二人の「結びつく力」を占う四柱推命での相性占い2

二人の「結びつく力」を占う四柱推命での相性占い2

前回は、四柱推命における相性のうち、「干合」の関係性についてお話ししました。

干合とは甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の十干のうち、プラスの気を持つ陽干とマイナスの気を持つ陰干が結びつき他の干に変わることを言います。水素イオンH+と水酸化イオンOH-が結び付いて水H2Oになるようなイメージですね。干同士の化学変化です。

前回もお話ししましたが、この干合、不思議なことに陽干(甲・丙・戊・庚・壬)と陰干(乙・丁・己・辛・癸)の中でも、片方が片方を抑えつける効果のある相剋の関係性でしか発生しません。

干支を60で一巡すると考えたとき、この関係性は30度、90度、150度の関係性です。西洋占星術ではセミセクスタイル、スクエア、クインカンクスの関係性で、いずれも不和を示す関係性。しかし、180度のような「反発」ではなく、「何かしっくり来ない」感じの関係性です。アスペクトとして結び付く力はある関係であり、真っ向からの対立ではなく常に相手を意識することになるような関係性。つまり、気になってしまう相手なのですね。

特に相性占いにおいては、よほど悪い相性でなければ、何のアスペクトも取らないよりは、こうやって特定のアスペクト(角度)を形成しているということが大事であり、相手を意識するからこそ男女の関係に発展しやすいという部分があります。

四柱推命においても、一見一番いいのは西洋占星術で言うところのセクスタイル(60度)、トライン(120度)を形成する自分と同じ干なのですが、こういうソフトアスペクトはよくも悪くも刺激がありません。
実際、同じ日干の異性の友人はたくさんいるし、友人としてはとても落ち着ける相手、ということは多いのですが、異性関係に発展する気になる相手かと言うと刺激が足りないということがほとんどです。

男女の関係性に発展するにはある種の緊張感が必要なので、西洋占星術でも一般的にあまり相性が良くないとされる90度や150度の関係性を持つ相手同士で夫婦だったりすることはとてもよく見られる事象なのです。

90度も150度も、良好な関係性を続けるためには努力が必要な程度には相性的には不調和を生じる関係です。
人間というものは、相手と関係を構築するにあたって対してコストを支払った場合、それを惜しいと思って関係を維持しようと努めます。大金をはたいて買ったものの方が安い値段で買ったものよりも大事にするのがその典型です。

人間関係も同じで、構築するために努力が必要な関係性ほど、維持のためにも努力し続けることになります。
友人間であっても、「親しき仲に礼儀あり」なんてことを言ったりしますね。どんなに長く付き合っても、なあなあにならずお互いを尊重しあえる関係性が良いということです。

男女関係は特にマンネリ化しやすいので、少々このようなランニングコスト的なストレスがあった方が長続きするのです。

ただ、ストレスと言っても、180度のような真っ向から対立するレベルの反発力になると、今度は結び付くこと自体が難しくなってしまいます。「なんだか違和感があって気になる」程度の相手が良いのです。

このため、西洋占星術の相性占いにおいても、90度のスクエアなどは燃え上がるような恋をする可能性を示唆するのに対し、180度のオポジションはあまり良い関係性とは捉えません。

四柱推命においても、180度の関係性にあるものは「七冲」に見られるように良くない関係性とされていますので、ストレスはほどほどがいい、と考えるべきでしょう。

■「干合」による干や五行の変化について

さて、干合という関係性は、二つの干が結び付くことによって干が変わる関係性はです。干が変わると言うことは、五行も変化するということです。

干合による干の変化は以下の通りになります。
甲+己=土に変化し戊と己になる
乙+庚=金に変化し辛と庚になる
丙+辛=水に変化し壬と癸になる
丁+壬=木に変化し乙と甲になる
戊+癸=火に変化し丙と丁になる

ちなみに干合は化学変化のように完全に置き換わると言うよりは、もとの干の意味を弱めつつ干合後に変化した干の性質が強まると見ると良いでしょう。(この辺は流派によります。)

日本における四柱推命では、干合はそれだけで良い関係性と言うことになっていますが、実は本場中国の四柱推命では、干合することによって命式にどのような影響を及ぼすかによって良い悪いが変わってくるとされています。
私自身もこの中国式の考え方を取っています。次回ご説明する「支合」においても言えることですが、たとえ干合、支合といった一般的に良い相性とされる相手であっても、自分の命式にとってそれが良い作用でなければ逆に悪い影響を与えることになってしまいます。
例えばDV夫とその被害者のような関係性が共依存と言われることがありますが、このような関係性でも結び付く力は強い関係なのです。

結び付く力が強くても、結果的にそれがその人の人生にとって良い影響となるかどうかは、その結び付きがその人の命式においてどういう意味を持つかで変わってきます。

次回は、四柱推命における結び付きの中でも、支合など干合以外の結び付きについてお話ししていきましょう。