「おおロミオ、あなたはなぜロミオなの?」
ウィリアム・シェイクスピア作「ロミオとジュリエット」の有名なバルコニーのシーン。
ジュリエットに一目ぼれしたロミオは、ジュリエットの家に忍び込みます。
彼女の部屋のバルコニーの下で求愛するロマンティックなシーンは、女子の憧れですよね。
「ロミオとジュリエット」の舞台となったイタリアのヴェローナにジュリエットの家のモデルとなった家が存在しています。
この映画に登場する通り、実際にボランティアの女性たちが、「ジュリエットの秘書」として、世界中から届けられる恋愛相談の手紙の返事を書いているのだとか。
恋愛問題というのは、世界中の女子の共通の悩みなのですね
それは、現在でも50年前でも変わりがなかったようです。
主人公のソフィー(アマンダ・セイフライド)は、ジュリエットの家で50年前に書かれた一通の手紙を見つけます。
その手紙に返事を書いたことが、ソフィーの人生の転機となります。
手紙を受け取ったクレア(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)が、50年前に別れた恋人ロレンツォ(フランコ・ネロ)を探しにヴェローナにやってくるのです。
懐疑主事者の孫チャーリー(クリストファー・イーガン)をお供に連れて。
クレアとチャーリーとソフィーは、3人でロレンツォを探すことになります。
実は、ソフィーは、思っていることをうまく口に出して言えない性格。。。
アメリカ人の女性としてはめずらしいタイプですよね。
会社でも、婚約者のヴィクター(ガエル・ガルシア・ベルナル)にも、「本当は、私はこうしたいの」という気持ちを抑え込み、黙ってしまう内気な女の子。
演じるアマンダ・セイフライドも、かわいらしく性格が良さそうで好感がもてる女性なので、ソフィーがより魅力的に見えてきます。
アマンダは、歌も上手く「マンマ・ミーヤ」や「レ・ミゼラブル」などミュージカル映画にも吹き替えなしで出演できる実力派女優です。
個人的には、とっても好きな女優なので、今後さらなる活躍を期待しています。
彼女のことを知らないという方にも、ぜひ観ていただきたい映画です。
そんな魅力的なアマンダが演じるソフィーは、二人の男性の間で、心が揺れてしまいます。
婚約者のヴィクターは、オープン予定の自分の店の準備に夢中で、ソフィーのことはおかまいなし。
まあ、彼にしてみれば、オープン前の店の為にイタリアに来たようなもの。
いいワインやチーズがあれば、お店に使いたいと奔走するのは、仕方のないことです。
「プレハネムーンなのに・・・」と、へこむソフィーですが、それを彼に伝えることができない、やさしい子なのです。
忙しいヴィクターと別行動で、クレアの恋人探しに付き合ったソフィー。
一緒に行動するクレアの孫のチャーリーは、子犬のような瞳のキュートなルックスの男性ですが、高圧的でソフィーを見下すような態度をとっていて印象最悪。
でも、ソフィーは、こういう自己中男が好みのタイプらしく、どんどんチャーリーに惹かれていってしまうのです。
ソフィーはどちらの男性を選ぶと思いますか?
ヴィクターは、ニューヨークにイタリア料理店をオープンしようと頑張っている男性。エネルギッシュで一緒にいて楽しいタイプ。
チャーリーは、イギリスの名家の出身で、チャリティー活動もしている、いかにもおぼっちゃまというタイプ。
2人とも、自己中心的な性格がたまにキズ。
同時にいいなと思う男性が二人現れたら、どうやって選べばいいのでしょう?
普段、人間関係でガマンばかりしているソフィー。
本当の気持ちを心に閉じ込めて生きてきたのですが、はじめて自分の心の声に耳を傾け、その声に従って行動します。
ジュリエットの家での体験と、クレアとの出会いで、何かが変わったのです。
ジュリエットの家の女性たちも魅力的でしたが、なんといってもクレア役のヴァネッサ・レッドグレイヴの美しさ!
70代ですよ?信じられないほどの美しさと存在感を持った女性です。
ほんとうにかっこいい女性なのです。憧れます。
彼女のように年をとって、70歳になっても恋をしていたいなあと思います。
そんな素敵な女性の先輩たちに出会ったことで成長したソフィー。
ソフィーは、自分の心の声と向き合い、声に従いつつも、とても冷静に判断し、決断します。
若い時というのは、自分が若い時には、気が付かないのですが、本当にあっという間に過ぎてしまいます。
この映画のソフィーのように、心に忠実に行動し、恋に落ちてみるというのも、ひとつの経験です。
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ゲイリー・ウィニック監督
「ジュリエットからの手紙」2010年公開作品