簡単に手作り味噌を作る方法!保存方法や失敗の原因もご紹介

簡単に手作り味噌を作る方法!保存方法や失敗の原因もご紹介

目次

味噌を手作りしてみたこと、ありますか?おうち時間が長くなったこと、また発酵食品ブームにより、手作り味噌に挑戦する方が増えています。今回は簡単な味噌の作り方や必要なもの、保存方法、失敗例についてご紹介していきます。

手作り味噌を作ってみた!準備したもの

まずは味噌を手作りするときに必要な材料と容器の準備から始めましょう。

用意するもの

用意するもの

  • 大豆
  • 米麹
  • 容器
  • 重石

鍋は大豆と、大豆の3倍ほどの量の水を入れることになるため、大きくて深い鍋を用意すると良いでしょう。重石は既製品を買っても良いですが、自宅にあるものでも代用可能です。

  • 水を入れたペットボトル
  • 中身入りの缶詰
  • 米や塩の入った袋
  • 重さのある本

重石なしでも、このような代用品で手作り味噌を作れます!

容器の選び方

味噌作りの容器というと時代劇のような大きな木桶が思い浮かぶかもしれませんが、実は100均で手に入る容器でも作ることができます。

  • ジップロックなどのパウチ袋
  • タッパー
  • ガラス瓶

今回は、パウチ袋を使用しての味噌作りの方法を紹介します。

手作り味噌の基本レシピと作り方

味噌を手作りするために材料や容器の準備ができたら、早速作っていきましょう。今回は、初めて味噌を手作りする方に向けて少なめに作る場合のレシピを紹介します。

手作り味噌の材料

  • 大豆 250g
  • 米麹 250g
  • 塩 120g

これで、ちょうど手作り味噌1kgほどになる量です。味噌作りに使用する大豆は、糖質が多く、脂質の少ない品種のものを選ぶと良いとされています。また使用する麹によっても手作り味噌の味は変化します。味噌のなかで最もメジャーなのは米麹を使用した米味噌ですが、麦麹を使用した麦味噌は麦の香ばしい香りを持ち、豆麹を使用した豆味噌は濃厚な味と深い色をしていることが多いです。今回は米麹を使用しますが、それぞれ作ってみて食べ比べをするのも良いでしょう!

 

大豆の準備

手作り味噌を作るために重要なのが、大豆の準備です。大豆は、以下の手順で下ごしらえをしておきましょう。

①大豆を洗う

まずは、大豆を水で洗います。大豆をボウルに移して水を張り、米を洗うように手を動かしましょう。
①大豆を洗う

1回、2回すすいだ時には水が少し濁っていましたが、3回すすぐと、水が透明になりました!これで大豆を洗う作業は完了です。
大豆を洗う 水

②大豆を水に浸ける

鍋に先ほど洗った大豆と、大豆の3倍ほどの量の水を入れます。今回は大豆が250gなので、750ml…気持ち多めに、800ml入れました。18時間ほど置いておき、大豆に水を吸収させます。

こちらは18時間経過したもので、最初に比べるとぷっくりとしています!このあと、大豆を煮る作業に移ります。
大豆を水に浸ける

③大豆を煮る

②の鍋を、大豆と水はそのままで強火にかけます。一度沸騰したら弱火にして、4時間ほど煮ます。
大豆を煮る
アクが出てきたら取り除き、水が減ってきたら少しずつ足しましょう。大豆が水から出ないように、常にかぶるくらいの水量にしておきましょう。

煮終わった大豆はすっかりやわらかくなっており、指で簡単に潰せます。
煮終わった大豆
ここでやわらかく煮ておくことで、ふわふわとした食感の手作り味噌になります。硬い場合はパサパサとした仕上がりになってしまう可能性があるため、もう少し煮ましょう!

煮終わったら大豆と煮汁を分けて、粗熱をとります。
大豆と煮汁
この後、大豆と塩、麹を混ぜますが、大豆が熱いままだと麹の中の菌が死んでしまい、発酵に失敗してしまう可能性があります。しっかりと冷ましましょう。

大豆の粗熱が取れるまでの間に、塩と麹を1つの袋に入れて、よく混ぜておきます。
塩と麹
今回は米麹を使いますが、レシピによっては麦麹や豆麹を使う場合もあります。麹とは穀物に細菌を付着させて繁殖させたもので、タンパク質やアミノ酸などを分解する酵素があり、そのはたらきによって旨味や独特の香りを生み出します。麹の種類や分量によって味噌の味が変化するので、好みの味を探求してオリジナルのレシピに挑戦するのも良いでしょう!

④大豆を潰す

大豆の粗熱が取れたら、パウチ袋に移して潰します。
大豆を潰す
今回は手で潰しますが、一気に潰したい時は綿棒などを使いましょう。目標は「耳たぶくらいの柔らかさ」です。煮汁を少しずつ加えながら、柔らかさを調節します。
柔らかさを調節

仕上げ

大豆と麹、両方の準備ができたら、いよいよ味噌作りに取り掛かります。

①大豆・塩・米麹を混ぜる

潰した大豆の袋に、あらかじめ混ぜておいた塩・米麹を加え、混ぜ合わせます。
大豆・塩・米麹を混ぜる
塩は雑菌の繁殖を抑えて腐敗を防ぎ、麹は味噌の熟成を促進させる効果があるため、大豆と麹を混ぜるときにムラがあると手作り味噌失敗の原因になることがあります。大豆・塩・米麹が均等になるように、丁寧に混ぜましょう。
大豆・塩・米麹を混ぜる2

②混ぜ終わったら密閉する

味噌は空気(酸素)に触れると雑菌が繁殖しやすくなり、カビが生える原因になることもあるため、できるだけ空気が入らないように袋の空気をしっかり抜いて、密閉します。このあと袋ごと容器に入れるため、容器の大きさに合うように味噌をまとめると楽です。
混ぜ終わったら密閉する
今回はタッパーに袋ごと味噌を詰めて、ぎゅうぎゅうと手で押しながら形を整え、空気を抜き、口を閉じました!
空気を抜く
このときの容器は、パウチ袋が入りきるものであれば何を使っても大丈夫です。

③重石を乗せる

パウチ袋が容器に収まったら、重石を載せます。
重石がないときは、水入りのペットボトルなどで代用可能です。
今回は、容器と同じサイズのタッパーを用意して上に重ね、
重石を乗せる
タッパーの中に塩の袋、小麦粉の袋を入れて重石として使用しました!
重石を乗せる2

④放置する

冷暗所に入れておき、3ヶ月〜10ヶ月ほど熟成させます。このときは湿気が少なく、温度が涼しいまま安定している場所に置いておきますが、冷蔵庫に入れると熟成が止まってしまうため、キッチンのシンク下などがおすすめです。
放置する

熟成の過程

手作り味噌の熟成過程と、食べ頃となる時期について紹介します。

熟成3ヶ月

手作り味噌の熟成を始めて3ヶ月ほどになると、最初と比べて少し濃い茶色に変化します。まだ味噌らしい香りや粘り気は出ず、食べ頃とは言えません。

熟成10ヶ月

手作り味噌の熟成を始めて10ヶ月ほどになると、さらに濃い茶色になります。また味噌らしい発酵臭が漂い、滑らかな半固体になっていたら食べ頃と言えるでしょう。

熟成2年以上

手作り味噌は2年以上熟成させると、色は黒に近い茶色になり、独特の風味が出るようになります。2年以上の長期熟成手作り味噌は人によって好みが分かれますが、個性的な風味や味を楽しむためにあえて長期熟成させる方もいるため、挑戦してみてはいかがでしょうか。

手作り味噌の保存方法と保存場所

手作り味噌の熟成が完了し食べ頃を迎えたら、スプーンやしゃもじでタッパーなどの容器に移し、冷蔵庫で保管しましょう。

手軽な手作り味噌キットもおすすめ

自分で材料や容器を用意するのは大変、お試しで手作り味噌に挑戦したい、という方は、必要なものがまとめてセットになっている手作り味噌キットを使うのも良いでしょう。今回は手作り味噌キットのなかでも人気のものを紹介します。

久原本家 茅乃舎「手づくり味噌キット<合わせ味噌>」

久原本家 茅乃舎の「手づくり味噌キット<合わせ味噌>」の特徴は、塩入りの米麹、塩入りの麦麹、蒸煮すり大豆と、捏ねたり保存するときに使用できる袋が入っていることです。桶や重石を用意する必要がありますが、材料を混ぜる、こねる、熟成させるの3ステップのみで2.5kgほどの味噌が完成します。久原本家 茅乃舎「手づくり味噌キット<合わせ味噌>」は、久原本家の公式サイトから購入できます。
価格:3,780円(税込)
手づくり味噌キット | 久原本家 茅乃舎

無印良品「かんたん 手前味噌キット」

無印良品「かんたん 手前味噌キット」 はあらかじめ水煮になっている大豆と塩麹が入っているほか、パッケージの箱の中で味噌を熟成できる便利な手づくり味噌キットです。工程はパックから大豆を出して潰し、塩麹と混ぜて、熟成させるのみ。桶や箱などの容器や、重石を用意しなくても良いのが特徴です。完成する味噌は500gほどのため、多すぎないのも魅力の1つです。無印良品の公式オンラインショップから購入できます。
価格:1,320円(税込)
かんたん 手前味噌キット | 無印良品

小泉鞠屋「簡単仕込み手作り味噌キット」

小泉鞠屋「簡単仕込み手作り味噌キット」は米味噌、小麦合わせ味噌、小麦味噌の3種類から選ぶことができるため、食べ比べをしてみたい方におすすめです。それぞれ1kgと4kgがあるため、最初はお試しで1kg作ってみて、気に入った味のものを4kg作るのも良いでしょう。小泉鞠屋「簡単仕込み手作り味噌キット」は、小泉鞠屋の公式サイトから購入できます。
価格:米味噌  1kg 1,200円(税込)  4kg 4,356円(税込)
小麦合わせ味噌  1kg 1,177円(税込)  4kg 4,277円(税込)
小麦味噌  1kg 997円(税込)  4kg 3,621円(税込)
簡単仕込み手作り味噌キット | 小泉鞠屋

手作り味噌の保存について

手作り味噌の適切な保存場所、保存期間についてご紹介します。

冷蔵庫か冷凍庫に保存しよう

手作り味噌を保存するときに大切なことは、「低温」で「空気に触れない」ことです。パウチ袋の場合は袋の中からしっかりと空気を抜き、容器に入れておく場合は味噌を平に均して、表面をラップで覆ってから蓋をしましょう。
また常温だと、時期によっては気温が上昇し、発酵が進みすぎてしまう可能性があるため、冷蔵庫か冷凍庫に入れておくと良いでしょう。冷蔵庫や冷凍庫なら時期に関わらず、また一軒家でもマンションでも安定した環境で味噌を保存できます。「冷凍庫に入れて大丈夫?」と思われるかもしれませんが、味噌は凍りにくい性質を持っているため、冷凍庫に入れておいても解凍不要ですぐに使えるのです。

手作り味噌の保存期間

味噌は塩分濃度の高い食品で、長期間の保存に適しています。出汁入りや減塩の市販品は通常の味噌よりもやや傷みやすくなっていますが、それ以外の市販品や手作り味噌の場合は、きちんと密閉して涼しい場所に置いておけば、熟成が完了してから1年ほどは問題なく食べることができるでしょう。ただし、塩分濃度によって日持ちが変わるため、たくさん食べて、できるだけ早めに消費すると安心です。

これって失敗!?手作り味噌の失敗例と対処法

「手作り味噌、失敗したかも?」と思っても、きちんと対処すれば食べることができます。こちらではよくある失敗例と、その対処法についてご紹介します。

手作り味噌が黒い!

手作り味噌の色が黒い場合は「発酵しすぎ」であることが考えられます。
味噌は熟成が2年、3年など長期になるとより色が濃く、黒っぽくなっていきます。香りが強くなり酸味が出てきますが、劣化しているわけではないので、食べても問題はありません。長期熟成の手作り味噌が好みで、あえて数年かけてじっくりと熟成させる方もいるほどです!香りや味が気になる場合は新しい味噌と混ぜて使うと良いでしょう。

カビみたいなものが生えている!

手作り味噌は熟成過程、保存中に白い産膜酵母や、黒、青、緑などのカビが生えることがあります。気づいた時に表面の酵母・カビが生えている部分をスポーンなどで取り除けば、手作り味噌を処分する必要はありません。霧吹きに日本酒や焼酎などのアルコールを入れて吹きかけると、再発防止に役立ちます。

手作り味噌の中に水が入ってる!

手作り味噌の熟成途中に、味噌だまりと呼ばれる水が出てくることがありますが、こちらは取り除く必要はありません。ただし、味噌だまりに味噌本体が沈んでしまっている、容器から水が出てきてしまうなど、水が出過ぎている場合は、重石が重すぎる可能性があります。清潔なスプーンで味噌だまりごと味噌を均し、重石をもう少し軽いものに変えましょう。

パサパサした手作り味噌になってしまった…

手作り味噌の仕込みの時に吸水が足りなかったり、煮足りなくて大豆が硬かったりすると、仕上がりも硬く、パサパサになってしまうことがあります。食べる上で問題はありませんが、味噌汁などに溶きにくくなってしまうため、次に作るときは、今回より少し長く吸水時間をとり、しっかりと煮込むようにしましょう。

初めて手作り味噌を作ってみた感想

手作り味噌は時間がかかるものの、簡単な工程で作ることができます。また専用の容器や機材がなくても自宅にあるもので代用できるため、おうち時間を楽しみたいときにぴったりと言えるでしょう。自分の手で作った味噌は愛着が湧き、仕上がって料理するのがとても楽しみです!ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
(記事内で紹介している商品の価格は、2022年2月参考。)