相性占いにも応用!職業運を占う良好な相剋関係について2

相性占いにも応用!職業運を占う良好な相剋関係について2

相性占いにも応用!職業運を占う良好な相剋関係について2
前回の「相性占いにも応用!職業運を占う良好な相剋関係について1」では、相剋関係でも良い組み合わせとなる剋関係について見てきました。
今回は、その続きの説明になります。
その前に、剋の関係が良い作用になるということについて、ここでもう少し深く説明していきましょう。

そもそも、「ある干から剋されている」状態というのは、五行同士の相性を示す通変星という概念においては、「官星」という関係性になります。

官星とは官僚の星です。
誰かに仕える星であり、サラリーマンにとってはなくてはならない星です。
日干を剋す五行が命式中にあるということは、イコールこの官星を持っているということになり、社会性や職業運について吉である星を持つということになります。大昔の中国では、官僚を採用するにあたって、この官星を持っているかどうかを基準の一つにしたと言うほど、人の下で忠実に働くためには必要とされる星であると言えます。

特に月柱は社会運や目上の人(特に男性)との関係性を見る柱ですので、ここに官星が出ている人は社会的に成功しやすい傾向にあります。
何故ならば、自分自身を示す日柱が生まれながらに社会や仕事を示す月柱から剋されているということは、その人にとって社会からの圧力が当然のもの、意識しないものとして存在するということだかれです。

職場や上司への反発はそれがその人にとって自然なものではないからこそ生じます。
「ちょっと長く勤めてるからって偉そうにして…」等と考える人は当然職場でも不満を抱えやすくなるでしょう。

その点、上下関係に対して当たり前だと思っている人は、先輩や上司に対してごく自然に敬意を払いますし、ちょっと無茶なことを言われても向こうの方が目上だからということで素直に従うことができます。
官星を持っている人はまさにそういうタイプです。
官星(特に正官)を持っている人は良きにつけ悪しきにつけ人を肩書で見るため、目上に対する態度が目上からすれば気持ちの良いものになります。
また、社会からの圧力(仕事によって生じる義務)に対しても忠実なので、与えられた職務を忠実にこなそうとします。

そうなれば当然上司からは可愛がられ、出世もしやすくなります。
官星が良い状態で出ている人が仕事運に恵まれているというのはこういった理由があります。
どの職場でも目上から可愛がられるような人がいますが、そういう人は月柱に官星を持っている場合が多いのです。

それでは、具体的な良い組み合わせの剋関係の続きについて説明していきましょう。

■良好な相剋関係について~己・庚の場合~

■良好な相剋関係について~己・庚の場合~

日干が己である場合の甲との相剋、壌土培木(ジョウドバイモク)
田畑の土に木が育てられ、すくすくと上に伸びていっている状態です。
己は湿った土ですから植物をよく育てます。そのように、社会や組織、目上に対して従順に尽くし、その発展のために尽力することができる人です。目上に無闇に逆らうことはなく、組織において自分のやるべきことを忠実かつ速やかに実行することができます。
己の感情面が甲に剋されることによってバランスがとれたものになり、自分自身で感情のコントロールがきくようになるため、与えられた環境の中で自分なりの楽しみを見つけ、自らが快適に過ごすために周囲に気を配り環境を調えていきます。
ただし冬生まれの人の場合、自分自身である土が凍ってしまうため、病気をしがちになります。

 

日干が己である場合の乙との相剋、壌土培花(ジョウドバイカ)
田畑の土が、すくすくと草花を育てている状態です。甲に似ていますが、甲と違い絡み付く性質のある乙は柔らかい土である己を侵食する面が強いため、乙の方が力が弱くなる配置でないと力が発揮できません。月柱よりも時柱の方が影響が薄いため、己が日柱だとすると、時柱が乙でなくてはならないのです。また、己が強い方が良いため、命式中に土の根がある状態だととても良い運勢になります。
乙も己ととても良い関係を築ける干で、相手から優しく無理なく制されて、ワンマンさが取り除かれて優しく社会に尽くします。その優しさにより人から慕われやすくなるため、必然的にリーダー的な役割を努めることも多くなります。官星の良い面が出ていますので、目上に逆らわず、それでいて下の面倒もよく見る、他者から信頼を得られる優しい組織人となり、結束の硬い組織を作り上げる能力があります。そのため、小さめの集団の組織を率いて活躍している人も多くいます。

 

日干が庚である場合の丁との相剋、火錬真金(カレンシンキン)
庚の金属が丁の火によって錬金され、社会にとって有用な鉄器になる状態です。
丁の火で適切に剋されるので、自分自身の感情を制する能力が高く、知恵や礼儀も備わります。
庚は鋭利な刃物のように苛烈な面のある干ですが、丁の働きにより強引にのし上がっていこうとする自我がセーブされ、自分の立場をよくわきまえた言動ができるようになる上、努力して自分を鍛えることで知恵を発揮する頭のよさもあるので、目上から取り立てられて出世コースを歩み相応の地位を得ることができます。

以上、己、庚の相剋のうち良い相性のものについて説明していきました。
次回は、残りの壬と癸について説明すると共に、官星と相性の悪い星について説明していきましょう。