涙が止まらない!純愛映画3選

 
「純愛」というと、どんなことを思い浮かべますか?
初恋、片思い、例え実らなくても相手の幸せを願う一途な愛。
今回は、様々な愛情の形に心打たれ、思わず号泣してしまう映画を3作品ご紹介します。

hana (2)「くちづけ」2013年 堤幸彦監督


「お互いのことを好き」、ただそれだけのピュアな純愛。
そして、父親が娘を想う愛。
様々な純愛がたっぷり詰まった作品です。

知的障害者が共同で暮らすグループホームに、かつての人気漫画家(竹中直人)と娘のマコ(貫地谷しほり)が入居することになりました。

知的障害を持つマコは父親以外の人間にはなかなか心を開きませんが、同じく知的障害を持つ入居者うーやん(宅間孝行)と意気投合。
マコとうーやんは「結婚する!」と宣言して周囲を驚かせるのですが、やがて大事件が・・・。

原作・脚本は、この映画になくてはならないユーモラスなキャラクター”うーやん”を演じた宅間孝行さん。
宅間さんが、実際にあった事件を元に生み出したこの作品は、宅間さんの劇団の舞台で演じられてきた作品ですが、2013年に堤幸彦監督により映画化されました。

作品の舞台であるグループホーム「ひまわり荘」には、知的障害を持つ人々とその家族が集まり、外部から守られた彼らはとても幸せそうに見えます。
そんな場所なら、障害を持つマコとうーやんは結婚して幸せになれるかもしれない・・・。

しかし、マコには父親が、うーやんにはしっかり者の妹(田畑智子)が付いているからこそ、こんな風に暮らしていられるのです。
もしも、その守ってくれる人がいなくなったら?
マコとうーやんに幸せになってほしいからこそ、突きつけられる現実に涙が止まりません。

哀しいけれどあったかい映画、観て良かった!ときっと思える映画です。
 

 
hana (2)「パッチギ!」2005年 井筒和幸監督


舞台は1968年の京都。
高校生の松山康介(塩谷瞬)は、敵対する朝鮮高校にサッカーの親善試合を申し込みに行き、ふと見かけた音楽室でフルートを吹くキョンジャ(沢尻エリカ)に一目ぼれ。
康介はキョンジャと仲良くなりたい一心で朝鮮語を覚え、ギターで「イムジン河」を歌おうと猛練習を始めます。

やがて康介は在日コリアンの集まる地域に出入りするようになり、だんだん彼らと仲良くなりつつありましたが、ある事件でどうしようもない壁を感じてしまいます。

単純にキョンジャや仲間と仲良くなりたいだけなのに、立ちはだかる壁は一人の高校生にはあまりにも高い国境の壁。
何もすることが出来ない康介は、まさにこの映画で効果的に流れる歌と同じ「悲しくてやりきれない」気持ちに。

歴史の重みに押しつぶされそうになりながらも恋心を貫こうとする康介のピュアな気持ちを応援したくなります。
後味は良くて、希望が湧いてくるような映画です。
 

 
hana (2)「王様と私」1956年 ウォルター・ラング監督 アメリカ作品


俳優の渡辺謙さんがブロードウェイデビューすることで最近話題になった舞台作品「王様と私(The King and I)」。
今回ご紹介するのは、その映画化作品です。

19世紀のタイ王国の宮殿に、アンナ(デボラ・カー)というイギリス人女性がやってきます。
未亡人のアンナは、王の子供たちの家庭教師として招かれたのです。
宮殿で待っていたのはスキンヘッドの王様(ユル・ブリンナー)と、大勢の子供たち。

王様は相当の頑固者で、王室に新しい風を吹き込もうとするアンナとは何かとぶつかり合うのですが、2人の間にはだんだん理解と友情が芽生えていきます。

ミュージカル作品なのですが、数々の歌もバックに流れる音楽も美しくて素晴らしい!
なんといっても、音楽を担当したのは、あの名作「サウンド・オブ・ミュージック」で名高いコンビ、リチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン2世なのですから。
名曲「Shall we dance?」にのせて、アンナと王様が踊る場面は映画史に残る名場面です。

エキゾチックな舞台、ぐいぐい引きこまれるストーリー、そして切なく悲しいラストに涙、涙・・・。
アンナと王様の間に芽生えたものは友情だったのか、それとも恋心?
そんなことを考えてみながら、この名作に浸ってみませんか?