カードの使いすぎNG。嘘のつきすぎNG。上司との恋NG。
この映画の主人公は、この3つのNGへのハードルをかなり低く設定しているらしく、あっという間に飛び越えてしまうのです。
赤毛の巻き髪をなびかせて、ルブタンのハイヒールを装着した華奢な足で。
主人公のお買い物中毒な女子レベッカ・ブルームウッドをアイラ・フィッシャーが魅力的に演じています。
レベッカが恋してしまう上司ルーク・ブランドンを演じるのは、イギリス人の俳優ヒュー・ダンシー。かなりキュートなお方で、イギリスなまりで話す姿が素敵なのです。アメリカの女優クレア・デインズの旦那様です。
レベッカ役のアイラは、身長160センチで、アメリカでは背が低い方なので、ちょこまか動く様子が、小動物っぽくてかわいくて、笑いを誘います。
コメディ映画として十分おもしろいのですが、おバカな映画と侮るなかれ。
私たち女子が陥ってしまいそうな誘惑がちりばめられていて、教訓としても見どころたくさんの映画なのです。
まず、カードの使いすぎ問題。
レベッカは12枚のカードを駆使して、お買い物中毒を続けてきたのですが、すべてのカードが限度額に達し、支払いも高額になり、かなりのピンチに。
そんな中、ファッション誌に転職をもくろみ、面接を受けに行くのですが、途中にあるショーウィンドーの「セール」という言葉に引っ掛かり、グリーンのスカーフを買ってしまいます。
「セール」ってほんとうに魔法のことばですよね。誘惑度かなり高めです。
スカーフのお値段120ドルなのですが、「50ドル現金で、30ドルはこのカード、このカードで10ドル支払って・・・」という具合。
アメリカってこんな支払方できるのかと、関心したというか驚きました。
カードをこんな風に使うのはまったく良くないですが、「面接の為にどうしてもあのグリーンのスカーフが必要なの」という彼女の気持ちは、ものすごく良くわかります。
面接とか、初めてのデートとか、大事な会合とか、
人生の中で勝負をする時にどうしても必要なアイテムはあると思うのです。
どうしてもこれが必要と思ったアイテムを装着していけば、自分に自信が持てて、堂々と自分らしく振る舞えるというのであれば、
少し高額でも購入したって問題ないはず。
ところが、お買い物中毒とは、その購入に至る壁が低すぎて、あれもこれもどうしても必要と勘違いしてしまい、必要だから購入するのではなく、購入すること自体が快感になってしまっている状態なのです。
次に、嘘をつきすぎ問題。
レベッカは、借金まみれで督促されている状態を上司のルークに隠すために、嘘を重ねます。
自分を良く見せるためにとか、状況を良くしようと思ってという理由で、いらぬ嘘を重ねてしまうのは危険です。
嘘に嘘を重ねると、絶対に取り返しのつかない地点に到達してしまうものです。
少しの嘘なら、人生には必要ですし、悪意のない嘘というのも存在します。
でも、度を越した嘘というのは、嘘をついた人の信用を無くし、周りの人たちからの信頼も無くしてしまいます。
そして、その嘘は、一番のバッドタイミングで必ずバレてしまうものです。
最後に、上司との恋問題。
これは、相手が独身だったら、レベッカと同じくらいハードルが低くてもOKなのかなと思います。
もちろん同じ職場で同じ部署だったら、穏便には済まないでしょうが、その覚悟があるなら、恋するのは自由ですものね。
ただ、日本の場合、同じ部署でお付き合いしていることがバレたら、女子の方が違う部署に飛ばされるというのは良くあること。
しかし、職場という状況で、素敵な上司がいて、しかも好みのタイプの人だった場合、「恋をするな」という方が無理かも。
会社を出れば恋人同士なのに、職場では、何でもない涼しい顔をしていないといけないのですよ。
交際がバレるまでは、二人だけの秘密という隠し事をしているような状況を経験できるわけです。これもまた、ものすごい誘惑度ですよね。
上司に妻子がある場合は、危険すぎるので是非とも誘惑に打ち勝ってほしいですが・・・
この3つの問題を抱えたレベッカがどうなるのか。
結末が気になる方はぜひ、映画をご覧下さい。
画像出典:amazon
P.Jホーガン監督、ソフィ・キンセラ原作
「お買いもの中毒な私!」2009年公開作品