泣くことのメカニズムとその効果&泣くことによるデメリットとは

泣くことのメカニズムとその効果&泣くことによるデメリットとは

泣くことに効果があることをご存知でしょうか?実は泣くことで自律神経に様々な効果が得られることが分かっています。今回は泣くことのメカニズムからその効果についてご紹介。また、泣くことのデメリットについても一緒にチェックしてみましょう。

泣くことのメカニズムとは?

泣くことのメカニズムとは?

そもそも泣くとはどういう状態でしょうか。泣くことのメカニズムについてみてみましょう。
人は「嬉しい・悲しい」「痛い・つらい」といった場面に触れたとき、脳にある重要な神経の集まり「扁桃体」で感情が作られます。扁桃体のすぐ隣にある視床下部から、自律神経が体に伸びています。自律神経には体を興奮状態にする「交感神経」と反対にリラックスさせる「副交感神経」に機能が分離されており、特に泣くことは自律神経のなかでも交感神経に影響し、効果をもたらすとされています。この自律神経のメカニズムは、通常は交感神経と副交感神経のバランスが保たれていますが、感情によって交感神経が優位になると、末梢にあるまぶたの奥の涙腺が刺激され、涙が流れます。これが泣くことのメカニズムです。ちなみに、このメカニズムは年齢や男性、女性といった性別は関係なく起こるものとされています。

泣くことの効果とは?自律神経との関係

泣くことの効果とは?自律神経との関係

泣くことでどのような効果があるのでしょうか?自律神経との関係や、泣く方法によって効果が異なるのかについて調べてみました。

緊張をほぐしてくれる

脳は緊張状態を感じ取ると、自律神経の乱れを直そうとして神経物質の「セロトニン」が作られます。泣くことによって分泌された「セロトニン」によって、緊張で過剰に働いてしまった自律神経のなかの交感神経の働きを抑制させて、緊張をほぐしてくれる副交感神経の働きを促してくれる効果があります。この効果によって自律神経を正常の状態に戻し、緊張感から解放してくれます。

心をデトックスして前向きにしてくれる

泣いた後にすっきりした感覚を感じたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?これは泣くことによって、一時的に精神的バランスを崩し、副交感神経を活性化させて、リラックス効果を高めてくれる作用があるためです。リラックスによる精神的作用で、心が軽くなるようなデトックス効果を感じられ、前向きな気持ちになることができます。泣くことによるデトックス効果は心にも作用が期待できます。

ストレス発散ができる

泣くことで、積み重なったストレスを発散させる効果があります。ストレスは日々の暮らしで気づかない内に蓄積されがちです。ふとした瞬間にストレスが爆発して、思いもよらない言動に走ってしまうこともあるでしょう。そのときは「泣くこと」の効果に頼って、蓄積されたストレスを発散しましょう。ポイントは人目を気にせず、短期間で一気に泣くことです。これにより一層交感神経を活性化させることができ、一気にストレス発散させる効果があります。

映画を見て泣くことに効果はあるか?

泣く方法は効果に対して直接的な影響はないと言われています。例えば恋人から別れを告げられて、ショックで泣くこともあるでしょう。一方、能動的に映画を見て泣くこともあります。いずれも場面は異なりますが、泣くことのメカニズムに違いはないため、得られる効果も同じと考えられています。悲しい映画を見て泣くことはもちろん、感動やおもしろいといった内容の映画を見て泣くことも効果は。もちろん性別上の違いも影響しません。男性でも女性でも、泣くことへの効果に違いはありません。

泣くことによるデメリット

泣くことによるデメリット

実は泣くことは心身に負担をかけている状態です。泣くことは精神のバランスを元に戻そうとする働きのため、長時間に渡って泣くことはかえって逆効果になります。泣くことのデメリットを最小限にするには、泣くときは我慢をせずに、一気に泣くことが重要です。また、泣くことは身体的にも影響が出てしまうことがあります。泣くことで出た涙の塩分によって、目が充血してしまうことがあります。このときに涙をぬぐおうとして目の周りを強くこすることで、目の周りにも炎症が起きてしまいます。もし目や目の周りに炎症が出てしてしまった場合は、冷やしたタオルが効果的です。目元を冷やすことを意識しましょう。充血を抑えてくれる効果のある目薬があれば、そちらを利用してみてもよいでしょう。目を労わるアイテムを使って、泣くことによるデメリットを最小限に抑えることができます。

勝手に涙がでるときはどうしたらよいか?

勝手に涙がでるときはどうしたらよいか?

理由がわからずに勝手に涙が出てきてしまう、といった経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?これは蓄積してしまったストレスを感じ取った体からのサインです。このときは泣くことを我慢しないで、思いっきり泣くことが重要です。泣くことを堪えてしまうと逆効果で、ストレスを溜めてしまいます。涙が勝手に出てしまうときも、泣いている自分をそのまま受け入れてあげましょう。思いっきり泣いたあとには、気持ちが前向きになれるはずです。

「涙活」おすすめは時間を決めること

「涙活」おすすめは時間を決めること

今日は思いっきり泣きたいという方へ、おすすめは「涙活」です。「涙活」は失恋映画などを見て能動的に泣く活動を意味します。1か月に2-3分程度泣くことでも、ストレス解消に効果があるといわれています。この「涙活」で重要なのは、泣いた後にしっかりとリラックスする時間を設けることです。なかでもおすすめの「涙活」は映画や読書、音楽を聴くなどして時間を決めておくことです。これによって、より効果的にストレス解消ができます。

まとめ

今回は、泣くことの効果について調べてみました。泣くことは自律神経の作用が影響しており、泣くことによって緊張やストレスから開放してくれる効果があることが分かりました。また、泣くときは時間を決めて一気に泣くことで、泣くことのデメリットを最小限に抑えられます。ぜひ能動的に泣く「涙活」にも挑戦してみてはいかがでしょうか。