昼間、気温が上昇し、異常に暑く感じると熱中症になる恐れがあります。
ここ最近では、梅雨明けを待たずに、平年よりも気温が高い傾向にあり、春の運動会でも倒れてしまう子供たちも大勢います。
だからこそ、今は特に水分補給に気を配らなければなりません。
体が水分を欲していなくても、できるだけこまめに水分を補給する必要があります。
それがたとえ、空調の効いている室内でも同様です。
では、少し涼しくなった夜はどうでしょう?
食事の時や、お風呂上りには自然に水分を摂っています。
じゃあ寝る前はどうですか?
寝る前に意識して水分を摂っているなら、それは正解です。
快眠のためにもとっても大事だし、体のためにも必須なんです。
ただし、間違えると却って体に負担をかけてしまいます。
おやすみ前の水分補給のルール、きちんと覚えておきましょう。
【水分をなぜ摂るの?】
おやすみ前に水分を摂ると、夜中にトイレに行かなければならないのでは?と思うかもしれません。
でも、自覚がないだけで、体は水分を欲しているので、その心配はありませんよ。
では、どうして体は水分を欲するのでしょう?
人は寝ている時に、コップ1杯分の汗をかいています。
目安として、体重50kgの人なら、260mlもの水分が失われているとか。
それは冬でも同様で、気温が高くなる夏なら、さらにかいていることになります。
汗をかきたくないから、飲みたくないなんて思ってはいけません。
その汗こそが、体に大事な代謝なのです。
人の体の約60%は水分で、「体液」と呼ばれています。
新生児で80%と高く、高齢者になると50%と下がります。
口から入れた水分が腸から吸収されて、血液などの体液になって全身にまんべんなく循環します。
その役割は、酸素や栄養分を細胞に届けたり、老廃物(体内のゴミ)を尿として排泄することなどです。
そして体温が上がった時、皮膚への血液循環を増やして、汗を出して熱を逃がして体温を一定にします。
また、体の新陳代謝がスムーズに行われるように、環境維持の役割も負っています。
体のバランス維持のため、生命維持のために、水分はとても大事なのです。
特に寝ているときは、水分補給ができませんから、どんどん失われていき、脱水していきます。
そのために、おやすみ前にしっかりと水分補給をしておく必要があるのです。
脱水症状が起こったら、とても危険です。
血液はドロドロになり、血流が悪くなります。
そうならないためにも、適度な水分を摂っておきましょうね。
【上手な水分補給法とは?】
おやすみ前の水分補給で大事なのは、種類と温度、それに時間です。
まず、どのようなものを飲めばいいか、説明します。
摂りたい水分は以下のものです。
・白湯
・ハーブティ
・麦茶や番茶
水は冷たいものでなく、常温のもので、ミネラルウォーターならアルカリ性の軟水にしましょう。
白湯はさまし湯。
ハーブティはノンカフェインのもので、熱々で淹れてください。
飲むときは熱々でも、さめたものでも、どちらでも大丈夫。
麦茶も常温までにし、番茶は急須で淹れてもいいです。
肝心なのは、絶対冷え冷えのものを飲まないこと、です。
そして飲む時間は、寝る直前でなく、30分から1時間前くらいにしてください。
量は汗として出る量を考え、コップ1杯くらいですが、夏は汗をかく量が増えるので、飲む量も若干多めに。
ゆとりをもって、水分補給の準備をして、ゆっくりと飲んでください。
【ダメダメなやり方と悪影響】
おやすみ前に水分補給をする不安に、翌朝のむくみがあります。
それにトイレに行きたくなって目が覚めてしまうのでは?ということも。
確かに飲み方によっては、むくんだり目が覚めて快眠が得られないこともあります。
そんなダメダメなやり方と、それによる悪影響を挙げておきましょう。
・たくさん飲む
おやすみ前に、丁度いい水分量を摂ったつもりでも、その前のお風呂上りに炭酸飲料をたっぷり飲んでいたりするとむくみます。
さっぱりおいしい炭酸飲料は糖分も多く、カロリーも高めで、体液にはなりえません。
体にいいどころか、快眠もできず、太りやすくなりますし、むくみます。
もし飲むなら、無糖の炭酸水がおすすめです。
・よく冷えたものを飲む
体温が上がっていると、どうしても冷たいものが欲しくなりますが、そこは我慢です。
冷たいと体全体を冷やしてしまい、血行が悪くなって、代謝に悪影響が出るからです。
・おやすみ直前に飲む
寝ている間は、腎臓の機能が低下するので、余分な水分を排出することが上手くできません。
それがむくみの原因になります。
寝つきも悪くなるので、快眠を妨げます。
・カフェイン入りのものを飲む
コーヒーや紅茶、緑茶にはカフェインが入っています。
お茶も、フレーバーティーやフルーツティー、中国茶などはカフェインが入っているのでNGです。
飲んでしまうと、脳が覚醒してしまい、眠りを妨げるからです。
【起きたときの水分補給も必要】
夜の間に、体からは水分が排出されています。
寝る前に水分補給をしても、それは出てしまう分を補うだけの量に過ぎません。
よい目覚めのためにも、起きてすぐの水分補給もとても大事なのです。
飲むものは、水ならミネラルウォーターのアルカリ性の軟水から中硬水がいいです。
やはり冷たすぎず、10℃から常温のものをコップ1杯ゆっくり飲みましょう。
喉が渇いていなくても、関係なく飲んでください。
この1杯で体にスィッチが入り、代謝が高まります。
寝る前の水分補給のマイナスイメージは、飲み方の誤解からきていました。
きちんと飲むことで、体液が補給され、代謝が高まり、血行がよくなり、内臓や肌にもよい影響が出ます。
体が渇きを訴えて不眠になるということもなく、快眠で朝までぐっすり眠れます。
もし、寝ているときに喉が渇くなら、常温の水を枕元に置いておき、目が覚めたときにすぐ飲めるようにしておいてください。
その時は、たくさん飲み過ぎないように気をつけましょう。
おやすみ前の水分補給、是非毎日の習慣にしてみてくださいね。