新年度も始まって、街にはフレッシャーズの姿が目立ちますね。
「それに比べて私たちは…」という、ちょっとマンネリ気味のカップルだという自覚がある人、いませんか?
「毎日をただなんとなく過ごしている気がする」「彼とはもしかしたら価値観が違うのかもしれない」。
そんなカップルに2人で観て欲しい作品を紹介しますね。
『扉をたたく人』(原題:”The Visiter”)
いきなりズドンとくる、ヘビーな内容の映画をご紹介します。
愛について、人生について、物事の見方について、深く考えさせられる作品です。
舞台は9.11後のニューヨーク。愛妻に先立たれてからというもの、すべてに心を閉ざし、ただ淡々と日々をすごしている大学教授のウォルター。
彼は出張でニューヨークの別邸に戻った際、自分の部屋に住み着いているカップルを見つけてしまう。
ただならぬ雰囲気で事態を察したウォルターは、そのカップルに部屋を貸すことに決めた。
カップルは、アフリカンドラムのジャンベ奏者タレクという青年と、セネガル出身のゼイナブ。
はじめのうちは、青年たちと接するのに、どことなくぎこちないウォルターだったが、穏やかな青年からジャンベの演奏法を教えてもらううちに、だんだんと心を開くようになる。
そして、これまでの生活にはなかった、「喜び」「楽しみ」といった感情を思い出していくのだった。
そんなある日、ウォルターとタレクは仲良く地下鉄の改へ。そこで思いもよらぬ事件に巻き込まれてしまう。
事件の解決のために、奔走するウォルターだったが、何度試みても解決の糸口が見えてこない。
だんだんと窮地に追い込まれていくウォルター。
そこへ、見知らぬ女性が突然現れた。女性は自身のことを「タレクの母」だと名乗るのだが…。
初めて主演を務めたリチャード・ジェンキンスは、本作で第81回アカデミー賞で主演男優賞にノミネート。
全米での劇場公開時はわずか4館からのスタートだったが、じわじわと人気を呼び、270間で上映されるまで拡大。半年にもわたるロングランとなった。
お互いの価値観をわかちあうチャンス
ラストまで鑑賞して、お互いが感じたことを率直に伝え合えたら、きっと報われるのではないか、という作品。
恋愛初期の頃は、何をやっても2人きりでいられるのが、何より楽しくてたまらないです。
そして時が経ち、1年、3年、5年…。
「あれ? この先私たちってどうなるんだろう?」っていうときもあるかも。
そんなときは、彼らのように、1人だけ、2人だけの世界から少し飛び出してみて。
3人、4人と自分たちの味方でいてくれる仲間がいることに気づくと、マンネリも吹き飛ぶかもしれません。
(2009年、アメリカ、監督:トム・マッカーシー、主演:リチャード・ジェンキンス)
『扉をたたく人』トレーラー
[youtube http://www.youtube.com/watch?v=Rn3K199kv6c&w=420&h=315]