子への呪詛(2)『かくれんぼ』の怖い話【芦屋道顕の現代の呪2】

子への呪詛(2)『かくれんぼ』の怖い話【芦屋道顕の現代の呪2】

子への呪詛(2)『かくれんぼ』の怖い話

(1)を先に読んでくだされ↓
子への呪詛(1)『はないちもんめ』は人買いの歌?子の遊びにかけられた呪詛とは

■『かくれんぼ』は『隠恋慕』または『隠れん坊』

『かくれんぼ』がどんな遊びかはもはや説明は不要であろうが、念のため説明するならば「鬼が目を隠され何も見えずにいる間に子どもたちがどこかへ隠れ、あとで鬼がそれを見つけだす」遊びじゃな。実はこれは日本でも昔からあったが世界でもほぼ同じ遊びが存在しておるようじゃ。英語では『hide and seek』(隠れて・見つける)という名前で、その様子は絵画にも描かれている。

かくれんぼ

そんな、和名では『かくれんぼ』にも「表向きの」由来が……。と思うたら、これといった『表向きの由来』は、見つからなかった。『隠恋慕』または『隠れん坊』がかくれんぼになったそうじゃが、隠れん坊は良いとして、隠恋慕は何やらストーカーや不倫や浮気の匂いがして、呪詛ではなかったとしても、やはり不穏な由来であるのう。

分かる範囲では、平安時代までには日本に伝わり、当初は大人の遊びだったものが江戸時代に子どもの遊びとなったこと、近代ではやはり『誘拐』『神隠し』に遭いやすくなるために、夕暮れ以降は禁止されていたことなどが知られておるようじゃのう。

■はないちもんめだけじゃない。『かくれんぼ』も子どもへの呪詛?

近代以降に、誘拐や神隠しを避けるため夕暮れ以降はかくれんぼを禁止したとはいえ、この遊びそのものが、

小さな子どもが1人でどこかに姿を隠し、鬼が捕まえに来る

ものであり、子どもの潜在意識に「鬼に見つかれば喰われる」恐怖と、また、子ども自身がそのような「鬼に喰われる存在である」と無意識に植え付ける呪詛なのじゃ。

■実際に現代でも起きている『かくれんぼ』による痛ましき子どもの死

子への呪詛(2)『かくれんぼ』の怖い話【芦屋道顕の現代の呪2】

昔は現代に比べると、親が子どもから目を離すことも多く、田舎では山や川、池や沼など子どもがついうっかり事故に巻き込まれても見つからぬこともあったようじゃ。現代ほど多くはなかったものの、子どもを狙う変質者もいたやもしれぬ。そのようなことで子どもが消える・不審死を遂げることがあっても、関係者があまりにも嘆き悲しみ、責任を問われないように『神隠し』という言い訳が生かされていたのやもしれぬ。・・・中には本当の神隠しもやはり混ざってはいたけれども。

しかし、現代では神隠しなどとは誰も思わず、誰かしら実在するその子どもの関係者、監督責任者が必ずその痛ましき事故の責任を問われることになる。

2005年8月10日、埼玉県上尾市にある市立上尾保育所で、4歳の男の子がかくれんぼの際に薄暗くて見通しの悪い廊下の隅に置いてあった本棚の下の引き戸の中に入り込み、誰にも気づかれないで熱中症による心肺停止で亡くなりました。

命を落とすかもしれない「危ない保育所・危ない幼稚園」の見極め方

■『かくれんぼ』したまま『神隠し』に遭った日本の子どもの行方は?

昨今は『かくれんぼ』中の行方不明の事件は幸いにも耳にせぬが、子どもがあるときふといなくなり、親はもちろんのこと関係者や近所の人々、警察までもが大捜索をしても見つからぬまま何年も経ってしまう……。そのような痛ましい行方不明事件の話は時折耳にする。

まだ現代のように街中にも田舎の道にも街灯が設置されていなかった昔は、より多くの子どもが行方不明になり、そのままついに見つかることがなかった。そのうちの、どれくらいの割合かは分からぬが、やはり『神隠し』としか言いようのない原因で姿を消し、こちらの世界に戻って来られぬ子どももおったはずじゃ。

そして、大変悲しいことではあるが、子どもを連れ去ったのは往々にして『神』と呼ばれる存在よりは『鬼』あるいはそれに近い魔物で、連れ去られた先はこの世ではない別の次元空間であることが多いようじゃ。

各地方の神話や伝承などをそういった視点で読むと、

隠れた場所がたまたま『異界』『魔界』で、戻る道が分からなくなり迷い歩いていたら、そちらの世界の者に見つかってしまった

と思しき話がいくつも見つかる。鬼や妖魔の類に喰われてしまった子どもも残念ながら多いようじゃ。

子への呪詛(2)『かくれんぼ』の怖い話【芦屋道顕の現代の呪2】

しかし、例え魔界や異界に紛れ込んでこの世には戻って来なくても『喰われて死んだ】とは限らず、鬼にも女の鬼がいて母性があり「我が子にしてしまう」こともあれば、魔物達にも情けがあり「まだ子どもじゃないか。可哀想に。人間界に居場所がなかったのだろう。俺たちの仲間になればいい」と、仲間として受け入れることもあるようじゃ。

そして、本当に『神』に連れ去られることも実はあったようじゃが、それについては長くなるゆえ次の記事にて!

続く。

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