神仏を頼れない（3）この世とあの世の間の世界とそこでの取り決め【現代の呪2】
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芦屋道顕の現代の呪い2
■あの世とこの世の中間の世界がある
（2）で「生贄の印」が魂に付けられた人々の話をした。今回はその印のみならず、この世に生まれる以前に、というても前世とも異なる……。いわば「中間生」あるいは幽界、滅多にないことではあるが天界や魔界にいる間に、そこにいる何者かと何らかの約束をすることがあるようじゃ。理由は分からぬが、素直で疑いを持たぬ気質の魂が騙され不当な契約を結ばされるようじゃ。
■闇の何者かと「契約」して人間界に生まれることがある
「約束」という言葉は軽いやもしれぬ。西洋のスピリチュアル界隈では「悪魔との契約」のエピソードがよく出てくる。悪魔に類する闇の存在の種類がどれほどあるのかは分からぬが、そちらの世界には恐らく国境はない。しかし、同じ闇の者と契約を交わしても、生まれた国やそこで得る後天的な知識により、魂が朧げに覚えている闇の存在は悪魔あるいは鬼や魑魅魍魎などとして描写されるようじゃ。
その「何者か」が、どんな存在なのかは、この世にいる生者の我々にはどう足掻いてもはっきりとは特定はできない。しかし、いずれにせよ人間として生まれる魂に何らかの条件を付ける彼らは、人間が思い描く神や仏とは真逆の存在と思うのが順当であろう。
■闇の何者かはなぜ人間の魂と契約を交わすのか？
闇の彼らはなぜ、生まれる前の人間の魂に何かしらを約束させるのか？それは『この世』は物質界であり、人間の世界であり、異界にいる彼らが『この世』に影響を及ぼすために、あるいは人間の世界に潜り込み存在し続けるために、人間のエネルギーが必要になるからなのじゃ。
例えるなら、人間は肉体を保ち生きていくためには栄養を必要とし、動植物を食糧とするが、彼らにとっての『この世』に存在するための食糧が人間のエネルギーなのじゃ。
エネルギーを搾取されるのも理不尽ではあるが、現代では彼らのほとんどがエネルギーのみ、契約を交わし印を付けた人間から搾取するほかは人間の姿で、人間と同じような食生活で生きながらえている。人間よりも血肉を好みがちではあるが。
吸血鬼や食人鬼、人肉を喰らい人の生き血を飲む者達は昔の人々が想像で生み出した架空の生き物ではなく、実在していた。彼らの数が多かった時代は食糧としての印が付けられた人間も大勢いたであろう。
人間を喰らう闇の存在は、数は減ったものの未だにこの世に、人間界に存在しているようじゃな。特に、高貴な身分とされている人々に多く、彼らはこれまで巧みに正体を隠して人間界に君臨してきた。
しかし、すでにその存在がかなり広く知られるようになり、その駆逐作戦も密かに行われ成功をおさめているようじゃ。
■「印を付けた闇の者」は街中にもいる
とはいえ、これを読んでいる読者は、さすがに肉体を食糧にされる心配はなかろう。そのような印が付いていたならば、もうとっくに……。いや、あまり残酷な描写はここでは控えておく。
さて、これを読んでいる読者の中で、エネルギーを搾取される印が付いている場合でも、闇の者達が弱る一方のこれからはだいぶ、楽になり最終的には印はあっても契約相手が消滅すれば搾取されることもなくなるはず。しかし、まだまだ力を持ち続ける闇の存在もいて、それらと契約を交わしているならば、彼らから極力遠ざかって過ごすのが一番。
社会に紛れ込んでいる、人間の姿をした彼らを避けるのは困難ではあるが、会うたびにひどく疲れる、運気が悪くなるのを実感するなどで「あいつは闇の存在かも」と気付けるであろう。
■『神仏を頼れない』人々に不要なこと
さて『神仏を頼れない』となると、その他の人々よりも厄除けや開運や各種の祈願も無駄ということになり、損に思えるやもしれぬ。
しかし、世の中に存在するあらゆる宗教団体や祀られる神や仏は、宇宙の一なるものをそれぞれの宗教や神仏が生まれた時代の人間達が自分達が理解できるように名前や形、教えとして表現したもの。
神仏を頼れぬ人々は、それらを飛び越えて直接、宇宙の一なるものと繋がるようにすれば良いだけじゃ。瞑想し、太陽の光を浴び、自然にできるだけ触れる。旬の野菜や果物を食べる。人間として健康的な生活を心がけていれば、搾取に負けず己のエネルギーを充電し、やがて人並みに、さらには御守りやお札や祈祷料いらずで人並み以上に開運もしていくことであろう。
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