前回の「この恋は結婚してもうまくいく？火星星座と月星座占い」までは、火星を使った相性診断をしていきました。
今回からは、男女の相性占いに用いられている二大惑星、情熱の星である火星、愛の星である金星のうち、金星を用いた相性占いについて述べていきます。
金星もまた、火星と同じく、古典的な相性占いが現代においても有効な星のひとつです。
何故ならば、金星が司るのは「美」や「娯楽」だからです。
近年、ネットで、例えばセクハラに関する記事などについて、「どうせイケメンなら許すくせに」のような、女性を非難するコメントを見かけることはありませんか？
男性は女性の実態以上に、女性が男性を見た目で判断していると思っている部分があるように感じたことがある女性は、ネットサーフィンをしているのであれば結構な割合でいることだと思います。
何故あのような論調が多数を占めているのかと言えば、あれは心理学で言うところの「投影」という効果によるものです。
投影とは、自分の中にある感情や価値観を、相手のなかに映し出して見ることを言います。嘘をつく人は他人が嘘をついていることを疑いますし、他人に対して怒りを抱くことが多い人は、他人が自分に対して怒りを持っているのではないかと邪推します。被害妄想が強い人は、皆が私を責めている！と騒ぎ立てますが、それはすなわちその人自身が周囲を責めているからそう思うのです。
逆に、誉められたいひとは他人を誉めます。優しくされたい人は優しくします。そうやって人間はコミュニケーションと他者への同調によって発展してきました。ですからこの投影効果は決してマイナスの効果ばかりではありません。
さて、こういった人間の心理に基づく投影効果が、先程言った男性の女性に対する見方にも影響しています。「女性はイケメンをひいきしている」という見方。何故この心理が働くのかと言えば、答えは簡単です。男性が美人をひいきしている、ひいきしたい気持ちがあるから、女性もそうだと思ってしまうのです。
これについては、女性のみなさんはものすごく心当たりがあるのではないでしょうか。見た目が普通の女性と美人の女性、見た目が普通の男性と美形の男性、どちらの方が社会的に得をする差が激しいかと言えば前者でしょう。あからさまな待遇の差が出やすいのも残念ながら前者です。トロフィーワイフなどという言葉もありますが、男性が女性に美しさを求める傾向は世界中に共通している歴史的なものです。
ですから、男性の美的感覚に相手の女性が合致しているかどうかは、男女の相性を見る上では大きな意味を持ちます。