【愛の代償(第11話)】一緒に遊びに行くだけなら・・・
第10話へ⇐ 「それにしても、良かったわ。彼女の話なんて全然しないから。真央さんのように素敵 な彼女がいて、母さん嬉しい」 場の空気が和み会話が弾む。 誰も、私が彼女のフリをしているなんて気がついてなくて。 罪悪感は拭え…
第10話へ⇐ 「それにしても、良かったわ。彼女の話なんて全然しないから。真央さんのように素敵 な彼女がいて、母さん嬉しい」 場の空気が和み会話が弾む。 誰も、私が彼女のフリをしているなんて気がついてなくて。 罪悪感は拭え…
第9話へ⇐ 「まっさか姉さんも来るとは思わなかった」 両親たちを招き入れた涼介は上機嫌に笑いながら言った。 「ごめんなさいね、涼ちゃん。彼女がいるのに私までお邪魔しちゃって」 セミロングのその人は、どうやら涼介のお姉さん…
第8話へ⇐ 私の家とは違うインターフォンの音に違和感を覚えながら、涼介の家の玄関先に立つ。 同期で入ったはずなのに、涼介のマンションは私のアパートよりはるかに立派だった。 「ああ、ちゃんと来てくれたんだね?」 玄関を開け…
第7話へ⇐ ゆっくりと話始めた増田くん。 私は警戒しながらその言葉を聞いていた。 「明日、両親がマンションに来るんだけどさ、そのときに彼女のフリをしてくれない?」 「え……?」 増田くんの頼み、それは私の想像とかけ離れて…
第6話へ⇐ けれど、次第にはっきりとしてくる増田くんの言葉。 自信に満ちたように、言っていた。 私が納得するような証拠を用意すると……。 「やめてっ!」 増田くんを振り払うようにカッと目を見開けば、そこには驚いた顔の浜本…
第5話へ⇐ 考えがまとまらないままに、浜本さんと会ってしまった。 彼は昨日と同じ笑顔を見せて……その笑顔が余計に私を混乱させる。 いつものバーカウンターで、他愛の無い会話。 そうして、絡まる指先。 何も考えられなくて、私…
第4話へ⇐ 浜本さんの言葉。 私はすぐに答えられずに黙りこんでしまった。 もちろん、会いたい。 何も知らずにいたままの私なら無条件に会う約束を受け入れていた。 けれど、今は……。 (今日会ったら……増田くんの言葉を確認し…
The greatest mistake you can make in life is to be continually fearing you will make one. 最大の過ちとは、過ちを犯さないかとおそれ…
第3話へ⇐ 翌朝―― 自分のデスクにつくなり、増田くんが声をかけてきた。 なんでも、今日からしばらくこの部署の手伝いだと言っていたけれど……。 「寝不足?」 (……誰かさんのせいでね) 家に帰って一睡も出来なかった。 も…
第2話へ⇐ 「今、帰り?」 「え?」 隣から落とされた声に思わず顔を上げれば、そこには見覚えのある顔。 「ま、増田くん!?」 「さっき改札で見かけて、もしかしてって思ったんだけど」 私の隣で、涼し気な目元をしながら増田く…
第1話へ⇐ 「はぁ……」 バーからの帰り道、私は駅で浜本さんと別れた。 終電までまだ時間はあるというのに、今日のデートが終わってしまったから。 (結婚の話なんて……しなければよかったのかも) 後悔のため息が、止まらない。…
愛の代償の重さなんて、私は知らなかった。 知ろうとも、しなかった。 もし、知っていたら……私は幸せな恋が出来たのかな? 夜景の見えるレストラン、おしゃれなジャズが流れるバー。 彼とのデートはいつも、仕事が終わって終電まで…
A man and a woman marry because both of them don’t know what to do with themselves. 男と女が結婚をするのは、お互いそれ意外に方法がなかっ…
It is assumed that the woman must wait, motionless, until she is wooed. Nay, she often does wait motionless. T…
The love that lasts the longest is the love that is never returned いつまでも続く愛とは、片想いのことだ サマセット・モーム 太宰治と聞いて「人間失格」…