四柱推命の日干で分かる会社との相性(庚編)

四柱推命の日干で分かる会社との相性(庚編)

前回の「四柱推命の日干で分かる会社との相性(丁戊己編)」まで、四柱推命において、日干から適職を見る方法についてお話ししてきました。

四柱推命の命式は、ホロスコープで言うところのネイタルチャート、生まれた日のチャートにあたりますが、命式において「日柱」はその人そのものです。十二星座占いで言えば精神面を表す「月」の状態が、四柱推命での日柱にあたります。日柱の地支の通変星(日柱の下側)はその人の素の状態での行動原理や考え方、精神的に安定を得られる方向性を示します。そして日干(日柱の上側)はその地支の持つパワーが実際にどのように表れるかということを表します。
つまり日柱はその人の魂の持つエネルギーの特性と、その現れ方が出る部分です。そして、世の中のすべてのものはそれぞれに特性を持ったエネルギーを持っています。東洋思想ではこれを「気」と呼び、木、火、土、金、水の五つに分類し、気と気の関係性を見る占いを発展させました。これが四柱推命であり、九星気学であり、風水というわけです。
会社もまた特定の「気」を持っています。その「気」は、その会社の設立年月日から見たり、または業種からも見ることができます。正確に言うと、特定の会社との相性は自分自身の生年月日と会社の設立年月日、業種自体との相性は自分自身の生年月日と業種から見るという感じです。ちなみに会社との相性は、社長さんと接する機会のある規模の会社であれば社長さんと自分との相性でも見ることができますよ。ある程度の規模の会社になるとよほどの有名人でもない限りなかなか社長さんの生年月日を知る機会はないかもしれませんが、逆に言えば、社長さんの生年月日を知る機会のある規模の会社であれば、社長さんと人と人としての付き合いをすることになります。それであれば、社長さんの命式と自分の命式の相性を見てみることもやってみると良いでしょう。上司や部署の人との人間関係を見たいときにも良い方法です。

さて今回は、十干の中でも、日干が庚の人にとって相性の良い会社について見ていきましょう。

<日干が庚の人の適職と相性の良い会社>

庚は、金属の中でも斧や剣など、大木でも切り倒せるような力を持った干になります。
命式において金水が主な人はいわゆるキレ者なのですが、庚の人は頭の回転の良さに加えて、強い意思と精神力、行動力を持っています。
物事の判断が速く、迷いなくスピード感を持って行動することができるので、新規のプロジェクトチームのリーダー等にはぴったりの人材です。
目立ちたがりやで人の意見を聞かずに突っ走るところはありますが、向上心も強く、義理堅く正義感も強いので、味方にいると心強いタイプです。しかし、嫌いなタイプを攻撃する鋭さも持っているため、敵に回すと怖い相手でもあります。
金の干ということもあり、銀行員や証券会社など、金銭を扱う会社に向いていますが、こまごまとした会計などの仕事よりは、融資など大きな目線で仕事を進める方が向いています。
また、食神的な性質を持つ仕事と相性がいいので、衣食住に関わる業種の会社もおすすめです。

また、相性がいいのは、日干が下記の種類の会社です。
:甲は大木であり、斧などの金属である庚にとっては燃料になる干です。庚の斧によって大木を伐採し、使える材にしていきます。庚が強くて、甲が弱い場合に特に良い相性です。ただし、庚が弱く、甲が強くなりやすい春月生まれの人は、我が身である庚が負けてしまいますので、相剋としての相性の悪さが出てしまいます。

:乙は草花です。庚と乙の組み合わせは、庚の斧や鎌で草花を刈り取り、きれいに剪定する様子になります。乙の影響が出ると、庚は周囲の人間関係や組織の上下関係に配慮しながら、上手に人を統率していくことができます。行動力を発揮でき、確実に利益を上げて信用を得ていくことができます。

:丁はたき火やろうそくなどの火です。庚の斧は丁の火によって刀剣のように鍛えられます。社会人として望ましい自制心が働き、丁から知恵や礼儀正しさを与えられて、エリートコースを歩む人になります。単純にひいきや運の良さでのし上がるわけではなく、正当に鍛えられて実力をつけながら上に向かっていくので、着実に出世してそれなりの地位を得ることになりやすい相性です。また、実力に裏打ちされた出世であり、本人も努力によってステータスを手にするため、目上からも気に入られ評価されます。ビジネス上の相性としては十干中でも最高です。

:戊は山を表します。この戊と庚の相性は、「土多埋金」と言って土が強すぎると良くない効果も生むため、金が弱すぎないこと(夏の生まれではない)、土が強すぎないこと(命式中に土が少ない)ことが良い関係性になる条件になります。この組み合わせは、地味になりがちではありますが、チャンスをただ待つのではなく、自ら積極的に行動してチャンスをものにしていける組み合わせです。感情的な行動はせず、秩序や効率を最優先に考えて物事に対応していけるので、会社勤めの際には悪くない組み合わせです。

次回は、日干が辛、壬、癸の人の会社相性について見ていきましょう。