的中率アップ!大アルカナ・小アルカナを正しく知りましょう

的中率アップ!大アルカナ・小アルカナを正しく知りましょう

前回、AとBの選択肢の未来はそれぞれどういう道筋をたどるか、タロットの「二者択一法」というスプレッド(並べ方)で見る方法についてお話ししました。

二者択一法に限らず、すべてのタロットカード占いに言えることですが、タロットカードには「大アルカナ」と「小アルカナ」という概念があります。

大アルカナはメッセージ性が強く、小アルカナに比べて解釈もしやすいため、ネットの自動占いなどは大アルカナのみを用いて占う場合が多いのですが、実際は小アルカナも交えて占った方が詳細な占いが出来ます。

地図で例えて言うなら、大アルカナが都道府県だとしたら、小アルカナは市町村のようなものです。「○○ってどこにあるっけ?」という質問に対して「大体このあたりだよ」ということを説明する際、都道府県の場所しか分からないのと、市町村の場所まで用いて説明できるのとでは詳細さが違いますよね。
もちろん、「東京ディズニーランドってどこにあるっけ?」「千葉だよ」のように、都道府県のみでも説明自体は可能です。しかし、「東京ディズニーランドに行くのってどう行けばいいの?」という質問に、「千葉に行けばいいよ」という答えでは不十分です。

このように、大アルカナは分かりやすく大まかな解釈はできますが、小アルカナのように細かい解釈をすることはできません。ですから、未来を占う場合などは、できる限り小アルカナも用いて占った方が良いでしょう。

(自動占いサイトなどでは、大アルカナのみでも占えると書いていたりしますが、大アルカナのみできちんと占うには相当のセンスが必要です。初心者にはむしろ小アルカナも用いて占った方が解釈しやすいですし納得の行く結果が出ると言えるでしょう。小アルカナも入れてしまうとサイトを作るためのページも画像もテキストも大量になるので、ホームページ制作にあまり時間やお金をかけられない状況だったり、対面占いが本業でホームページはおまけ的に扱っている占い師さんの場合、小アルカナも扱った方がいいことは分かっているけれどネットコンテンツとしては大アルカナのみで占うという、苦肉の策を取っているサイトもたくさんあります。全体のボリュームが増えれば増えるほど、ホームページ制作費はたくさんかかりますからね。)

さて、大人の事情はさておいて、話を大アルカナと小アルカナに戻しましょう。具体的に、大アルカナと小アルカナはどのように違うのか? その性質についてお話しすると共に、実際の占いに生かせるようにしていきましょう。

「大アルカナ」と「小アルカナ」の性質の違い

タロットカードは、22枚の大アルカナと、56枚の小アルカナ、合計78枚のカードで構成されています。成り立っています。

「アルカナ」とは元々はラテン語で「机の引き出し」を示す言葉です。ヨーロッパの神秘主義の中で、転じて「隠されたもの」「秘密」「神秘」などの意味として扱われるようになりました。

大アルカナは宗教的、魔術的なシンボルが多く描かれたカードであり、また、カードナンバー0番の「愚者」から始まる、人間の人生の物語を辿ったものです。
「愚者」は子供のように無邪気で、何も持たないところから、常識にとらわれず思うままに人生という旅路を突き進みます。
最終的にカードナンバー21番の「世界」での完成に向けて、人生は進んでいきます。
ですから、大アルカナは、人間の人生の中でも特に大きな出来事や流れ、運命的な出会い、人生における象徴的な事象など、個人の努力ではどうにもならないような大きな力が働いている運勢の流れを示します。

これに対して小アルカナは、もっと日常的なシーンや人間関係を示したものであり、誰かの日常をコマ撮りして切り取った写真のような、人生の中でも日常の一場面を示しています。

元を辿れば、小アルカナの方がカードとしての歴史は古く、大アルカナは小アルカナに後から加えられたものとされており、小アルカナはトランプと起源を同じくしています。
このため、小アルカナはトランプと同じように、火、風、水、地4種類のエレメント(元素)に分類されており、これらの属性による組分けを「スート」と呼んでいます。
スートは、
火=ワンド(こん棒)=トランプにおけるクラブ、
風=ソード(剣)=トランプにおけるスペード、
水=カップ(聖杯)=トランプにおけるハート、
地=ペンタクルス(コイン)=トランプにおけるダイヤ、
の4種類です。

各スートは、やはりトランプと同じように、1から10までの数札と、人物が描かれた4種類の「コードカード」からなっています。
コートカードは、「ペイジ(小姓)」「ナイト(騎士)」「クイーン(女王)」「キング(王)」の4種類。
数札は状況を、コートカードは実際の人物を示すものとして扱われます。

目の前の状況や人物が自分の対応次第で変化するように、小アルカナが示す事象は意識次第で変えることができる事象です。

次回は、実際の占断を例として、大アルカナと小アルカナの解釈の違いについて見ていきましょう。