神社をお参りすると参道などで一対の狛犬に出会います。神社によって顔が違っていたり、どうして阿吽の形なのか・・など、謎だらけの狛犬様ってどんなものなのでしょうか・・?
■ 狛犬とは
狛犬とは、空想上の守護獣です。主に神社やお寺に奉納・設置されており、守るべき寺社を背に向け角がある獅子と角がない狛犬が一対で置かれています。
狛犬の歴史は古く、古代インドまで遡ります。仏様の両脇に守護として置いたのが始まりとされています。日本に狛犬がやってきたのは飛鳥時代頃と言われており、その頃は両方ともが角がない獅子だでした。平安時代頃から獅子と狛犬の対となり、両方を合わせ【狛犬】と呼ぶようになったと言われています。
■ 狛犬の役割
① 神社仏閣に悪いものを入れない【魔除け】
神社仏閣は神聖な場所。その場所を邪気から守るために門番として置かれています。
② 本来は天皇を守る役割があった
伝来当初狛犬には、天皇の王座を守るための役割があったとされています。その後天皇と所縁深い神社へ設置されるようになりました。
■ 阿吽の形
阿吽(あうん、サンスクリット語: अहूँ 、a-hūṃ)は仏教の呪文(真言)の1つ。悉曇文字(梵字)において、阿は口を開いて最初に出す音、吽は口を閉じて出す最後の音であり、そこから、それぞれ宇宙の始まりと終わりを表す言葉とされた。
☞【引用】阿吽 – Wikipedia
阿吽とは、息が合うという意味合いで使われるほかに「始めから終わり」という意味があります。狛犬が阿吽の形なのは「人生の初めから終わり」を例えているとされ、「この世に生まれて悟りを求め、涅槃に至る」日本の仏教観を反映したものとされています。
■ 狛犬の不思議
① 場所によって狛犬の顔が違う?
神社固有の建造物ではないことと、獅子や狛犬などふぁ想像上の神獣だったため石工たちの想像で作ったものが多いため、場所によって狛犬の顔に違いがあると言われています。
② 狛犬に性別はある?
狛犬の股間を見てみると、足の間に何か膨らんでいたり、線が入っているものがあるようです。厳島神社の狛犬には性別がわかるような線があると言われています。
③ 狛犬がいない神社があるのはどうして?
狛犬は最初から参道に設置されていたのではなく、当初社殿の中の内陣という場所に祀られていたといわれています。参道に設置されるようになったのは江戸時代頃から。古くからある神社は参道ではなく、内陣に狛犬がいる場合があります。
④ 狛犬の名前の由来とは?
狛犬が日本に伝わったのは飛鳥時代。朝鮮半島を経由して伝わり、異様な姿が犬と勘違いされ「高麗犬」と呼ばれたといわれています。魔除けの役割があることから「拒魔(こま)犬」と呼ばれたという説もあります。
⑤ 狐やウサギの姿をした像は【神使】
稲荷神社や、月読神社、調神社に設置してある狐像や兎の像などを狛兎や狛狐とは呼びません。狛犬は単独の霊獣であり、神社を守護しているもの。狐像や兎像は神様の使い【神使】と呼びます。
■ おわりに
狛犬の謎に迫りました。遠い昔から神社仏閣を守る神獣として大切にされていきた狛犬。その容貌が様々なところも魅力のひとつです。
神社仏閣を巡る時には是非狛犬様への御礼と感謝も忘れずに行いましょう!