世の中平成に突入して既に20何年も経つのに
未だに昭和引きずってる男性っていません?
どうみても三十路前で、顔も可愛らしいのに、
蓋を開ければオッサンじゃないって残念系!
そんな『見かけと一致しない残念系』に出くわした時に
観たいラブコメ。
『昭和』なオジサン、まさかの降格
ニック(メル・ギブソン)はシカゴの広告代理店の
クリエイティブ・ディレクター。
『昭和』な時代は、『酒、タバコ、車、グラマーな女性』
という『いかにも男性なCM』でヒットを飛ばし今の地位に居る。
が、今の世の中『昭和』から『平成』に移り、広告ターゲットも
『団塊世代の男性』から『幅広い世代の女性』へと移ったので、
ニックは降格。
新しいディレクターにライバル会社から
ダーシー(ヘレン・ハント)がやってきた。
女性やオコチャマの気持ちは、これっぽちも判らない
オジサマなニックは、お払い箱になるのが怖くて、
渋々ダーシーのミーティングに参加する事に。
『アイデアを出してきて』と出された商品は、
ニックにとって未開の境地。
ストッキング、ブラ、マスカラ、口紅
家に帰り、課題に出されたブツを
片っ端から身につけ悶々としていたニックは
娘アレックス(アシュレイ・ジョンソン)に見つかり
変人扱いされ、恥ずかしくてバスルームに逃げ込む。
そこでドライヤーで感電してブっ倒れたニックは、
翌朝とんでもない能力が備わっていた・・・
もしかして女性の心読める?・・・怖い?
朝目覚めるとニックは、頭の中で別人の声が聞こえている自分に気づく。
それは『別人』ではなく、
彼の周りに居る女性が思っている事全て
だった事がじわじわと判ってくる。
いつも愛想良く応対してくれる女性社員が
心底ニックを嫌っていた
という事実や、
彼の提案は女性社員全員がほぼ、ダサい!と思っていた事。
あれだけ口説いても全く靡かなかった
コーヒーショップの店員(マリサ・トメイ)は
実はニックに気があるという事。
ニックは、自分が思ってた事と何もかもが真逆な女心に
ノイローゼになりそうになる。
これはバスルームでドライヤーで感電したから
起こったのだから、もう一回感電したら元に戻るかなと、
『神よぉぉぉぉ~!』
と雄叫びを上げ、ドライヤーを振りかざし感電してみるものの、
全く効果なしだった上にアレックスバカ呼ばわりされてしまう。
しかし女心が読めるというのは時と場合によっては便利なもの。
ニックはダーシーが、意外にも自分の事を気にかけてくれている上
デリカシーのある女性である事に気づき、心が動く。
つまらない所で出る男のライバル心
しかし男のライバル心やプライドというものは、
女からみれば非常につまらない所で出るもの。
社が総力をあげて取り組んでいるナイキウィメンの
プロジェクトで、皮肉にもニックはダーシーの心を読みとり
自分の案件として提出してしまう
何も知らない会社側は、ダーシーを解雇し、ニックを昇格させる。
ニックは慌ててダーシーを追いかけていき、
事情を全て話して、めでたしという事なのですが。
実際にニックの様なガッチガチの『昭和』な男性は、
仮に女性の心が読めたとしても、
悪用しこそすれ、良心的に解釈しないのでは、と思うのです。
この映画では、クライマックスに元のポジションを
取り戻したいが為にダーシーの案件を自分の案件だと偽り
提出してしまうニックの姿が描かれています。
今までの経緯やダーシーの人となりを理解したニックは、
自分の過ちに気づき彼女を追いかけて、自分の非を認め謝罪しますが、
これが実際の男性に出来るでしょうか?
なかなか出来ないですよね。
尊敬してた、密かに恋してた上司に、
温めていた企画をネコババされた、という苦い経験をお持ちの方も
おられると思います。
ニックは、たまたま天罰が下って『女性の心』を判るようになって、
はじめて恋が出来るようになる、というのが、この映画です。
貴方にも、そんなちょっと痛い目に遭わせてやりたい!
という意中の上司や男性はいないでしょうか。