二人の「結びつく力」を占う四柱推命での相性占い1

二人の「結びつく力」を占う四柱推命での相性占い1

四柱推命は中国で発展した占いで、その高い精度から特に信頼されている占いです。
古代中国で行われていた「科挙」という官僚の登用制度において、その人が有用な人物かどうかを見るために発展した占いという側面が大きくはありますが、実はこの四柱推命、相性占いとしても高い精度を持っています。

元々、四柱推命はその人が持つ五行のバランスから、その人の人となりや運勢を見る占いです。陰陽五行説、という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、この世のすべての事柄には陰と陽の二つの性質があり、五行のいずれかの性質を持つとされています。陰と陽は磁石で言うところのN極とS極、電気で言うところのプラスとマイナスであり、互いに結び付く性質を持っています。

この陰と陽の中でも、特に結び付きやすいとされている関係性があり、そのような性質が自分と相手の命式中にどれくらいあるかということを見ることで、結び付きの強さについて占うのが、四柱推命による相性判断の基本になります。

また、五行同士にも相性がありますし、自分自身の五行の強さによって相手と長続きするかどうかという部分が変わってきます。逆に、決定的に相性が悪い関係性というものも存在します。

今回は、この結び付きの強さについて見る方法を、詳しくご説明いたしましょう。

■「干合」について

干合とは、十干同士のうち、特に結び付きの強い関係性を言います。十干は四柱推命の上段に出てくる、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の10個の属性です。

このうち、甲(きのえ)・丙(ひのえ)・戊(つちのえ)・庚(かのえ)・壬(みずのえ)は「陽干」と言い、電気のプラスマイナスで言えばプラスの気を帯びた干になります。

一方、残りの乙(きのと)・丁(ひのと)・己(つちのと)・辛(かのと)・癸(みずのと)を「陰干」と言い、プラスマイナスで言えばマイナスの気を帯びた干になります。

陽と陰、と言うと、陽は陽気で陰は陰気のような気がしてしまうかもしれませんが、陽干だから良い、陰干だから悪い、ということはありません。西洋占星術で言えば、陽干は男性星座、陰干は女性星座のようなイメージです。東洋の陰陽五行説においては、男性は陽の気を、女性は陰の気を帯びたものとして扱われます。これは西洋占星術で、太陽が男性、月が女性を表しているのとちょうど一致しています。

ですから陽干は男性的な性質であり、陰干は女性的な性質を持っていることになります。当然、男女でありプラス極とマイナス極ですから、陽干と陰干はそれだけでも結び付く関係性にあります。

しかし、「干合」は更に強く結び付く関係にあります。これは干支の周期に関係しています。

十干(上にあるので天干とも言います)のほかに、最後の記事でご説明する地支が出てきますが、地支は十二支のことであり、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の12種類になります。
天干も地支も、年、月、日、時間にそれぞれ割り振られており、一年に一つずつ、一ヶ月に一つずつ…という感じで移り変わります。

一年目の一月目の一日が甲子年の甲子月の甲子日だったとしたら、翌日は乙丑日、翌月は乙丑月、翌年は乙丑年というわけです。
こうして十干と十二支を割り振っていくと、10と12の最小公倍数である60番目にもとの甲子に戻ってきます。(60歳を還暦と言うのは、生まれた年の干支に60年で戻ってくるからです。)

360÷60=6で、隣の干は6度離れていることになります。5つ離れた干は6×5=30で30度。10番目の干は60度離れていて、またもとの干と同じになります。こうして数えていくと、5つ離れた干は、もとの干と30度、90度、150度の関係を形成することになります。

西洋占星術で言えば、30度はセミセクスタイル、90度はスクエア、150度はクインカンクスです。西洋占星術に詳しい人は、「あれ?そんなに相性良くないんじゃ?」と思うかもしれません。実を言うと、五行思想の基本事項においても、この組み合せはストレスを生じる組み合せなのです。

さて、何はともあれ、5つ離れた干同士は、西洋占星術で言うところのアスペクトを形成する関係性にあり、四柱推命においては、干合の関係性となります。

具体的には、「甲と己」「乙と庚」「丙と辛」「丁と壬」「戊と癸」の関係性が干合にあたる関係性です。
面白いのは、これらはいずれも相剋の関係性にある干だということです。木である甲は土である己を剋し、金である庚は草である乙を剋し、火である丙は金である辛を剋し、水である壬は火である丁を剋し、土である戊は水である癸を剋し…という具合に、すべての組み合わせが相剋、つまりは相手に対してストレスを生じさせる、もしくは自分がストレスを受ける組み合せなのです。

これは、干合の関係をを西洋占星術で見たときに、90度や150度といった関係性にあたることにも共通しています。

なぜストレスを感じる相手なのに相性がいいのか? 次回はこの点についてお話ししていきましょう。