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■寝ている間の幽体離脱は長時間・遠くへ移動できる。けれど
寝ている間に起きる幽体離脱は時間的に長く、肉体からも遠くへ移動できることが多い。これは肉体が死の危機に瀕していないからこそ肉体と幽体を繋ぐ霊線も太く丈夫であるからじゃ。特に逢いたい相手が外国にいるならば、地球の裏側でも瞬時に移動し、睡眠時間が7時間ならば6時間ほど離れたままでいられることもある。
★強く願っていなくてもなぜか遠くへ
さらには、強く逢いたい、行きたいと願っていなくとも、少し気にかけていただけの誰かの元やどこかにも移動し、気にかかることが複数あるならば、何箇所にも幽体離脱の状態で0泊の幽体弾丸ツアーもできてしまうようじゃ。
★通常の幽体離脱は時間が短く距離も近くまで
そこまで遠くなくとも、手術中の幽体離脱であればせいぜい隣室や、遠くとも近い街にいる家族の元までが精一杯。すぐに蘇生されない場合はより遠くへ行くこともあるが、幽体といえど肉体との霊線が繋がっている間は常に肉体と共にある魂に呼ばれていて「帰らねば」「これ以上、肉体から離れてはいけない」と分かるのじゃ。
★繰り返し幽体離脱をして無事戻れることを繰り返すうちに慣れてだんだん遠くへ長く行くように
しかし、就寝中の幽体離脱は幽体がそのような危機感を抱いておらず、好奇心に任せてどこまでも彷徨ってしまうことがある。そして、朝には疲れてはいても楽しかった記憶と共に己の肉体で無事に目覚める。
最初は「とても現実感のある夢を見た」と思い、あるいはこの方面にふだんから興味があれば幽体離脱をしていると気付けるやもしれぬ。それが危ないとは思わず特殊能力を身に付けたと喜び、毎晩幽体離脱できることを楽しみに眠りに付き、毎晩とは限らぬがかなりの頻度で肉体を離れて夜を過ごすようになるやもしれぬ。
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■幽体離脱中の『空き家』を狙う魑魅魍魎
しかし、世の中のうまい話には往々にして裏がある。麻薬の売人は最初は何度かタダでドラッグをくれて、依存症になった頃から金を取るようになる。霊的な世界にもそのような悪人ならぬ悪の存在はいて「楽しい幽体離脱」は、タダで提供される最初の麻薬のようなものなのじゃ。
★幽体離脱を繰り返していると起こる恐ろしい事態
頻繁に幽体離脱を繰り返していると、肉体と幽体を繋ぐ霊線が、卑近な例えとなるがいわゆる『ゴムが伸び切り、くたびれて』切れやすい状態となるのじゃ。
そして、幽体離脱中の肉体を狙う魑魅魍魎は、知る限り2つの手段で肉体を我がものにする。
1つ目は、ターゲットとなる人間が幽体離脱を繰り返し、霊線が伸びきって弱まっていることに気付かずにさらに遠く長く肉体を離れようとして、ついに霊線が切れたところでスルリと肉体に宿ってしまう手段。
魑魅魍魎がこのやり方で肉体を乗っ取ろうとする場合、狙われた人間は幽体離脱を繰り返すたびにだんだんと昼間でもぼんやりとして、いわゆる「心ここにあらず」の状態となる。さらには、本来なら肉体も幽体も休むべきときに幽体の状態でエネルギーを使い果たしているので、肉体的にも衰弱してしまう。そしてあるとき、肉体と幽体の霊線がプツリと切れて、その人間は幽体のままどこかを彷徨うこととなる。そして、魑魅魍魎が肉体に入り込む。
そして朝を迎え肉体は目覚めるがすでにその意識は入り込んだ魑魅魍魎のものとなっている。このように肉体を乗っ取られた人間も少なからずいるようじゃ。周囲は「しばらく前から精神的にも肉体的にも衰弱していて、ある日突然、まるで別人になってしまった」と思いながら、本当に別人になったことにまでは気付かずにいるのであろう。
そして幽体離脱したまま帰る肉体を無くした「元人間」の幽体は、幽体のまま彷徨い続ける。運が良ければ「ああ、いつのまにか死んでしまったんだな」と気付いてあの世に行けるやもしれぬ。
2つ目は、霊線がまだ繋がっていても、幽体離脱で肉体が空いたときにスルリと入りこみ、そのまま棲み着いてしまう手段。
この手段のほうが、周囲にとっても本人にとっても厄介で、見た目には以前と変わらぬその人であっても、人格がだんだんと変化する。または元のその人の人格とはまったく異なる別の人格が出現する。
そして、何も対策を講じなければ、やがては入り込んできた何者かとすっかり融合してしまうか、入り込んだ何者かに完全に制圧され別人と成り果てるのじゃ。
続く。
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