【芦屋道顕】猫は異界の生き物(1)猫が何もない空間を見つめる霊的な理由【真夏の怪談】

【芦屋道顕】猫は異界の生き物(1)猫が何もない空間を見つめる霊的な理由【真夏の怪談】

関東は梅雨が明けたそうじゃな。いよいよ、日本の夏、ジメジメとした怪談に相応しい季節がまた巡ってきたのう。

ということで、今年も真夏の怪談シリーズじゃ!

その前に、告知じゃ。
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では、本題。真夏の怪談、始まり始まり!

【猫は異界の生き物】

世の東西も宗教も問わず、あらゆる霊的な事象に携わった者の多くが「猫は霊的にほかの動物と異なる」と認識しているようじゃな。

西洋では黒猫が魔女の遣いであったり、
【芦屋道顕】猫は異界の生き物(1)猫が何もない空間を見つめる霊的な理由【真夏の怪談】

古代エジプトでは神の遣いであったり。日本では猫には九つの命があるといわれ、また、長生きすれば尻尾が二股に裂けて妖怪・猫又になるなどとの言い伝えもある。

そして、これはあまり公には言われておらぬがわしの生業の界隈ではまことしやかに囁かれていることに「猫は異界、あの世を行き来できる」がある。

ほかのオカルト界隈の識者がなんと言うかは分からぬが、猫はやはり犬やフェレットやハムスターや兎など、ほかの動物とは異なる魂の系譜を持つ貴重な生き物である、とわしは祖父や父から教えられてきた。(余談であるが「鳥」と「虫」は猫とは異なるがこれまた霊的な事象に関わる生き物で、あの世とこの世をよく行き来するようじゃ)

詳しい理由など知る由もないが、祖父や父の蔵書や受けた霊的な相談事の記録や聞き及んだ範囲だけでも、

逸話はたくさんあるが、まずは猫を飼ったことがあると比較的多く経験することから挙げていくぞよ。

■猫が何もない空間をじっと見つめる霊的な理由とは

さっきまでのんびりと寝ていた飼い猫が、急にピクッと耳を立て体を起こし、ある一点を見つめる。さらには唸り声をあげたり、ビクッとして走り去ったりもする。これは昔、我が家で飼っていた猫もときどきやっておった。

【芦屋道顕】猫は異界の生き物(1)猫が何もない空間を見つめる霊的な理由【真夏の怪談】

動物の行動学の専門家であれば科学的根拠のある説明をするであろうが、ここではそういったことは置いておいて……。

霊的な理由はずばり、

猫は、人間や犬など他の生き物には見えない存在が視えている

魑魅魍魎、自然霊、生霊、死霊など。人のオーラも視え、残留思念なども感じ取れるそうじゃな。

ちなみに「飼い主の霊、残留思念」に対しては猫よりも犬のほうが敏感であるようじゃ。特に人間と共に暮らしてきた魂の系譜を持つ犬は、犬であってもいわゆるソウルメイトとなるのやもしれぬ。

さて、猫の話に戻るぞよ。昔、我が家で飼っていた猫は、よく何もない空間を凝視し、耳をふせ、毛を逆立て、フッー!っと威嚇して走り去るといったことをよくやっていた。

拝み屋だった父が客の家で生まれた子猫をもらいうけてきたのであるが、我が家のような特殊な家に来る縁を持つ猫とあって、やはり霊的なものへの反応はよその猫よりも敏感だったように思う。

家族全員にとても懐き、甘えん坊の猫で家族が外出から帰ると玄関まで出迎え、足にまとわりつくのが常であった。

が、面白いことに、父がお祓いのようなものを頼まれてしてきた帰りや、曰く付きの場所に出向いた日には、玄関で父の姿を見るやフッー!っと威嚇することがたびたびあった。

恐らく、父についてきてしまったなんらかの悪しき念やら妖(あやかし)の存在が視えていたのであろう。

そのときは父は「おお、また何かもらってきてしまったな」と笑って、家に入るのをやめて庭にまわり、

自身を祓い清める独自の儀式を行っていた。その後、改めて玄関から入ると、猫は今度は何事もなかったかのように父の足元にまとわりつくのであった。

★猫が何もない空間を凝視しても、ずっとでなければ問題なし

さて、飼い猫が家の中あるいは敷地内でなんらかの良からぬものを見つめていたとなると、悪霊や魑魅魍魎に家が取り憑かれたのかと心配であろう。

しかし、ごくたまに……。月1程度、そのようなことがあるとしても、猫が空間を凝視したのち、すぐにまた興味を失って寛ぎ始めるようであれば、あるいは子猫などは怖がって走り去ることがあるが、また戻ってきてその同じ場でふつうに寝転ぶようであれば、全くと言っていいほど問題はない。

猫が視た妖(あやかし)は、恐らくは通りすがりの小さくあまり害のない魑魅魍魎か、浮遊霊の中でも特にその家の家族と関わりがない通りすがりの霊だったはず。

猫にしてみれば、人間の目に視えない虫がそこを飛んでいたので見つめていただけ、怖がったとしてもそれは猫にとって怖い姿をしていただけで、人間が蜂を見たら逃げるのと同じ感覚なのじゃ。

通り過ぎてしまえば、なんの害もない。たまたま、その家の中を霊道が通っていたり

近くに死者が出やすいか扱う施設……例えば病院、葬儀場、火葬場、墓場などがあれば頻繁に霊的なものが視えて猫は落ち着かぬであろう。

が、それでも猫もまた慣れてしまい、野生の牛がたくさんのハエにたかられても気にせぬように、霊魂飛び交う中でもスヤスヤと眠るようになるものじゃ。山や川、森などの自然霊や魑魅魍魎が多い場所と近い家でもまた同じ。

そして、そのように飼い猫が気にしなくなってしまう類の霊や魑魅魍魎であればほぼ無害なのじゃ。

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