ロマンス小説『engagement~誓い~』<第3話>

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イリス
「これからどうしよう……」

イリス
(行くあてなんて……ほかの親戚も、もういないし……)

 

ダリヤ
「イリス様!」

イリス
「ダリヤ!?」

ダリヤ
「良かった……ハイドランジア様に追い出されたと聞いたので……心配で……!」

イリス
「ダリヤ……」

ダリヤ
「どこか行くあてとかありますか?」

 

私はかぶりを振って返事をする。

 

ダリヤ
「とりあえず、お屋敷の中ではほかのメイドたちに見つかってしまいます」

ダリヤ
「こちらへ」

イリス
「?」

 

私はおとなしくダリヤの後をついていく。

イリス
「ここって、馬小屋よね……?」

ダリヤ
「はい! ここなら大丈夫です」

ダリヤ
「馬番は私と仲良しですし、ハイドランジア様に告げ口をする人ではありませんから」

ダリヤ
「こんなところしかご案内することができず心苦しいのですが……」

イリス
「ううん。ありがとう。とりあえずここで夜は過ごせそうだし、問題ないわ」

ダリヤ
「イリス様……。あ、これパンとミルクです」

ダリヤ
「お腹すいてらっしゃるかと思って」

 

パンとミルクと聞いたとたんにお腹の虫が騒ぎ出す。

 

イリス
「う……。そういえば、夕ご飯前だったわね」

 

私はありがたく、食べ物をもらう。

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