四柱推命での吉凶判断の基本~命式の季節である蔵干について~2(ページ3)

四柱推命での吉凶判断の基本~命式の季節である蔵干について~2
前回の「四柱推命での吉凶判断の基本~命式の季節である蔵干について~1」では、地支の五行を見るための蔵干についてお話ししました。

まずは、蔵干の後半、午月から亥月の蔵干について見ていきましょう。

 

<蔵干一覧>~午月から亥月~
午(6月)の蔵干
初気(余気):丙(火)。節入りから10日間。
中気:己(土)。11日目~20日目。
正気(本気):丁(火)。21日目から翌月節入りまで。

未(7月)の蔵干
初気(余気):丁(火)。節入りから9日間。
中気:乙(木)。10日目~12日目。
正気(本気):己(土)。13日目から翌月節入りまで。

申(8月)の蔵干
初気(余気):戊(土)。節入りから7日間。
中気:壬(水)。8日目~14日目。
正気(本気):庚(金)。15日目から翌月節入りまで。

酉(9月)の蔵干
初気(余気):庚(金)。節入りから10日間。
正気(本気):辛(金)。11日目から翌月節入りまで。

戌(10月)の蔵干
初気(余気):辛(金)。節入りから9日間。
中気:丁(火)。10日目~12日目。
正気(本気):戊(土)。13日目から翌月節入りまで。

亥(11月)の蔵干
初気(余気):戊(土)。節入りから7日間。
中気:甲(木)。8日目~14日目。
正気(本気):壬(水)。15日目から翌月節入りまで。


四柱推命での吉凶判断の基本~命式の季節である蔵干について~2
このようにして各月の蔵干が分かれば、いよいよ通根について見ることができます。
通根とは、四柱推命の命式の上で、天干が地支に根を持つことであり、天干が地支に根を持つとは、天干と同じ干である蔵干を地支に持つことを言います。
どの柱のどの支への通根でも根があることになりますが、近い柱の支への通根の方が力が強く、他の柱を挟んでの通根はその分力が弱くなります。

ただし、通根したときのエネルギーとしては、月柱の支への通根が最も力量が強いと言われており、天干が月支に通根することを、「月令を得る」と言って、その天干のエネルギーが強いことの表現として用いられます。
この月令を得ているかどうかということは四柱推命においては非常に重要で、特に日柱の地支が月令を得ることは、その人の一生に関わる要素となります。

また、月令を得ていない天干でも、大運の支に通根する時は非常に強い力量を持つことになります。
大運については、また別の機会にお話ししましょう。

 

話を戻しますが、月柱の地支は、その人の一生を左右する重要なものです。
ですからこれを「元命」と言って、四柱推命では非常に重要視します。

その人の性質や性格を示すのが日柱の干支であり、この日干支のエネルギー量を示すのが元命です。

また、自分自身を示す日干支と社会を示す月柱の関係性が良いことは人生において大変重要なことですから、運命の核となるものが月支元命であると言えます。

■通根や透干の作用について

■通根や透干の作用について
一つの地支は一つの天干にしか通根できないわけではなく、一つの支に三種の五行の天干が通根することもあります。
これは蔵干が三つの五行を含むことがあるからです。また天干も、蔵干に同一の干を含む支があれば、複数の支であっても基本的には通根できることになります。

なお、命式中で地支の蔵干中にしかない干が大運や年運で天干としてめぐって来ることを透干と言います。
地支はそのままではあくまでも蔵の中のものであり、天干が伴わなければ現実的な事柄としては表に出てきません。
火のない状態の油のようなもので、透干することで初めて力量を発揮します。

逆に、根のない天干は、油のない火のようなもので、天干に表れている五行がもたらす事象を現実の事柄として作用させるためには、通根によるエネルギー供給が不可欠です。

ただし、根が多過ぎる場合、命式内の五行のバランスが著しく崩れることになりますから、根があるからといって必ずしも良いとは限りません。

むしろ、力を抑えていなければいけない五行が、通根や透干によって力を得てしまったために、その年はひどい目にあうということもあり得ますので、注意が必要な部分でもあります。

 

通根、透干の見方の例を挙げますと、まず、四柱推命では、最初に自分自身を示す日柱の力量を見るのですが、この日柱の天干に根があるかどうか、特に、月令を得ているかどうかについてチェックします。
他の要素も加味した上で日干の強さを算出しますが、結果的にどの干、どの支が吉となるかを見て、その干ないし地支が流年で通根、透干する時期を吉として判断します。

例えば、冬生まれの水の命式で火の五行を吉とする人で、天干だけに丙や丁がある場合は、午や巳の流年がめぐってくる時を喜運とします。

地支に午や巳があるだけで天干に火がない場合、流年で丙や丁がめぐってくる時を吉とします。
水にとって火は財運に当たりますから、この時期はお金に恵まれる時期だな、などという見方をすることになります。

ただし、命式によっては、喜の五行がめぐってきてもそれがうまく働かない場合があるので注意が必要ですが、このことについてはまた別の機会にお話ししましょう。

また、その人にとってその五行がどのような働きをするかは、通変星を見ることで判断できます。これについても、また別途お話ししましょう。

 

次回は、各地支と通根・透干できる干についてご説明します。