自分の運勢の強弱を知る「12運」について

自分の運勢の強弱を知る「12運」について

自分の運勢の強弱を知る「12運」について
前々回の「運勢の強弱を知る「12運」について2」では、十二運のうち、胎、養、長生、前回の「運勢の強弱を知る「12運」について3」では、沐浴、冠帯、建禄、帝旺ごとの運勢について見ていきました。

ここからは、衰、病、死、墓、絶と、いよいよ人の人生で言えば、老いから死後の世界へと入っていきます。
ただ、そのように書くと衰から絶については悪い運気のように思えてしまうかもしれません。
そうではなく、これはあくまでもエネルギーの強弱を示しています。

胎、養のような赤ちゃん期を示す運気と、衰、病、死のような人生の終わりの時期を示す運気は、エネルギー的には似たような力量になりますが、前者は上昇していくもの、後者は下降していくものになります。

これは一概に上昇していくから運勢が良くなる、下降していくから運勢が悪くなるという意味ではなく、例えば日柱などに強すぎる星を持っている人は、力が弱まる方向に行く運気の方が良いですし、逆に日柱が弱い人は、力が強くなっていく運気の方が良いということになります。

自分の運勢の強弱を知る「12運」について

四柱推命においては、何よりも五行の力量のバランスが重視されます。
バランスが取れているイコール良い運勢ということになります。
バランスがあまりにも偏っているがためにとびぬけて成功する外格という運を持っている人もいますが、そういう人は振れ幅も大きく、ひとたびバランスを崩すとどん底まで落ちていってしまうことも多いのです。

一世を風靡するほど社会的成功をおさめた人が、スキャンダルや犯罪などで一気に地の底に叩き落され、最悪自殺や逮捕までされてしまうこともありますね。
これは元々五行が偏っていて、偏っていたがためにかえって突き抜けた成功をおさめていた人が、その五行が流年によって剋されるなど、力を弱めることによって起こります。

■五行の偏りの怖さについて

■五行の偏りの怖さについて
STAP細胞騒動で有名になった小保方さんの指導をしていた故・笹井芳樹教授を覚えていらっしゃる方もいると思いますが、この方は壬寅が四つの柱のうち三つも並ぶ、非常に珍しい命式の持ち主でした。
笹井芳樹教授は、京都大学の医学部を首席で卒業し、32歳の若さでで京大の教授になり、世界で初めてES細胞による網膜の分化誘導に成功してノーベル賞も期待されていた世界最高峰の科学者の一人でした。

偏った命式と言えば、例えば中国で唯一の女性皇帝である則天武后は四柱推命の四柱のうち、三柱が壬子であったと言われていますが、上で述べた、「偏っているがためにかえってとびぬけた成功をする」お手本のような命式でもあります。
笹井教授も、則天武后とまではいきませんが、偏っているがために成功する運気の持ち主でした。

しかし、大運が戊になり、土剋水で壬を強く剋す運気に入った翌年に、例の騒動が起こってしまいました。
笹井教授は2014年8月5日にお亡くなりになりましたが、その日はまさに戊日でした。
偏った五行が強く剋された時の怖さを、私はこの時ほど感じたことはありません。

占い師の中には、日運はそこまで影響しないと言う方もいらっしゃいますが、それはあくまでも事象としての運気についてであり、365日運勢をメモしている私の経験からすると、精神面についてはその日その日の運勢も大きく関わってきます。
特に、私自身もそうなのですが、五行の偏りが強い人ほど、日運程度の五行の変化でも精神的には大きな影響を受けることがあります。
水がこぼれる時は、1滴の水でも溢れてしまうものです。

ですから、自分の五行の偏りを把握し、心穏やかに過ごせる日と精神的に不安定になったり攻撃的になりやすい日を把握するのはとても大切なことなのです。
その心構えがあるかないかによって、特に精神的に不安定になっているときに踏ん張りがきくかどうかが変わってきます。
そしてそのためには、各年、各月、各日、自分の命式、あらゆる時期を構成する要素である地支のエネルギー量について知ることも大切です。

自分自身の日柱と五行の力量については、以下で詳しく説明していますので、よかったら目を通して見てくださいね。

1.四柱推命での吉凶判断の基本~五行の強さで先天運を見る~
(四柱推命の吉凶をはかる上で重要な「蔵干」について説明しています)
2.四柱推命での吉凶判断の基本~命式の季節である蔵干について~1
(上の補足で、具体的には、どの地支がどの五行を含んでいるのかについて説明しています)
3.四柱推命での吉凶判断の基本~命式の季節である蔵干について~2
(命式の力量を決める天干の地支への通根について説明しています)
4.四柱推命における五行のバランスの見方について1
(どの干がどの地支に通根・透干できるのかについて説明しています)
5.四柱推命における五行のバランスの見方について2
(相生と相剋の関係性による五行のバランスについて説明しています)

それでは、いよいよ次回、衰以降の十二運について見ていくこととしましょう。