に弱まりやがて鎮まる
狭い範囲内で大人数が不本意な死を遂げた場所、犠牲者が出てからまだ日が浅い場所は特に霊的な存在にまるで興味がなく、霊感などゼロと思い込んでいる人にも何やら得体の知れないものが感知できることが多い。
しかし、この『魄』と念は、特定の磁場の場所やそこにやってくる人々の、生者も絶えず抱いている感情をエネルギーとして形を保っている。ゆえに、有名な心霊スポットであっても、誰もそこを訪れず月日が経てば電池切れの電気自動車が止まってしまうように、霊的な活動は落ち着いて、やがてかなり霊感が強い人々でも感知できぬほどになる。また、恨みの念を「果たす」ことができて満足して去りゆく霊もいれば、まれではあるが生前の縁者や守護霊的な存在がやってきてあの世に導いてくれることもある。
■年月が過ぎても鎮まらない強力な心霊スポットは霊と遭遇しなくとも霊障が出ることがある
そのように、元々は霊的な存在の力が強かった心霊スポットでも、無害になることはあるが、中には人が来ずとも最初の死者の怨念が非常に強く、例えば事故物件を取り壊して駐車場にしても霊現象が起こり続けることもある。霊的に敏感な者であれば、そのような場所には近付いただけで嫌な感じがするので避けるであろう。
しかし、霊的に敏感ではない、ごくふつうの人々の場合、強い恨みの念が残る場所に気付かず、ゆえに災いが降りかかることがある。心霊スポットだなどと当然思わず、車を駐車場に停めておいた車の中に妙な影を見たり、その場で車が故障したり、その駐車場に停めた後で乗っていて事故を起こしたり、霊障と呼ばれる現象と遭遇してしまうやもしれぬ。
■霊が見えず感知せず霊障も起きない霊的無敵人間がいる！
しかし世の中には、
自覚できる霊感がなく（自覚せずとも、霊感は100パーセントの人間が持っているゆえ）
他の人々が霊障を受けた同じ場所や行為をしても霊障が起きない
ある意味、霊的に無敵な者も存在する。
そのような「ゼロ感」の人間は、まず憑依されることがない。霊を感知できないゆえに、ふつう程度に霊感のある人々と同じバスツアーで曰く付きの場所を通り、皆が具合が悪くなっても1人、ケロッとしている。（ついでになぜか食中毒にもなりにくく車酔いもし難い）
そして、事故物件に住んでも霊体験をせず安穏と暮らせてしまう。霊に命を脅かされずとも、そのような事件事故で人が死んでいる曰く付きの部屋はたいがい風水が悪く運気が下がりゆくゆえ、決しておすすめはせぬが。
さらには、そこまでの大変な経験をしてケロっとしていると今度は本人がエネルギーバンパイアなのではと疑いもするが……。大勢が不可思議な、本当に視えない悪意の何者かの仕業としか思えぬ事件事故、悪魔に憑依されたとしか思えぬほど狂った人間の残虐な行為が行われた場に居合わせたのに、なぜか助かった、無傷または軽症で済んだという人が世の中には少なからずいる。
同じ大惨事で被害者となり重症や生死の境を彷徨うて回復した中には、その惨事の間に不思議な大変をした、人間ではない何者かが介在していたと記憶している人もまれではあるがいる。間一髪のときに、善なる霊的存在が助けてくれたのだと感じている人々も多い。
しかし、完全なるゼロ感で無傷や軽症で済む人々は、そのような霊体験もなく、ただ幸運で助かったと思うていることもある。が、ゼロ感でありながら霊的な存在を信じている人々も多い。そして「まったく霊的な何かは感じなかったけど、絶対に神様か守護霊か大好きだったお婆ちゃんがあの世から飛んできて守ってくれたんだ！」などと、見えもせず感じもせぬ誰かへの感謝を忘れない。
このような生き方こそが、実は『霊的強者』が霊的強者である所以なのじゃ。
続く。
※当然ながら心霊スポット巡りや肝試しや、狙って心霊写真を撮るなどは怨霊の怒りを買う危険な行為であるゆえ、必ず恐ろしい祟りがあるので決して行ってはならぬぞよ。
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