誰でも同じだと思うのですが、私は眠っている間に夢を見ます。
それも、モノクロの夢ではなくカラーで、美しい映像と共に物語の中にいるのです。
殆ど毎日の様に眠っている間に夢を見るので、どんな夢を見るのか楽しみにしていました。
殆どが楽しい夢だったからです。
夢と言うものは不思議なもので、多分、一晩で何度も夢を見ている筈なのですが、覚えている夢は少くないのです。
覚えている夢と言う事は、相当のインパクトがあった夢なのでしょうから、できるだけドラマチックな夢を見たいといつも思っていました。
そんなある日、自分が死んだ夢を見たのです。
それも、自分のお葬式を自分がプロデュースしているのです。
自分の死を淡々と受け止め、自分は何をしたいのかを夢の中で実行している夢でした。
そこで、目が覚めてしまったので、続きがどうなったのか知る由もありませんが、それでも、自分の潜在意識の中にそうしたいと言う要望があるのだと気がつきました。
それからと言うもの、自分の死について深く考える様になりました。
死と言うものは避けて通る事のできない事の一つであるので、今から充分に時間を掛けて、考えておく事も大切な私の役目の様な気がしたからです。
どうせ避けて通る事ができないのなら、楽しく誰もが喜んでくれる様な事を考えようと思う様にもなり、自分が少し大人になれた様な気がしました。
夢の中で自分が死んだ夢を見た事で、人間として生きて行く上で考えておかないといけない事を考える機会を得た事が、とても不思議な感覚で受け入れられているのですから、人生は何が起こるのか分からないものです。
いつかは、誰にでも訪れる人生の最終章をどの様に過ごして、どの様に去って行くのか、これからも考え続け、今を精一杯生きて行こうと思っています。
close