五行のバランスで相性を占う~月令について~

五行のバランスで相性を占う~月令について~

人と人との相性を四柱推命で見る上では、五行の力量を見ることが重要であるというお話を前回しましたが、では、五行の力量はどのようにして見るのか?

それには、天干の五行に対し、地支の状態がどう影響しているかを見ることが重要になってきます。

四柱推命では、この地支の影響力の要素を大きく「月令」「通根」という二つの枠組みで考えますが、まずは「月令」による五行の力量の強さについて見ていきましょう。

ちなみに、月令や通根は、相性を見る上だけでなく、単純にその人の性格や運勢を見る上でも非常に重要な要素になりますので、四柱推命に興味がある方は、ぜひ月令と通根の考え方を頭において自分の命式や運勢をみていくようにしていただければと思います。

■「月令を得る」ということ

さて、前回触れたように、天干は甲・乙が木、丙・丁が火、戊・己が土、庚・辛が金、壬・癸が水の五行を示しています。

これに対し、地支は子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の十二支であり、子が一月、丑が二月といったふうに、それぞれに旧暦の十二ヶ月が割り振られています。
地支は季節を表すものであり、春は木の気の勢いが強くなり夏は火の気の勢いが強くなるといったふうに、その支ごとに強くなる気と弱くなる気があります。
それぞれの支によってどれくらい何の気が強くなるかも定められており、それによって天干の五行の力量が変わります。

もちろん四柱推命は四柱と言うだけあって四つの柱からなるものですから、四つの地支が四つの天干のそれぞれに影響することになるわけですが、この中でも特に重要なのが、「日柱の天干」と「月柱の地支」の関係性です。

月柱の地支が日柱の天干にどのように影響しているのかはとても重要です。日柱の天干はその人自身の顕在的な顔、月柱の地支はその人にとっての社会から受けるエネルギーを表します。社会が持っているエネルギーが、その人自身にとってどのような影響を与えるか、助けになるのかならないのか、それによって人生は大きく左右されてしまいます。
月柱の地支が日干の五行を助けることができる季節のものであれば、その人は生まれながらにして社会の助けを受けて易々と生きていきます。逆に助けにならない季節のものであれば、なかなか運に恵まれにくい生まれということになります。

ただ、これは良し悪しで、生まれながらにして社会が味方になってくれる人というのは、往々にしてわがままに好き勝手に育ちます。好き勝手をしても止める人がいないからです。止める人がいたとしても、本人にとっては特に障害にならずに生きてきたという状態です。好き勝手に振る舞う子供のような感じです。そういう人が周囲からどういうふうに思われるかを考えると、必ずしも月柱の地支に助けられている状態が何もかも良いという訳でもないのです。(もちろん、他の天干や地支の影響により、月令を得ていてもうまくバランスが取れて素晴らしい人格者に育つ場合もあります。)

ちなみに、月柱の地支がどれ程の影響を持つかというと、他の支の三、四倍の影響力を持つと言われています。ですから、まずは月柱の地支の影響力について見ていくことが命式全体の五行の力量を見る上で大切なのです。

■各地支の天干への影響について

具体的に、それぞれの地支の季節がどの干にどのような影響を与えるのかを以下に一覧で示します。

<春生まれ>
月柱の地支が「寅・卯」の場合
甲・乙の力量=最強
丙・丁の力量=強い
戊・己の力量=最弱
庚・辛の力量=弱い
壬・癸の力量=普通

<夏生まれ>
月柱の地支が「巳・午」の場合
甲・乙の力量=普通
丙・丁の力量=最強
戊・己の力量=強い
庚・辛の力量=最弱
壬・癸の力量=弱い

<土用の生まれ>
月柱の地支が「丑・辰・未・戌」の場合
甲・乙の力量=弱い
丙・丁の力量=普通
戊・己の力量=最強
庚・辛の力量=強い
壬・癸の力量=最弱
(※旧暦の月変わりの日から9日目までは、土の気よりも丑は子、辰は卯、未は午、戌は酉と同じ気の方が強いので、その場合は各地支の項目を見てください)

<秋生まれ>
月柱の地支が「申・酉」の場合
甲・乙の力量=最弱
丙・丁の力量=弱い
戊・己の力量=普通
庚・辛の力量=最強
壬・癸の力量=強い

<冬生まれ>
月柱の地支が「亥・子」の場合
甲・乙の力量=強い
丙・丁の力量=最弱
戊・己の力量=弱い
庚・辛の力量=普通
壬・癸の力量=最強

日柱の天干が月柱の地支によって「最強」「強い」力を得られる場合を、「月令を得る」と言い、自分自身のエネルギーが強い状態になります。四柱推命では、この月令を得ているか得ていないか、日干の五行を助ける干支が多いか少ないかで、命式全体の力量を考えます。

日干を助ける五行とは、天干については、

甲・乙の場合は壬・癸、
丙・丁の場合は甲・乙、
戊・己の場合は丙・丁、
庚・辛の場合は戊・己、
壬・癸の場合は庚・辛

がそれにあたります。特に日干の隣の干が日干を助ける五行だった場合には、強い補助があると考えて良いでしょう。

地支の場合は、上で述べたような季節による補助だけでなく、「通根」という冒頭で述べた考え方によって、日干を助けているかどうかが変わってきます。

次回「五行のバランスから相性を占う~通根について~」ではこの、通根についてお話しするとともに、月令と通根をあわせて相性のいい相手について見ていきます。