死にたくなる・人を攻撃してしまう時期のホロスコープ

死にたくなる・人を攻撃してしまう時期のホロスコープ

前回は、太陽と火星のアスペクトを持つ人が、更に天王星のハードアスペクトを抱えるとどのような象意が生じるかについて見ていきました。
今回は、海王星、冥王星が太陽と火星のハードアスペクトに絡んできた場合の現象についてお話しします。

<太陽と火星に海王星がハードアスペクトを取った場合>

海王星は感情や情動、イマジネーションの星です。「感受性」と言ったほうが正しいかもしれません。月も精神面を表しますが、海王星の方がもっと粘着質で、それでいてとらえどころがありません。

海王星は、同調意識や共感能力を司る星でもあります。他者に対して同情的で、同質化していく意識を示す星です。同情心に富む女性をイメージすると分かりやすいかもしれません。

彼女は自分と他人の境界があいまいで、他人の痛みや喜びを自分の痛みのように感じることのできる想像力と共感能力を持っています。そのため奉仕的であり、他者の喜びのために尽くします。

しかし、人並み以上に同情心に富んでいることで、悲しい出来事や辛い感情をより悲しい出来事、より辛い出来事として自分の中で増幅させてしまいます。
そのようにして増幅した自分のイメージによって苦しむあまり、精神科のお世話になってしまったり、薬に頼ることになってしまったりします。性的なことにも依存傾向があり、お酒に溺れるようなこともあります。

こういった性質を持つ海王星が火星と凶角度を取った場合、感情的に高ぶりやすく、いらいらしやすい時期になります。感情のコントロールがしにくく、すぐに興奮して怒り散らしてしまうかと思えば、逆にひどく気分が落ち込み、何もかもに絶望するような気持になって自殺願望すら持ってしまうようなこともありえます。

感情が高ぶりすぎて正常な判断能力が鈍っている時期でもありますので、他人に騙されたり、裏切られたりしやすい時期になります。そういうことをするような人に付け入られやすい精神状態ということです。
本人がそういう状態なので、境遇としてもいらいらさせられたり、落ち込んだりしやすい環境を呼び込みやすく、負の連鎖につながりやすいので注意が必要です。

火星と海王星の凶角度は、当たらないミサイルにたとえられます。

火星は規模こそ大きくないものの、一点突破型の弾丸のようなエネルギーを持った天体です。
その火星が良くも悪くも視野がふわっとしていてすべてのものを内包し溶け込ませようとする海王星によって悪影響を受けるということは、言ってみれば照準の定まらないスコープを渡されるようなものです。
目的や目標があいまいになり、当たりもしないのに膨大なエネルギーを消費するミサイルを打ち続けるような真似をしてしまう。しかもそのエネルギーはただ消耗されるばかりで、ほとんどの場合、実になりません。

気持ちばかりが焦り、そこから抜け出そうとあがきますが、結局は徒労に終わってしまいます。
しかし、そのエネルギーが尽きて燃え尽き症候群になるわけでもないのがこの時期の特殊さかもしれません。

とはいえ、うまい話や夢物語に目がくらんで損失が出てきやすい時期でもありますので、冷静な判断を心がけるようにしましょう。
この時期に投資や一か八かの勝負に出るような真似はおすすめしません。堅実さが重要です。

<太陽と火星に冥王星がハードアスペクトを取った場合>

冥王星は莫大なエネルギーを持つ星ですが、極端さを示す星でもあります。
火星が一点集中型の鉄砲だとしたら、冥王星は核エネルギーのようなもの。火星と冥王星がアスペクトを持つと、エネルギーの使い方が極端になります。
人並外れたスタミナと集中力で目的を完遂させるために努力しますが、自らのエネルギーを制御しきれず暴走してしまうこともありがちです。

自分の目的を達成しなければ死んでいるのも同じというくらいの情熱を傾け、エネルギーが底をつきるまでフルスロットルで動き続けます。周囲からは驚異的と取られるほどですが、バランス感覚に欠けるため限界が来てダウンしてしまうようなことも珍しくありません。

また、攻撃的な面が強くなってしまう時期でもあり、しかもその攻撃性が突然現れるという状態です。
普段は温和な人であっても、敵と見なした相手は徹底的に追い詰めるような部分が出てきますし、自らの安全を脅かすような状況に対しては、徹底抗戦の構えを取ります。
しかも、冥王星の働きは極限まで続くため、本当にどちらかが倒れるまで続くような戦いになりがちです。

その怒りのパワーが単純に状況や環境の改善のために使用されればよいのですが、口争いが高じて暴力事件となってしまったり、犯罪行為に走ってしまわないよう、衝動や攻撃性をコントロールすることが求められます。

また逆に、膨大なエネルギーを消費しすぎて、疲労がたまっている状態になる時期でもあります。
疲れていると余計に精神のコントロールはうまくいかなくなりますので、キレやすくなっていることを自覚し、破壊的な衝動をスポーツや仕事などにうまく生かしていくようにすると良いでしょう。