ホロスコープの「吉凶」を簡単に理解する方法

ホロスコープの「吉凶」を簡単に理解する方法

前回は、自分にとってのしんどい時期を見極める前段階として、惑星の吉凶について触れていきましたが、惑星の吉凶とは、その惑星が司る分野が人間にとってコントロールしやすい分野かどうかで決まります。
分かりやすく説明します。

自分の人生を、職場のようなものだと考えてみてください。
あなたは大きめの会社の社員です。役職としては課長の位置にいます。あなたの上に部長が一人と、次長が一人います。同部署に、課長補佐、所内IT担当、事務、若手男性社員がいます。あなたはこの四人の上司にあたると考えてみてください。

自分自身は太陽です。その身の回りの手伝いを課長補佐の月がしてくれます。月は情緒的なので、時々不安定になることもありますが、よく気がついてお世話をしてくれる星です。

水星はITに強い爽やか眼鏡くんです。おしゃべりが好きでいろんな情報を知っています。時々失言もありますが、物知りで頭のいい子です。

金星はのんびりやさんの事務員さんです。カリカリしておらず、経費は使ったらちゃんと申請てくださいね~と言ってくれるみんなに人気の美人の優しい事務さんです。

火星は猪突猛進、血気盛んな若手の男性です。バリバリ仕事をしています。成績を上げることが命です。時々手段を選びません。自分のやり方を強引に押し通すところがあります。

木星は次長さんで、部署全体の面倒を見てくれ、部署の可能性を高めてくれるおおらかな企画マンです。この人の采配は自分に飛躍をもたらしてくれます。時々気が大きくなりすぎるのが玉にきずですが、おおむね良い効果をもたらしてくれます。

土星はあなたが所属している部署の部長さんです。とても仕事に真面目で、部長職としての手腕は優れています。ただ、あまり部下の扱いは得意ではありません。その辺は木星の次長さんに任せています。自分の仕事に打ち込みすぎていて部下のメンタルケアなどには頭が回りません。そのくせ、部下の仕事の仕方には目を光らせていて、部下がサボっていたりきちんとしていないと圧力をかけてきます。感情で動く人ではありませんが、仕事はきちんとしていないと怖い存在です。

天王星は人事部のお偉いさんです。普段会うことはありませんが、権力を持っています。天王星の働きかけ次第では、こんな会社やめてやる!という気分になってしまうこともあります。

海王星は経営企画部のお偉いさんです。普段会うことはありませんが、会社の未来への展望を膨らませています。何をやっているのかいまいち分からないのに、会社の方向性を左右する部署です。

冥王星は会社社長です。普段会うことはありませんが、絶対的な権力を持っています。誰も逆らうことはできません。

いかがでしょうか。この中で日々の生活において付き合っていくにあたって特に気を遣わないといけないのが誰かと言われれば、火星、土星になるのではないでしょうか。

<「扱いが難しい」マレフィック天体>

火星は言葉で諭したからといって言うことを聞く性格ではなく、一度暴走すると攻撃敵になり手がつけられなくなる面があります。
土星もきちんと仕事をしていなければきつい圧力を強いられます。
かつて、土星はマレフィック天体の代表的な星でした。土星よりも遠い、天王星、海王星、冥王星は発見されていなかったため、土星が最も力のある星だったのです。(西洋占星術では太陽系の中において太陽から遠い星はそれよりも近くの惑星を制するものであるとされています。)

土星よりも内側にある他の星は、そんなに気を遣わなくともうまく付き合っていきやすい星です。もちろん気を遣わなくてすむとは言っても、月は時々不安定になりうっかりすると泣き出したりすることもありますし、木星は上司ですから、油断していると時としてとんでもないことになることもありますが、普段はおおむね良い効果を生んでくれる星です。

土星よりも外側にある星。天王星、海王星、冥王星はそもそも気を遣うまでもなく自分の力でどうにかなる星ではありませんが、これらの星が自分に圧力をかけてきたら「会社人生終わったかも…」という気持ちになるでしょうね。

このように、惑星の吉凶というのは、その星が扱いやすいか扱いにくいか、付き合いやすいか付き合いにくいかで決まります。そして、木星より外側の星は、個人の力だけではどうにもならないパワーを持っている星です。
それでも木星と土星は、「うまく付き合って行く」こと自体は可能です。天王星、海王星、冥王星になると、付き合っていくということ自体が不可能で、人間はただ天の動きに翻弄されることしかできません。
ただ、あらかじめその効果を知っていれば、悪いことが起こっても「今はそういう時期なんだな」と思って辛抱するということはできます。私が自分自身のしんどい時期を知りましょうとお話ししているのも、そういう「しんどいのはいつ頃まで」ということを知って耐え抜く心を持っていただくためにお話ししています。

ゴールの見えない持久走ほど辛いものはありません。ホロスコープは、しんどい時期のゴールを教えてくれる有用なツールです。積極的に活用していきましょう。