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年末ジャンボやサマージャンボなど、毎年大変人気のある宝くじですが、宝くじを買う人のなかでは、宝くじをギャンブルだと考える人とギャンブルではないと考える人に分かれるそうです。ギャンブル依存症という言葉があるように、ギャンブルには不健全なイメージがありますが、宝くじもそんなギャンブルの一種なのでしょうか?今回は、宝くじはギャンブルなのか、パチンコや競馬など他のギャンブルとの違い、還元率や確率について調べてみました。
そもそも宝くじとは?
宝くじの正式名称は『当せん金付証票』というもので、宝くじ売り場やインターネットで年齢制限なく購入できる、当選金品がついている抽選券のことです。江戸時代に寺社の修復費用を調達する方法として販売されていた『富くじ』が起源と言われています。
平成28年の(一財)日本宝くじ協会の調査によると、過去に1度でも購入したことのある購入経験者の割合は76.4%で、日本人の4人中3人が宝くじを購入したことがあるという計算になり、日本での人気の高さがうかがえますね。
参考:平成28年4月実施(一財)日本宝くじ協会調査(対象18歳以上男女9,718人 有効回収サンプル6,005)
宝くじの種類
現在発売されている宝くじは大きく分けると3つの種類に分かれています。
- 開封くじ: 一般的な宝くじで、購入したくじに番号などが振られていて、あとで抽選が行われるタイプ
- 秘封くじ: スクラッチくじのことで、購入したくじの一部が覆われているタイプ
- 数字選択式宝くじ:ロトやナンバーズなど、数字を選んでくじを購入するタイプ
宝くじというと、年末ジャンボやサマージャンボなどをイメージする人も多いと思いますが、それらは開封くじに当たります。
宝くじはギャンブル?
宝くじはギャンブルではないというイメージを持たれることが多いですが、実際にはギャンブルの一種と言えるでしょう。ギャンブルは日本語にすると『賭博』。賭博の意味は、お金や景品を賭けて勝負し、争うことです。宝くじもお金をかける『賭けごと』のひとつですので、当然ながら宝くじもギャンブルに属することになります。
宝くじはギャンブルではないと思われる理由
『宝くじはギャンブルではない』というイメージを持っている人も多いですよね。どうして宝くじはギャンブルではないと思われやすいのか、理由はいくつかあります。
ギャンブルというとパチンコや競馬のように、依存性が高いイメージがありますよね。ですが『宝くじのせいで借金地獄!』『宝くじ依存症で買うのをやめられない』という話はあまり聞かないはずです。このように、宝くじの依存性の低さから、宝くじはギャンブルではないと認識されやすいと考えられます。
また、日本の法律においてギャンブルが禁止されていることも、『公に販売されている=宝くじはギャンブルではない』と考えられてしまう理由と言えるでしょう。
第百八十五条 賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭かけたにとどまるときは、この限りでない。
引用:e-Gov法令検索
宝くじは法律で認められた公営ギャンブル
法律でギャンブルが禁止されているとご説明しましたが、なぜ宝くじは禁止されていないのでしょうか?
それは、日本の法律において、宝くじは『公営・準公営ギャンブル』として認められているからです。当せん金付証票法で、宝くじの目的は次のように定められています。
第一条 この法律は、経済の現状に即応して、当分の間、当せん金付証票の発売により、浮動購買力を吸収し、もつて地方財政資金の調達に資することを目的とする。
引用:e-Gov法令検索
つまり、『宝くじはギャンブルではない』わけではありません。宝くじは法律で認められた公営ギャンブルなのです。
宝くじと他のギャンブルとの違い
宝くじ以外にも、競馬、競輪、競艇、オートレース、スポーツくじなども『公営・準公営ギャンブル』として認められています。続いては、宝くじと他のギャンブルとの違いをみていきましょう。
宝くじと競馬の違い
まずは、宝くじと競馬の違いについてご紹介します。
競馬はいわゆる公営ギャンブルの一種です。公営ギャンブルは競馬のほかにも競輪、競艇、オートレースがあり、特殊法人や地方公共団体など公の機関が地方財政資金の調達に資することを目的として主催しています。競馬、競輪、競艇、オートレースは『公営競技』、宝くじやスポーツくじは『公営くじ』として種類が分かれますが、どちらも地方財政資金の調達に資することを目的としている点は同じです。
宝くじも競馬も公的に認められたギャンブルということに違いはありませんが、公営競技である競馬の方がゲーム性や予想の楽しさなどがあり、依存度が高いと言われています。
パチンコは公営ギャンブルではない
続いて、宝くじとパチンコの違いについてみてみましょう。
宝くじは公営ギャンブルとして認められていますが、パチンコは公営ギャンブルではありません。また、パチンコは宝くじよりも依存性が高い傾向にあり、パチンコにはまって借金を作ってしまうという話もよく聞きますよね。宝くじとパチンコの大きな違いは、公営ギャンブルかどうかということも挙げられますが、依存性の高さ、イメージの違いも大きいのではないでしょうか。
宝くじは割に合わない?
宝くじと他のギャンブルとの違いについてご紹介しましたが、宝くじは割に合わないギャンブルだという人も少なくないですよね。続いては、宝くじの還元率について、他の公営ギャンブルと比較してみました。
そもそも還元率とは?
宝くじなどのギャンブルにおける還元率とは、販売合計額(賭けに参加した人全員が払ったお金の合計)に対して、当たった人に払い戻されてくる金額の割合のことをいいます。
宝くじの還元率を『70%』と仮定して考えてみましょう。1等しかない1枚1,000円の宝くじを10人が1人1枚ずつ購入したとします。10人×1,000円で販売合計額は10,000円になりますよね。この宝くじの還元率は70%なので、この販売合計額10,000円の70%である7,000円が1等の当選金額にあてられます。残りの30%は宝くじの胴元(運営側)の収益になり、この胴元が得る収益割合は控除率と呼ばれているのです。
- 還元率:販売合計額に対して、払い戻されてくる金額の割合
- 控除率:販売合計額に対して、胴元の収益になる金額の割合
宝くじの還元率はどれくらい?
宝くじ公式サイトのデータによると、平成30年度の宝くじにおける還元率は46.5%でした。
- 還元率:46.5%
- 控除率:53.5%(社会貢献広報費・経費・手数料・収益金の合計)
宝くじの還元率は控除率よりも低く、胴元の収益金が多い印象を受けますよね。しかし、宝くじの収益金は社会貢献広報費・経費・手数料なども含まれていて、高齢化少子化対策、防災対策、公園整備、教育・社会福祉施設の建設改修に使われるなど、公共事業に役立てられているのです。当たったら返ってくるものが大きく、外れたらお金を無駄にしてしまったように思うかもしれません。しかし、宝くじは寄付の側面もあるため、購入することで社会貢献に役立っているのです。
宝くじと他のギャンブルの還元率比較
続いて宝くじと他のギャンブルについて、還元率はどれくらい違いがあるのでしょうか?平成20年度の総務省の調査『宝くじと公営競技との比較』を参考に、宝くじと公営競技(地方競馬、競艇、競輪、オートレース)を比較してみましょう。
- 宝くじの還元率:45.7%
- 公営競技の還元率: 58.5 %
比較してみると宝くじの還元率のほうが約13%低いのがわかります。宝くじは当たると大きいですが、還元率だけで考えてみると、宝くじよりも競馬や競輪などのギャンブルのほうが勝ちやすいと言えるのかもしれません。
宝くじの当選確率はどれくらい?
ここからは、宝くじの当選確率が実際どれくらいなのかについてご紹介します。
宝くじの1等当選確率は0.000005%!
宝くじは種類もさまざまですが、今回は2019年の年末ジャンボ1等7億円が当たる確率について調べてみました。年末ジャンボは2000万枚の中から1等7億円が1人に当たります。ということは、年末ジャンボの1等7億円が当たる確率は2000万分の1!パーセンテージで表すと0.000005%という途方もない確率になります。もっと低い金額であれば宝くじの当選確率は上がりますが、年末ジャンボミニの1等3,000万円でも、当選確率は250万分の1ほどです。
宝くじの当選確率は売り場によって違う?
よく宝くじの販売店に『高額当選続出!』『この売り場から3億円の当たりが出ました!』という情報が貼ってあるのを目にしますよね。この売り場で宝くじを購入したら当選確率が上がりそう…!と思うかもしれませんが、実際、そんなことはありません。
例えば1人1枚限定の宝くじを100枚、2店舗に分けて販売するとします。A店では80枚、B店では20枚売れた場合、A店が販売した宝くじの中から1等が出る確率は80%です。こうみると、『A店で買った人の方が当選確率は高いのでは…!?』と思ってしまうかもしれませんが、実際購入した人ごとの当選する確率は、A店で購入してもB店で購入しても、購入者ごとの当選確率は100分の1で変わりません。
『この売り場から当たりが出ました!』というのは、その売り場で購入したから当選確率が上がるということではなく、『この売り場では枚数が多く売れています!』という意味で捉えておくとよいでしょう。
数字選択式宝くじ(ロト・ナンバーズ)
ロトやナンバーズなど数字選択式の宝くじも人気がありますよね。ロトやナンバーズで当選する数字を予想することはできるのでしょうか?
数字選択式宝くじは、電動攪拌式遠心力型抽せん機『愛称:夢ロトくん』を使って抽選を行います。完全ランダムで選ばれるため、数字選択式宝くじの数字を予想するのは難しいでしょう。しかし、完全ランダムで数字を抽選してもどうしても偏りは出てきます。例えば1~6までのサイコロを60回振ったとしても、すべての目が10回ずつ出るということはなく、ランダムだからこそ、『1が16回出た』『3は7回しか出なかった』など偏りが出るのは当然ですよね。
楽天×宝くじの公式サイトでは、ロト7・ロト6・ミニロトの『数字別出現回数』や『よく出ている数字』『出ていない数字』を紹介しています。過去の数字を分析しながら当たる数字を予想するというのも、楽しみ方のひとつかもしれませんね。
参考:ミニロト(MINI LOTO) よく出ている数字分析|楽天×宝くじ
まとめ
宝くじは法律で認められた公営ギャンブルの一種です。宝くじは他の公営ギャンブルと比べても還元率が低いですが、収益金は高齢化少子化対策、防災対策、公園整備、教育・社会福祉施設の建設改修などに使われているので、当たらなかったとしても社会貢献につながっています。高額当選続出の宝くじ売り場を巡ってみたり、当たる数字を予想したりと、宝くじを楽しみながら一攫千金を狙ってみるのもよいかもしれませんね。