自分の運勢の強弱を知る「12運」について~衰・病~

自分の運勢の強弱を知る「12運」について~衰・病~

五行
前回の「自分の運勢の強弱を知る「12運」について」では、十二運に関係して、五行の持つエネルギーの強さの大切さについてお話ししました。
今回はいよいよ、十二運の衰以降について見ていきましょう。

これまで、胎児のころから、胎、養、長生、沐浴、冠帯、建禄、帝旺と、働き盛りのころまでを見てきましたが、以降は、衰、病、死、墓、絶と、体が衰え、病気になり、死を迎え、墓に入り、肉体が絶える、という段階へと進みます。

前回の「自分の運勢の強弱を知る「12運」について」でも書きましたが、これはあくまでもエネルギーの強弱を人の一生に例えたもので、病や死といったマイナスイメージの字が使われているからと言って悪い意味というわけではありません。
音楽記号でも、ピアニッシモ(とても弱く)とフォルテッシモ(とても強く)がありますが、これと同じようなもので、エネルギーの強弱自体が即運勢の吉凶につながるということはありません。


自分の運勢の強弱を知る「12運」について~衰・病~
昔、「動物占い」という占いが流行ったことを覚えている人はいらっしゃいますでしょうか。
これは、四柱推命の十二運が元となっている占いです。
衰、病、死のような表現をするとどうしても誤解を生んでしまうため、言葉からマイナスのイメージを抱かないように工夫したのが動物占いになります。

具体的に言うと、動物占いにおいては、胎はオオカミ、養はコジカ、長生はサル、沐浴はチータ、冠帯はクロヒョウ、建禄はライオン、帝旺はトラ、衰はタヌキ、病はコアラ、死はゾウ、墓はヒツジ、絶はペガサスです。これに更に十干の要素を加え、各動物ごとに色違いのものを作ったものもありました。
こうして書くと、衰、病、死のような十二運も、別に悪いものではないのだということが分かりますね。

それでは、いよいよ衰以降の十二運について見ていくこととしましょう。

<衰>

地支としての力の強さ…弱寄り
<衰>
衰は人生で言えば最も勢いのある時期を過ぎ、衰えを見せ始めた時期にあたります。
慎重で保守的で、物静かですが知識や技術は豊富です。
温厚な人が多く、天干でいえば印綬に近い特徴があると言われています。

職業的には学者、宗教家、家庭教師など、落ち着いてできる仕事に適性があります。
あくせくガツガツと行動するには向いていません。
隣に力の強い十二運があると前のめりな新人に慎重で知識のある先輩がつく感じになり、うまく力のコントロールをしながら頑張れるので吉。
衰だけですと引っ込み思案でパワーがないため、積極的に欠けてしまいます。
社会で成功するためには強い十二運とセットになることが必要です。

優柔不断な学者タイプ。控えめで消極的。大人しい優等生。
傷官などが悪く働かない限りはおおらかで、基本的に人の上に立つことを好まず、愛されタイプなので目上にはかわいがられます。
ただ、他に強い星がつく場合は野心も生じ、場合によっては上と衝突することも出てきます。
(もちろん、衰に限ったことでなくバランス次第で他の要素を帯びるのはどの十二運にも言えることです。)

傷官・衰は、親や兄弟から大きなトラブルを持ちこまれて苦労しやすいと言われています。
傷官に付く十二運は休囚運(死・墓・絶)が良いと言われており、衰は弱い運ではありますがまだ実質的な力を持っている(引退まで行っていない)年代ですので、傷官の悪さが出ることがあります。

<病>

地支としての力の強さ…弱寄り
<病>
病は衰がさらに進み、亡くなる前の病気になって床に伏せている状態です。
寝たきりのおじいちゃんですね。
こうなると衰の温厚さはなくなり、今度は敏感さや神経質さが出てきます。
年寄りの冷や水で、無理に進めば取り返しのつかないことにもなりかねないため、慎重に、おとなしめに歩む必要があります。
体を酷使するようなことは避けましょう。病気にもなりやすく、なっても長患いをしやすいです。
天干で言えば傷官に近いでしょうか。
衰と同じく、しっかりした星の補助が必要で、比肩や官星のようなバイタリティのある星と並ぶと良いでしょう。

ただ、第一線を退いた大人しい星のぶん、地味な作業やボランティアには向いています。
体が弱いので神経質さはあるものの、人間関係も良好です。
イマジネーションの星である傷官と関係が深いため、アーティストや芸能関係にも適性があります。

この辺りになると天国のことを考える段階ですから、夢見がちで、空想好きで、スピリチュアル系のことに適性があります。
直感力もあり、ボーッとしていると思えば鋭い指摘をしたりします。
この辺りも傷官に非常によく似ています。
ただ、夢を現実的な形にするためには先程も言ったように強い星の補助が必要になります。
強い星を持った行動力のある人と一緒にいるのも、引っ張ってもらえてよいですよ。

傷官・病は、病が傷官と相性が良いため、傷官の良さがよく出ます。
あまり無茶な生き方はしない風流家です。
マイペースに創作活動などするのが性に合っています。
物事は順調に進み、開運もしやすいでしょう。

 

次回は、残った「死」と「墓」、「絶」についてお話しします。