判っていても、王道のラブコメが見たい時がある。
そんな時にお勧めな映画の1つがこれ。
運命の恋人だと思っていたのにフラれた?
美人で頭も良くて友達も多い彼女がどうして?
そんな何もかも揃った女性が繰り広げるドタバタラブコメ。
運命の彼氏は恋よりも外面を選んだ?
天然ブロンド娘・エル(リース・ウィザースプーン)は
カリフォルニア州ベル・エア育ちの天然ブロンド娘。
大学でファッション販促を専攻する彼女は成績優秀で、
社交クラブの会長。
彼女が心待ちにしていたのは政治家を目指す恋人・ワーナー
(マシュー・デイヴィス)からのプロポーズでした。
しかし彼は運命のデートの日に
君はあまりにブロンド過ぎる。議員の妻にモンローは相応しくない。
と、エルに告げます。
エルはお先真っ暗。
でもワーナーがハーバード・ロースクースに進学し、
そこで花嫁候補を見つけるつもりだと判った途端、
彼女は入学条件であるLSATの猛勉強を始め、見事合格。
意気揚々とハーバードに乗り込んでいくエルなのですが、
象牙の塔にショッキングピンクの
ノースビーチのレザージャケットに、同じ色の
ボッテカヴェネタのバックで現れたエルの姿は浮きまくり。
学生からは
バービー人形が来たぞ!
と相手にして貰えない。
肝心のワーナーを見つける事が出来たエルだけど、彼の隣には、
エルと正反対の学生ヴィヴィアン(セルマ・ブレア)が。
しかも彼女の薬指には
ワーナーとお揃いのハリー・ウィンストンの婚約指輪。
お洒落に全く歓心がない陰険なエリートのヴィヴィアンが
ワーナーの婚約者だと知り、エルのムカツキは頂点に。
運命の彼氏だと思っていた男が恋よりも外面を選んでいたなんて!
そんな彼女のストレス解消法は美容室もしくはネイルサロン。
ロースクールの近くにあるネイルサロンに駆け込んだエルは、
ネイルをして貰いながら
ネイリストのポーレット(ジェニファー・クーリッジ)に
怒りをぶつけます。
万年男運がないポーレットは、
美人なのに直球で不器用なエルを励まし、二人は親友に。
気を取り直したエルだけど、ワーナーやヴィヴィアンたち、
エリートの勉強会に入れてもらうチャンスはない。
それどころかヴィヴィアンに騙されパーティに、
バニーガールの格好で出かけて赤っ恥まで掻かされる始末。
だがそんな意地悪に負けるわけもなくエルは、
ロースクール内で優秀な弁護士になれる鍵を握る教授である、
キャラハン(ビクター・ガーバー)の議論で、成績を上げ、
議論の場ではワーナーを打ち負かす。
難しい殺人事件の被告弁護を引き受ける事となったキャラハンは、
ワーナー、ヴィヴィアンと並び、エルも助手に付ける事に。
奇しくも被告のブルック(アリー・ラーター)は、
エルの社交クラブの先輩でした。
エルは夫殺しで起訴された彼女の無実を信じるという条件で、
アリバイを聞き出す事に成功します。
でもそれは公表されればブルックのキャリアが台無しになるもの。
キャラハンの意向に逆らい他からアリバイを崩す方法をとります。
そんなエルの活躍ぶりをロースクール入学時から、
目をかけているものが居ました。
キャラハンの元で働く新鋭弁護士エメット(ルーク・ウィルソン)です。
彼はエルがヴィヴィアンの仕打ちで、
初めての講義から追い出された時から何かと彼女に、
助け舟を出していました。
依頼人の心を開き、多角的に物事を捉え分析していくのは、
法律家として才能があり、人として魅力的
と彼はわかっていたのでしょう。
ついにエルはブルックとの浮気を証言する屋敷のプール係の男が、
ゲイである事を突き止め、ブルック以外の線から、
殺人の可能性を出すのです。
キャラハンは見事アリバイを覆した腕を見込み、
卒業後は自分の法律事務所で働かないかと、
エルをスカウトしてきます。
ヴィヴィアンからワーナーは親のコネで入学したと聞かされ、
一気に醒めたエルは法律家として認められた事が嬉しくなりました。
しかしキャラハンが只のセクハラ教授だと知り激怒し、
ネイルサロンのポーレットに挨拶して故郷のベルエアに、
帰ろうとします。
まだ裁判は終わってないのに・・・
そんな彼女を引き止めたのは誰でもない、エメットでした。
講義を担当していたストロムウェル教授(ホランド・テイラー)も、
『(セクハラごときで)投げ出して出て行くつもり?』と、
ネイルサロンに挨拶にきたエルをけしかけます。
この経緯をエメットから聞かされたブルックは、キャラハンを解雇
後見人にエメットを立てたエルを変わりに雇います。
そこでエルは真犯人を突き止めることが出来るのです。
結局裁判は『夫殺し』ではなく、父親がブルックと再婚した事を、
恨んだ娘の犯行だという事が判明。
娘のパーマの痛み具合と巧みな尋問で判断し、
真犯人を突き止めるという、ファッションに詳しいエルならではの、
裁判の手法です。
映画の中では、豊かな金髪を10パターン以上のアレンジにし、
ありとあらゆるブランドをさりげなく着こなすエルの、
ファッションに目がいく人の方が多いかもしれません。
その一方で、エルの男性を見る目が映画の中で、
大きく変わっているのも事実。
最初は口先だけで政治家志望と言っているワーナーから、
婚約指輪を貰いたいと言っていたエルでしたが、
ロースクールに入ってからは、それ以上の目標が見つかります。
その時、彼女の傍らに居たのはエメット。
個性的で目立つが中身は聡明で思いやりがあるエルを、
誰よりも気に入っていてフォローする頼もしいタイプ。
一方ワーナーは、ハーバードに入学した事で、悪く言えば、
化けの皮が剥がれる事に。
電話一本で息子をいい大学に入れようとする親に育てられた、偉大なる意気地なしという事をエルだけでなくヴィヴィアンにも、見透かされてしまいます。
この映画を観た後、貴方ならどちらを選びますか?
もちろん、ワーナーではなくエメットを選びますね。
今ひとついい出逢いがないと思っている方に、
自分が変わればいい男性もめぐって来ると思える映画です