四柱推命での吉凶判断の基本~命式の季節である蔵干について~1(ページ2)

四柱推命での吉凶判断の基本~命式の季節である蔵干について~1

前回の「四柱推命での吉凶判断の基本~五行の強さで先天運を見る~」では、四柱推命の吉凶をはかる上で重要な「蔵干」についてお話ししました。

前回説明したように、十二支にはそれぞれ対応する五行がありますが、この五行は天干のように一つにつき一属性とは限りません。なぜならば、地支の十二支が表しているのは十二ヶ月であり、季節だからです。
蔵干は、地支の中にも干の要素が含まれるという考え方に基づくものですが、季節によって土の温度が変わるように、五行は時期によって旺盛になったり衰えたりするものがあります。
夏の乾いた熱い土と、冬の水分の多い凍った土とでは性質が違う、という考え方です。

例えば、夏が火の季節、冬が水の季節、というのは何となくイメージが沸くのではないかと思いますが、春は冬の要素もあれば夏の要素もありますね。
春と一口に言っても、2月と4月では気候も大分違います。
ですから、地支はいくつもの五行を含んだものが多いのです。

また、干には各五行が二種類ずつありますから、五行の種類が一種類としても、例えば壬と癸など、二種類の干を含む場合も存在します。
そして、そのうちのどちらかが命式上で主となる干として採用されます。

同じ五行に属する二つの干の違いについては、また別の機会にお話しするとして、具体的には、どの地支がどの五行を含んでいるのかについて見ていきましょう。

■地支の五行を決定付ける五行の盛衰について

これまでお話ししたように、五行は季節によって強さが変化するものです。
これを旺相休囚死(単純に休旺と言うこともあります)と言います。
旺相休囚死のうち、最も勢いのあるものが旺です。旺盛、という言葉もありますね。
夏に火の気が、冬に水の気が旺する、といったふうに、季節によって旺する気は変化し、十二ヶ月は、各時期に旺する気により蔵干が決定されます。

ただ、これは単純に春だから、夏だから、という単純な形で決定するものではなく、一年のうち数日、数時間単位で細かく設定されています。

 

具体的には、蔵干は、その月(この場合の「月」とは2月4日の立春を新年とする暦のため、1日から始まる訳ではありません)の初期、中期、中期から末期の、3つに分けられて設定されます。
初期の蔵干を「初気(余気)」、中期の蔵干を「中気」、中期から末期の蔵干を「正気(本気)」と言いますが、初気(余気)は前月の気の影響を受けて現れる蔵干であり、これがやがて中気に変わり、最終的にその支の本来の蔵干である正気(本気)に変わっていくことになります。

ですから、基本的には初気(余気)は前月の正気(本気)と同じものになるわけですが、立春と立秋がある2月(寅月)と8月(申月)の初気(余気)については例外で、前月の余波をそのまま引き継ぐのではなく、己が戊に変わる形で、前月とその月で土の陰陽が入れ替わって引き継がれることになります。

その支本来の蔵干である正気(本気)は、先程述べたように、その時期に旺する気の干となっています。四柱推命では2月からが新年で春という扱いになりますが、春である2月と3月は木の五行の甲と乙が、夏である5月と6月は火の五行の丙と丁が、秋である8月と9月は金の五行の庚と辛が、冬である11月と12月は水の五行の壬と癸が正気(本気)になっています。

4月、7月、10月、1月は、少し扱いが異なり、季節の変わり目で土の気が旺する時期となっています。ですのでこの時期は、戊と己が正気になっています。


具体的に蔵干を一覧にすると、以下のようになります。
これを蔵干表と言いますが、流派によっても期間の設定がやや異なります(時間まで設定している流派もあります)ので、色々と調べてみても良いかもしれません。

なおここでは、月の始め(先程も言いましたが、四柱推命の月は1日からスタートではありません)を「節入り」と書いています。

 

<蔵干一覧>~子月から巳月~
子月(12月)の蔵干
初気(余気):壬(水)。節入りから10日間。
正気(本気):癸(水)。11日目から翌月節入りまで。

丑月(1月)の蔵干
初気(余気):癸(水)。節入りから9日間。
中気:辛(金)。10日目~12日目。
正気(本気):己(土)。13日目から翌月節入りまで。

寅月(2月)の蔵干
初気(余気):戊(土)。節入りから7日間。
中気:丙(火)。8日目~14日目)。
正気(本気):甲(木)。15日目から翌月節入りまで

卯(3月)の蔵干
初気(余気):甲(木)。節入りから10日間。
正気(本気):乙(木)。11日目から翌月節入りまで。

辰(4月)の蔵干
初気(余気):乙(木)。節入りから9日間。
中気:癸(水)。10日目~12日目。
正気(本気):戊(土)。13日目から翌月節入りまで。

巳(5月)の蔵干
初気(余気):戊(土)。節入りから7日間。
中気:庚(金)。8日目~14日目。
正気(本気):丙(火)。15日目から翌月節入りまで。

 

次回は、午月から後半の蔵干について見ていきましょう。