恋人と別れるというのは、とっても ツライ経験。
楽しかったこと、ムカッとしたこと、悲しかったことなど、二人の思い出が、突然フラッシュバックしてきて、胸が苦しくなって、涙しちゃうこともありますよね。
「二人の思い出グッズを見るたびにツラくなるし、いっそのこと彼と過ごした記憶を全部消してしまいたい!」
と、思いますか?
この映画では、それができしまうのです。
記憶を消すということが。
最初に告白しますが、この映画を初めて観た時、まったく共感できませんでした。
おススメ恋愛映画にこの映画がよく上がっているのですが、まったく納得できなかったのです。
というのも、準備を整えずこの映画を観てしまったからです。
予備知識を持たずに観てしまったために、1回観ただけでは、意味がまったく分かりませんでした。
そこで、映画を理解するため キーポイントを4つご紹介します。
ポイント①ただの恋愛映画として、この映画を観てはいけない。
冒頭の15分は、主人公の二人 ジョエル(ジム・キャリー)とクレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)の出会いを描いています。
これから恋人になるかもしれない二人の会話とか、自分の体験と照らし合わせてドキドキしちゃいます。
「素敵な恋愛映画だなあ」と、思って胸キュンして観ていました。
ところが15分を過ぎると「は???」と、頭にハテナマークが乱立してきます。
記憶を消す会社があり、記憶が消せるというクダリがいきなり出てくるからです。
恋愛映画には、違いないのですが、時間軸が難しくて、予備知識を持たずこの映画を見ると、まるで意味がわかりません。
ポイント②時間軸はクレメンタインの髪の色で見分けること
古い方から、緑→オレンジ(タンジェリン)→ 青
これを観る前に知っておくと、とても助かると思います。
クレメンタインの髪の色が違うシーンが出てきたら、違う時間軸のストーリーだということです。
現在は青。これを覚えておいてください。
画像出典:amazon
ポイント③ジム・キャリーとケイト・ウィンスレットのキャラクターに慣れること
2人とも演技がうまいし、美男美女で素敵な俳優なのですが、この映画の主人公にはミスキャストな印象が・・・
ジムは、普段はもっとクレイジーな役が多い印象なので、「普通の男」という役柄にはどうしても無理がある感じです。
ただ、素のジム・キャリーが観られるという特典はあります。きっとこんな感じなのかなと思わせます。
ケイトも 上品なイギリス美女という印象なので、役柄とのギャップに観てる方は苦しみます。
でも、やっぱり彼女の演技力はすごい。観る価値はあります。
画像出典:amazon
ポイント④「エターナル・サンシャイン」とはアレキサンダー・ポープの詩の一節である
映画の途中で、記憶を消す会社の受付嬢 メリー(キルステン・ダンスト)が、詩をつぶやきます。
幸せは無垢な心に宿る
忘却は許すこと
太陽の光に導かれ
限りなき祈りは運命を動かす
ポープの恋愛書簡詩「エロイーザからアベラールへ」からの一節です。
エターナルサンシャインを直訳すれば、永遠の光。
ゴンドリー監督はこの詩から発想を得たとも言っています。
忘却は許すこと。
わたしとしては、記憶を消すのではなく、そちらを支持したいです。
多くの人が、好きな恋愛映画にあげているこの作品。
わたしには、イマイチ良さが分からなかったのですが、観る人の恋愛遍歴によって印象が変わる映画なのかもしれません。
気になる方は、ご紹介したポイントを踏まえてからご鑑賞ください。
「エターナル・サンシャイン」2004年公開作品
ミシェル・ゴンドリー監督