ロマンス小説『engagement~誓い~』<第4話>

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元気よく屋敷を後にした私は、森の中で途方にくれていた。

イリス
「……完全に迷子だわ……」

 

今まであまり外へ出歩くことを許されていなかったため、土地勘がまったくないということに、今さら気がつく。

 

イリス
(とりあえず、お腹も空いてきたし、お昼ご飯を食べてからまた歩こうかな)

 

私は休憩を少しだけとってから、また歩き出した。

イリス
(けっこう暗くなってきちゃった……)

 

アタッシュケースの中からランプを取り出し、火を灯す。

屋敷を出てからもうだいぶ歩いているはずなのに、未だに街の明かりすら見えず、あるのは木々ばかり。

葉が生い茂っているため、星はところどころしか見えない。

 

イリス
「!?」

 

遠くから野犬か狼か判別がつかない声が聞こえてくる。

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