猫にワクチンは必要か?【1】

猫にワクチンは必要か?【1】

少し前までは、猫と言えば基本自由に育てるのが王道で。
田舎であればあるほど防犯意識自体もあまり高くはなく、朝から散歩に出してやったり、帰ってくるまでは玄関の引き戸をあけておいてやったりしているお宅も多かったはずだ。
全てとは言わないが、今現在よりもずっと「猫自身の体を守る」ということの意識も低かったように思う。
家猫の外出というジャンルに対しても、猫に与える食事の質にしても。

今は、家猫は病気感染や怪我のリスクを危惧する声も多く、知識の少なかった世代にも獣医さんや娘息子の世代から伝わってきているように思う。
その一方で、ワクチン一本打っておけば安心!と何でもかんでも、どの猫にも片っ端から打つのも私はすんなり「そうだね!」とは言えないとも感じている。
今回は、打たなかったことによって起こってしまった後悔をお話ししよう。
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猫同士の感染症で怖いのは猫エイズだ。
原因は、すでに感染済みの猫と激しい喧嘩の上傷を負うと発症する。
餌皿の共有や舐めあい、空気感染などではうつらないが、体そのものの抵抗力が弱っていくこの病気は結局のところ併発した病気で命を落とすことが多い。
外猫家猫の境界線が甘いおうちで、この猫自体が負けん気の強い娘っ子だった為、
雄猫と喧嘩して帰ってくることがあり結果的にこの子の場合はエイズからの心臓の血栓症の発症で10歳足らずで天国へ行ってしまった。
しかもこの病気の予防ワクチンは3種、5種のどちらにも含まれていない。別途で猫エイズ用のワクチンを打つ必要性があると、私はこの子の治療時に初めて知った。
なお、猫エイズワクチンは打つことは出来るがその後「猫エイズにかかってないかどうか」を仕組み上調べることができなくなってしまうそうだ。(2014.10現在)

そして猫エイズの診断を受けるとペット保険も入ることができない。ほぼ審査で落とされてしまう。
若いうちに、その子の環境を把握して、(脱走する可能性があるか、多頭飼いであるかどうか等)
ワクチン(3種か5種か。また、猫エイズワクチンを別途で受けるか)を選ぶことが大切である。
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では、家族が誤って外に出してしまう可能性があるからすべてを打てばいいのか。
というとそうではない。
安心を得られるなら打ちたい。その気持ちは十分にわかるが、次回「ワクチンを打って後悔した話」をお伝えしようと思うので、ぜひその後、いろいろ考えてみてほしい。