四柱推命で「傷官」「食神」「正財」を持つ人の適職について

四柱推命で「傷官」「食神」「正財」を持つ人の適職について

前回の「四柱推命で「比肩」「劫財」を持つ人の適職について」では、通変星の中でも、「自星」グループが月柱にある場合に向く職業についてお話ししました。

今回は、「泄星」グループの「傷官」「食神」と「財星」グループの「正財」についてお話しいたしましょう。

自分の命式中の「通変」欄のうち、以下の③④⑤(⑤はサブ要素)に入る星が「傷官」「食神」「正財」になる人にとって向いている仕事などを占うことになります。

四柱推命で「傷官」「食神」「正財」を持つ人の適職について

傷官星の性質

傷官は「官を傷つける」と書きますが、官僚の星である「官星」を傷つける作用を持っています。
最大の特徴は言い方がきついこと。官星がうまくこなすような物事への忖度などはせず、頭の回転の良さもあって相手を切り刻むように普通であれば言いにくいようなことをズバズバ言ってのけるような所があります。
特に命式中に官星がある人が、官星の上下左右隣に傷官星が並ぶようなことがある場合、「口に刃物が入っている」と言われるくらい他人を傷つけ追い詰めるようなレベルで厳しい指摘をしてしまうので注意が必要です。
基本的に頭がよく、よく口が回ります。口げんかで負けるようなことはそうそうありません。神経質なところがあり、逆に言えば細かいところにもよく気が付くので、それを生かせるような職業につくと成功につながります。

<傷官星が③④の位置にある人に向く職業>
・傷官は頭がいい星ですので、資格や専門知識の修得に向いています。特に専門知識を言葉によって表現する職業、批評を行うような仕事が最適です。弁護士、検事、弁理士、コメンテーター、教師、インストラクター、営業職など。
・神経質な性質なので、慎重かつ素早い判断が求められる仕事、細かい部分を突きつめていく専門職で自分の才能を生かせます。
・美的センスに優れており、感覚の鋭さを持つことから、傷官は芸術関連や人の心に訴える仕事をするには持っておきたい星です。

<傷官星が③④の位置にある人に向かない職業>
・プライドが高く、歯に衣着せぬ物言いをするため、対人関係でトラブルを起こしたり、意図せぬ部分で他人から反感を買いやすいタイプです。官星を傷つけるということは事務的、組織的な仕事、人から命令される仕事に特には向いていないので、サラリーマンや内勤の仕事よりは、いつも同じメンバーと顔を合わせないですむ仕事の方が向いています。

食神星の性質

食神は書いて字のごとく、食の神様の星。この星が良い状態であると、衣、食、住に一生困らない恵まれた星と言われています。仕事においてもあまり苦労せずにすみ、場合によっては親の遺産で食べていけるためそもそも働かなくてもいいような人も少なくありません。基本的に明るくおおらかで、危機感なく行動している人が多い星です。ただし、命式中に偏印があったり行運で偏印が来た場合はその福運は損なわれてしまうと言われます。また命式中に食神と傷官が三つ以上あったり行運で傷官運が重なった場合は、食神は傷官に変化し傷官の性質が強く出ることになります。

<食神星が③④の位置にある人に向く職業>
・組織の中で人と関わることで力を発揮することができます。精神的にあまり苦労してきていない、苦労を苦労と思っていない楽天家なので、人に貶められたようなこともなく、人間が好きです。人に与える印象も良いため、人に会う仕事、サービス業に向いています。特に衣、食、住にかかわる業種が最適です。
・食神も傷官と同じく、芸術関係に適性があります。それも人を楽しませるようなクリエイティブな仕事に向きます。後で説明する印星も芸術関係に向く星ですが、食神はエンタテイメント系、傷官は感性を前面に押し出すような芸術系、印星は文芸など思考を主とした創造活動に特に向いています。

<食神星が③④の位置にある人に向かない職業>
・楽天家で危機感やハングリー精神がないため、基本的に経営者、特に大きな事業には向きません。

正財星の性質

財星グループは財という字が付くぐらいですから、基本的にお金に困ることのない星になります。(財星を壊す自星(比肩、劫財)が強いとその限りではありません。)
特に正財は、動かない財を表すため、蓄財に向いています。お金がたまる性格とはどういうことかというと、堅実で地道な作業が好き、こうと決めたことは貫く性格ということです。人当たりは良いのですが、曲がったことが嫌いで、正義を重んじ、責任感も強い星です。正官に性質が似ているところがありますが、正官のようなキャリア志向は薄めです。

<正財星が③④の位置にある人に向く職業>
・正財は責任感が強く慎重で、信用を重んじ、コツコツと確実に信用を得ていくタイプです。管理事務部門、数字を扱う仕事に適性があります。
・地道かつ堅実に進める職種、型にはまった仕事に向いています。「こうでなければならない」という作業は、正しくそのように実行しますので、市役所職員などにはもってこいでしょう。

<正財星が③④の位置にある人に向かない職業>
・正直で正義感が強いため、駆け引きが必要な仕事、清濁併せのむような仕事には向きません。法の抜け穴を探して利益を得るような仕事はあまり得意ではないでしょう。

次回は、いよいよ通変星ごとの適職の説明も最後です。偏財以降の適職傾向について見ていきましょう。