四柱推命で「相性の悪さ」を占う重要さとその方法

四柱推命で「相性の悪さ」を占う重要さとその方法

これまで、四柱推命における、天干や地支同士の相剋・相生、干合、支合、三合、命式中の五行のバランスなどによって個人同士の相性の良さや縁の深さを見てきましたが、実はこれらの「相性の良さ」だけでなく、「相性の悪さ」について見ていくことも、真の意味での相性を見る上では大切です。

どれほど縁深く、相性が良くても、決定的に合わない「悪い相性」が別にあると、結局のところ疎遠になってしまいます。この人、一緒にいると楽しいし、見た目も好みで、いい人なのに、なんでだろう「なんとなーく合わない」なあ…、という感覚に勝てないんですね。

もちろん、相性が悪くても、他に良い相性があればカバーは可能です。ただ、例えば「七冲」という相性は非常に強い凶作用を持った相性ですが、この「七冲」の相性と別に良い相性が同時に混在した場合、お互いに微妙に思う感覚というものをカバーできてしまうため「なんとなく合わないなあ」という感覚を抱えたまま何年も付き合い続けるということがいうことが起こりえます。なまじっか相性が良い面もあるためになかなか別れるまでの決定的な決め手が生じないのですね。

■良い相性と悪い相性が混在する場合の危険性

占いから急に科学的なお話になりますが、恋愛している最中というのはときめきホルモンが分泌されます。正式名称はフェニル・エチル・アミン(phenylethylamine)、略して「PEA」。恋愛ホルモンとも言われるこれは、原始の昔、まだ法律による家族制度などというものがなかった時代にヒトという種に備わったシステムです。

これはオスとメスが密接に関わり合い助け合いながら子供を作り子育てをするために必要なホルモンのため、出会って1~2年後の妊娠出産を経て子供が乳児期を脱するまで…つまり2年から3年くらいの間分泌されます。
ロマンチックな言い方をすれば恋の魔法にかかっている期間がこの期間。逆に言えば、3年もすればホルモンによる盲目的な恋愛期間というものはすっかりなくなってしまいます。

代わりにこの間に、愛情ホルモンと言われるオキシトシンや幸福ホルモンと呼ばれるセロトニンなどが分泌され始め、恋から愛に移行することもできます。ずっと仲のいい夫婦なんかはこのパターンですね。逆に、こういったホルモンの働きが弱いと、古い歌にあるような「3年目の浮気」につながってしまいます。

「なんとなく合わないなあ」という感覚を抱き続けるのが危ないのは、ほかにもっといい人がいるのではないかと思い続けながらずるずると付き合っていく中で恋愛ホルモンの分泌期間が終了し、恋の魔法が解けた時に他に目移りしてしまったりして関係が終わってしまう危険性があるからです。
もちろん、世の中を見渡せば目に見えてとても仲のいい夫婦なんて逆にレアケースでしょう。大抵の夫婦は「なんとなく合わない」部分を抱えていても、長年の環形の中で培った愛情や信頼、同じ戦場をくぐり抜けてきた戦友のような感覚によって一緒に居続けることを選びますし、とても悪い相性の要素があったとしても、他に良い相性の要素がいくつもあれば十分にカバーすることが可能です。

ただ、これはあくまでも結婚している場合の話であって、まだお付き合いの段階であれば恋の魔法が解けた時期にほかに目移りしてそのままお別れ…なんてことも十分ありえます。ですから、良い相性と悪い相性がどちらもある相手とのお付き合いは短期決戦を心がけた方が良いでしょう。ずるずる長引かると腐れ縁で終わる可能性の高い相性です。

さてそれでは、「悪い相性」とは具体的にどのようなものを指すのか?

悪い相性として代表的なものは、「相剋」、「七冲」、「空亡」です。他に「六害」などもありますが、これは西洋占星術で言えばマイナーアスペクトと言われるようなそこまで大きな影響のない「ちょっとした引っ掛かり」程度のものです。
「相剋」も前回お話ししたように五行のバランスによっては必ずしも悪い影響ばかりでもないため、代表的かつ確実に相性が悪いと言えるのは「七冲」と「空亡」になります。ただ、「相剋」は五行を考える上では非常に代表的な考え方なので、まずは相剋について見ていきましょう。

<相剋とは>

天干は五行に分類され、甲・乙が木、丙・丁が火、戊・己が土、庚・辛が金、壬・癸が水を示しています。地支も五行に分類されますが、人と人との相性という点で相剋を見るのであれば天干の五行をまず見ましょう。天干は虚実のうちの実。現実に表れる部分です。

木(甲・乙)は土(戊・己)を剋し、火(丙・丁)は金(庚・辛)を剋し、土(戊・己)は水(壬・癸)を剋し、金(庚・辛)は木(甲・乙)を剋し、水(壬・癸)は火(丙・丁)を剋します。
これは、剋す方が剋される方を制するという意味です。二人の日干同士を見た時、片方が片方を制することでもう片方の五行のバランス的に弱くなりすぎるようであれば、剋される方がプレッシャーや重圧を感じやすい関係性ということになります。

次回は「空亡」について見ていきましょう。