【ときめき映画】タイムスリップ・ラブ

 
タイムスリップを描いた作品って、洋画・邦画問わず昔からいろいろありますよね。
有名なところでは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズを思い浮かべる方も多いのでは?
邦画なら「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」「サマータイムマシン・ブルース」「テルマエ・ロマエ」など楽しいものが多いですね。

タイムスリップ作品の中では、恋愛を描いた作品も多く、異なる時代に住む2人は結ばれるのか否か、現実離れした設定にも関わらず作品の世界に浸ってロマンティックな気分になれるのが魅力。

今回は恋愛を描いたタイムスリップ映画を3作品ご紹介します。

hana (2)「ニューヨークの恋人」2001年 アメリカ作品 ジェームズ・マンゴールド監督


ニューヨークで働くキャリアウーマンのケイト(メグ・ライアン)は仕事にも恋にも傷付き、ちょっぴりやさぐれ気味。
そこに現れた古風な男性、彼こそは1876年からタイムスリップしてきたレオポルド公爵(ヒュー・ジャックマン)。

文化の違いから、たびたび衝突するケイトとレオポルド公爵ですが、騎士道精神に満ちあふれたレオポルド公爵の優しさに、どんどんケイトが惹かれていき、女らしい可愛らしさが戻ってくる様子が見どころです。
ニューヨークの街並みを見て驚愕するレオポルド公爵の場面も必見のロマンティック・ラブコメ。
 

 
hana (2)「ちょんまげぷりん」2010年 中村義洋監督


シングルマザーのひろ子(ともさかりえ)は、息子(鈴木福)と2人暮らし。
息子を育てるためにも、仕事に忙しく過ごす日々。
そんなある日、なぜか江戸時代からタイムスリップしてしまった、ちょんまげ姿の侍、安兵衛(錦戸亮)と出会い、奇妙な同居生活が始まります。

お世話になるお礼にと、安兵衛は家事を受け持つことになり、安心して仕事に打ち込めるようになったひろ子。
やがて安兵衛は家事をする中で、お菓子作りの才能を開花、なんと自由が丘の洋菓子店でパティシエとして働くようになります。

いつまでも続いてほしい3人での楽しい生活。
それでも安兵衛は江戸時代に帰ることになるのか?それとも現代に残るのか?

この作品はなんといっても錦戸亮さん演じるお侍さん、安兵衛が実に素敵なんです。
鈴木福くん演じる、ひろ子の息子がやんちゃをすると、ピシッとたしなめる様子に威厳があり、礼儀を重んじるところや、お世話になっているのだから当然!と言って家事をきっちりこなす様子に、「こんな男性と結婚したい!」とときめくことうけあいです。
 

 
hana (2)「満月 MR.MOONLIGHT」1991年 大森一樹監督


高校教師の野平まり(原田知世)と、現代にタイムスリップしてしまった武士、杉坂小弥太(時任三郎)とのあまりにも切ないラブストーリー。
現時点でDVD化されていないのが残念。一度観たら忘れられない、温かい気持ちになれる映画です。

原田康子さんの小説の映画化作品なのですが、原作の小説も、まりと小弥太の心情が丁寧に描写されていて、涙なしでは読めません。

ちなみに、弟の作ったタイムマシンで戦国時代にタイムスリップし、若君に恋する女子高生を描いたコミック「アシガール」の作者、森本梢子先生もこの「満月」が大好きだとか。
「アシガール」も映像化されたら楽しいだろうなあと思える、素敵な作品です。

今回ご紹介した3作品に共通して挙げられるのは、過去からやってきた男性たちが皆、礼儀を重んじ、とても誠実で、立ち居振る舞いが美しいこと。
現代人が忘れてしまったことを、その存在をもって教えてくれる彼らに、女性たちはこれまでにない、ときめきと安らぎを感じます。

そして、生きる時代は違っていても大切なことは同じだと知り、お互いにだんだん理解を深めていく様子が描かれていることも共通しています。
しかしこれは、タイムスリップなどしなくても、異なる思考回路を持つ男性と女性が最初はぶつかり合い、少しずつお互いへの理解を深めていくのと同じこと。

それを伝えたいがために、映画の作り手たちは、分かりやすくタイムスリップという設定を用いて作品を作り続けているのではないでしょうか。