「世界」に描かれた楕円形の葉の輪は、「ウロボロスの蛇」を表しており、この蛇は「魔術師」の男性の腰にも描かれています。 「ウロボロスの蛇」は、自分の尻尾を食べて円形になっている蛇のモチーフであり、無限、永遠を表しています。また、そのウロボロスの蛇は、赤い∞の形のリボンで結ばれていて、このマークも魔術師のカードに描かれたものと一致します。このマークも「世界」では女性原理を示す2つが、「魔術師」では男性原理を表す1つが描かれているのです。
これらのモチーフから、このカードが「始まりも終わりもない完全なもの」や「永遠」を表していることや、「世界」のカードが「魔術師」のカードと対になっていることが分かります。つまり、「世界」のカードの女性はイブであり、「魔術師」のカードの男性はアダムなのです。
「世界」のカードは22番目のカードですが、「愚者」が0番目のカードに位置していますので、「世界」に冠された数字は21です。タロットカードは、「1：魔術師」と「21：世界」を合わせて、初めて男性原理と女性原理が揃い、22という完全な数になることができるのです。
「世界」だけでは女性のみしか描かれていませんので、真の完成のためには男性が必要なのです。
ですから、待ち受け画像にするときは、「世界」だけでなく「魔術師」のカードもセットで待ち受けにすると、特に恋愛成就においてはより良い結果に繋がるかもしれませんね。二枚並べると、女性が男性を見つめているようにも見えます。
またウェイト氏は、このカードが示す意味は、あくまでも「物質的」ではなく「精神的」なものでなければならないと考えていたようです。タロットにおいて、物質とは地のスートであるペンタクルのカードが示す金銭や富を示します。ですのでこのカードが示す「願望成就」とは、金銭的、物質的に豊かになることについては働きにくいという面を持っていることになります。逆に言うと、精神的な願望成就には最適なカードということになりますので、恋愛成就のお守りとして絶大な効果があると噂になることも頷けます。
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