封印の真実(3)大樹が封じる精霊または悪霊の話【芦屋道顕の霊的真実】

封印の真実(3)大樹が封じる精霊または悪霊の話【芦屋道顕の霊的真実】

(1)(2)を先に読んでくだされ。※(1)は「霊山の真実」になっているぞよ。
霊山の真実(1)山がかつて女人禁制だった本当の理由
封印の真実(2)世界の封印はどんな場所にある?

前回話した『大木の封印』であるが、何を封じているのか、封じる方法がいろいろあって全て興味深いゆえ、詳しく話してゆくぞよ。※「大木」としたが今回から「大樹」とするぞよ。

■根が檻(おり)の役割を果たす封印とは?

大木を使った封印は実は最も興味深い。大木によって封印されているものが何らかの力を持つ存在であれば、大木の『根』がそれに絡みつき、檻の役割を果たしていることがある。

★悪しき存在を封じている場合

封印

悪しき存在を消滅も成仏もさせることができない場合、術者が大樹に呪い(まじない)をかけて、その根によって悪しき存在をがんじがらめにして封印することがある。

特に、日本は八百万の神の国であるゆえに「自然霊」「八百万の神」と聞けばそれらは善なる存在と思いがちであろうが、人間にとっては邪悪で害をなす、最悪は命を奪う存在も実は多い。

また、これはわしの専門分野ではないが、宇宙から降り立ったさまざまな生命が人間の身体を得ることができずに、獣や時に植物、無生物である石などに宿ることもある。それらは人間にとって無害な存在もあれば、人間の身体を得ようと試みるもの、エネルギーを吸い取るために憑依するものなどもある。

これらの、人間にとって害となる存在であっても「自然の中」に存在するものは、人間の呪法では縛れないことが多い。その場合、術者は心が通じ人間を愛し見守ってくれている自然のものにその邪悪な存在を封じてくれるようお願いするのじゃな。

■大樹には精霊が宿っていることも

大樹が大樹となるためには、そこには人間にとって善なる、そうでなくとも少なくとも悪意は持たず中立の存在が宿る。その大樹を過酷な自然現象や野生の生き物の捕食、そして人間による無謀な土地開発での伐採などから護るために『精霊』が宿っているものじゃ。

その精霊はその大樹の生える土地一帯を守り、自分に害をなす獣や悪量、悪意のある人間たちを遠ざける。そのような精霊の宿った大樹は、精霊と交信できる人間とは「対話」もする。ときに願いを聞いてくれる。人間たちが大樹やその守っている土地、そこの生き物たちを守る側の存在と分かれば、人間に害をなす存在を引き受けてくれる。

精霊

しかし、前回話したように、

その大木の中に存在を『宿す』形の封印もある。これは木が生えている間、その存在は封印されているが、切り倒される、あるいは枯れてしまうと封印が解けてしまう。

その場合、善なる存在、精霊的な存在の場合は残念ながら木の寿命と共に死を迎えることが多い。

そして、恐ろしいことに邪悪な存在は檻から解き放たれてしまうのじゃ。

■大樹の封印が解除され逃れた邪悪な存在の行方は?

檻がなくなり自由に何処ぞへと旅立った邪悪な存在は、自身をそこに封印した憎き術師を探し仇を討つために旅立つ。しかし、封印が解除されるのに何十年何百年とかかった場合、術者がふつうの人間であればすでにこの世にはいない。

しかし、邪悪な存在は往々にして人間の寿命のことなど理解しておらず、術者を探し続ける。彼らは目が悪く、しかし他の感覚で術者を、その血筋の者を見つける。匂いや雰囲気……。恐らくオーラと呼ばれるエネルギー、そして肉体の波動は遺伝するゆえ、それらを頼りに子孫のところへ仇討ちにやってくるのじゃな。

■大樹を切り倒した・大樹が台風などで倒れた・枯れた後は由緒ある一族の誰かが亡くなる?

しかし力のある術者ほど、その血族が負う代償を理解しているゆえ、子孫を残さぬことも多い。(このあたりはまた別の機会に話すが、たとえ結婚をしていたとしても、子を欲しくとも、子ができぬことも多いのじゃ)

術者が死に、その子孫もいないとなると、邪悪な存在はどうするか?その術者を雇うていた、大抵は日本ならば皇族や公家、武家であっても伝統があり時の天皇から何らかの栄誉を授かった一族にその復讐の念を向けるのじゃ。

どこぞで大樹が切られた、倒れた、枯れたという話のしばらく後、最長でも1年以内にはその大樹が生えていた土地から遠く離れてはいても、何らかの因縁のあった由緒正しき一族の誰かが急逝することがある。

大抵は一族の当主であるが、特にタチの悪い存在は、その末裔たる子供や赤子を狙うこともある。祖先の誰かが行った、あるいは依頼した呪術の代償を受けるにはあまりにも遠い縁に思えるが、因縁とは恐ろしいものなのじゃ。

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