無敵のゼロ感（2）霊や視えない世界を信じればこそ恐怖の霊体験と無縁の人生になることも
（1）はこちらから↓
芦屋道顕の霊的護身術シリーズ
（1）で霊感ゼロで霊障を受けぬ人間が少なからず存在すると話したが、もし己がそうだからといって面白がって心霊スポット巡りなどをすればどうなるかは分からぬぞ。と、他人から忠告されなくとも霊障を受けぬ人間は元々、霊的な存在を侮るなどもってのほかで、畏れつつ一度お目にかかりたいと憧れに似た想いを抱いておろう。
■浮遊霊や怨霊には「とても苦手」な人種がいる
霊、と一言で言うても守護霊や精霊などの、人間にとって有難い存在はここでは除外じゃ。飽くまで、人間に恨みを抱いて姿を現し悪影響をもたらす「悪霊」に類する霊的存在に限るが、そやつらは強力な怨念の塊であり修行を積んだ僧侶や、西洋ならばエクソシストたる神父や牧師ですら苦戦する難敵。
しかし、そのような悪霊が最初から姿を現さず、当然憑依をしようとも思わなければ命を狙うこともしない人種がいる。（人種、というてもコーカソイドやモンゴロイドなどの人種ではなく、その人々の性格などじゃ）
その特徴は、ざっと以下じゃ。
★視えない存在を信じていて「いることを実感したい・証明したい」と願っている人間
霊を怖がってはいるものの非常に霊に関心があり、しかし実体験としては霊体験をしたことがなく、人の話を見聞きしたり書籍で知識を増やすばかり、という人々はオカルト界隈には多い。自分も見たこともないものの、霊を否定する他人をなんとか「霊肯定派」に転向させたくて、突き付ける証拠を求めている。
このような人間に対して悪霊が姿を見せ、霊障を起こしても、表面的には怖がるではあろうが、内心ではとても喜ばれてしまう。「やっぱり霊はいる！私自身が身を持って体験しました！」などと自信を持たれて霊の存在を吹聴されては面白くないのじゃな。
悪霊は悪霊であるがゆえ、それがたとえ本人の健康や運気に害をなす行為だとしても、本人のより潜在的な願いを満たすことはしたくないであろう。
★ホラー・オカルト ・スピリチュアル・占いを商売にしていて本人が自身で「魔力」を使っている人間
「霊を呼び出す」「霊の言葉を聞く」霊の力を借りて占いをするなどなど、霊の存在を商売に使っている人間にも、意外なことに悪霊は「自らは」近付かない。相手の方からわざわざ、地縛霊いる土地に足を踏み入れて「悪霊退散！」などとやってきたら返り討ちにするが、そうでなければこの類（たぐい）の人間の多くは、悪霊には人間として認識できず、目の前にいても素通りしてしまうことすらあるという。
なぜなら、彼らが魔力を使い魔の虜になることで、人間の魂を持っていながら、その波動が魔に近付いているからじゃ。悪霊にとって、暗闇の中で清き人間の魂を探すのは簡単で、魑魅魍魎や同じ悪霊が無数にいても、人間の魂は遠くからでも光り輝き、高い波動を出している。ゆえに、どこにあるかは一目瞭然。
しかし、魔に近い魂は人間の魂の光や波動がゼロになってはいなくとも、光は仄暗くなり、それの見た目は浮遊霊や魑魅魍魎より少しばかり明るい程度。
実におかしな話ではあるが、金持ちが治安の悪い地域を歩くならば出来る限り現地の生活レベルに合わせることで強盗に目をつけられにくくなるのと似たようなものであろう。
とはいえ、あまりに己の心の境涯が魔に近づき過ぎては、憑依されずとも自分自身が魔界の住人になることもあるゆえ、魔力の濫用は控えたいものじゃ。
続く。
さて、ちょいとおまけの話を。
こっくりさんは魔術？こっくりさんをやると憑依される噂は本当？
おぬしらは「こっくりさん」は、やったことはなくとも、噂は聞いたことがあろう。こっくりさんを呼び出すのは非常に危険で「お帰りください」とお願いをしても、帰ってくれず誰かが憑依されてしまうという噂がある。わしの小学生時代はすでに廃れていて誰もやっていなかったか、わしが男子同士でのゲームと漫画ばかりに夢中で仲の良い女子がいなかったからかは分からぬが、ともかく平成生まれは知らぬ人も多かろう。しかし、昭和時代に幼少期を過ごした麗しき先輩達からの話では「こっくりさんが帰ってくれなくて、そのあとみんな嫌な目に遭った」「こっくりさんが怖い回答をして、それが当たった」など怖い経験をしている人もいれば「何度もやったけど何も起きなかった」という人もいる。
『イラストの里』より
こっくりさんとは『孤狗狸』狐きつね（こ）狗いぬ（く）狸たぬき（り）であるが、元々は西洋の降霊術に使うウィジャ盤が日本式になったもので、狐の霊を呼び出して質問するもの。狐の霊、と言えば由緒正しい霊ならば稲荷の眷属、しかしこのような素人の降霊術でやってくる狐の霊は「野狐（やこ）」と呼ばれる、野垂れ死んで妖怪化した低級の動物霊じゃ。ゆえに、悪霊と同じく悪さをすべく、しやすい人間を選別する。
もし万一、おぬしが昔、
「こっくりさんは、昔やったけど何も起きなかった」「こっくりさん、答えは来たけどその後も特に悪いことは起きなかった」
ならば、おぬしは悪霊や低級霊に「こいつに姿は見せない、こいつはスルー」されておったのじゃな。
オチはないぞよ！
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