『病院の花嫁~愛の選択~』<第2話>

第1話へ⇐

立川先生、松宮先輩、睨みあってる場合じゃないわ。

人命救助が第一なのに、どうなってしまうの?

 

惣一朗
「松宮先生と言いましたね、状況を把握せず先走った行動は慎んで下さい、先に6名の患者が搬送されオペに入っています、ギリギリの状態なんです」

松宮
「失礼しました」

惣一朗
「築山さん、状況聞いて」

美咲
「はい、状況は?」

救急隊員
「倒れてきた鉄柱の下敷きになり胸腹部圧迫、共に意識レベル200」

美咲
「倒れた鉄柱で胸腹部圧迫、共に意識レベル200です!」

惣一朗
「二人とも緊急オペが必要だな、だが、先に搬送された骨盤骨折のオペが、出血も少なく意識もはっきりしているが卵巣損傷があって」

松宮
「卵巣動脈が破裂したら厄介だ。後回しにできませんね」

院長
「私も加わろう」

 

受話器を手に、振り返ると院長先生が立っていた。

 

美咲
「院長先生!」

院長
「血管破裂のない骨盤骨折ならブランクのある私でも可能だ」

惣一朗
「築山さん、受け入れて!」

院長先生のオペは2時間程で終わり、立川先生、松宮先輩のオペは8時間以上要した。

その他の医師が担当したオペも全て成功し、うちに搬送された患者は全員救われた。

私たちが帰っても、先生達はまだ帰れそうにない。

松宮先輩と一言、話したかったのに……。

一度も目が合わなかった。

私を忘れてしまったの……?

レコメンド
続きを読む
人気記事

こちら記事も人気です

モバイルバージョンを終了