冥界と心理学 ~夢を通して闇を見つめよう~ その13

冥界と心理学 ~夢を通して闇を見つめよう~ その13

おはようございます。志方弥公です。

懲りずにお付き合いくださる読者の皆様、大変感謝いたします。
申し訳ありませんが、もう少し続きます(笑)

一つのテーマに、これだけの事を勉強しなければ、夢分析など到底出来ないのです。
浅い知識だけで夢分析をしてしまうと、間違った判断をしやすくなります。
これが鑑定におけるトラブルの種となりますので、気をつけてください。
さて、次は光と闇の話をしましょう。

光と闇はどうやって出来たのか? これを書きたいと思います。
もともと、世界は「虚無」でした。光も闇も存在しない、虚無の世界でした。

しかし、一筋の光がぽっと生まれて辺りを照らした事で、闇が生まれました。
光が届かない領域が闇です。
光にとってなくてはならないのが闇です。闇にとって自分が存在するためには光が必要です。お互いがお互いを必要としてるんですね。

私達の周りにも、光と闇のような対称的なモノが多く溢れています。そしてうまく成り立っているのもこれのおかげです。

演劇でいえば、舞台に立つ人は光です。そして裏方さんは闇です。裏方さんがいなければ主役や脇役達は活躍出来ません。観客達もある意味光ですね。観客がいなければ演劇は成り立たないのです。

そしてその裏には紙幣交換がなされていますよね。これは闇の領域です。水です。お金はもともと水で作られています。印刷する時は液体を使用しますよね。占いとかでも、水の象徴に印刷関連と位置づけられるのもこれです。
夢の分類でも、水が物質的なモノ、紙幣、と位置づけられているのも納得いくのではないかと思います。

 

話を戻しまして、冥界が闇の領域であることは言うまでもないでしょう。これは人類の共通の集合的無意識だからです。

どの歴史でも、どの国にいても、死者に対する見方は人類共通のテーマだからです。
エジプトのクフ王時代では、すでに魂という概念がありました。
ピラミッドは死者の復活のために作られたものです。(権力を誇示するモノでもありましたけど、宗教的な意味だけを考えたら死者の復活です)
肉体と魂が分離し、太陽神に姿を変え、船に乗って冥界へ旅をするという考えがなされていました。
そうして、魂が再び戻ってくるとき、迷わずに肉体に辿り着くように魂専用の通路が設けられたという説もあります。(人間一人がやっとすり抜けられるほどの狭い通路(シャフト)がそれではないか、という説ですね)

 


誤解されやすいのは、「闇」が「悪」だということです。
決して「闇」は「悪」ではありません。「光」と「闇」は、「善悪」の概念が存在しません。
ただそこにあるもの、としてしか捉えません。

簡単に言うと、宇宙からしたら日本の法律など無関係なのです。
人類が殺し合おうが、宇宙からしたら一つの事象でしかなく、そこに「善悪」は存在しません。

宇宙を人間に置き換えると、昆虫の世界というのは実にサバイバルなのです。
共食いも普通にありますし、人間からしたら昆虫が共食いをするという事実に、「善悪」は存在するのでしょうか?
想像しにくいのではないかと思います。
それは、概念が違うからです。「昆虫」だから、「昆虫」であり、「法律の下で生きる人間」ではない、と自動的に除外して、「善悪」の判断をしなくなるからです。

この辺の「善悪」の概念はもっともっと、深いテーマなので、数行だけで語りきれません。
仏教哲学における宇宙観を知れば、相当に深いなぁとため息をついてしまいます。

話を戻しまして、「光」と「闇」には、「善悪」概念は一切存在しないことを念頭に置いてください。

次は最後です。
最後に夢鑑定の一例を紹介して、冥界と心理学を締めくくりたいと思います!

 

●志方弥公執筆一覧●