「自信過剰で身を滅ぼす時期」をホロスコープで知る(ページ3)

前回までは、火星と木星がハードアスペクトを取っているところに、他の惑星がハードアスペクトを取った場合にどのような影響があるかについて見てきました。
今回は、太陽系最大の吉星である木星が太陽とハードアスペクトを取っている場合に、更に他の星がハードアスペクトを取った場合について見ていきましょう。

木星は、太陽系最大の吉星であり、とにもかくにも拡大を司ります。
そのため、関わった惑星の性質を拡大し、良い方向に導くことができる星なのです。

ハードアスペクトで関わった場合も、拡大によって弊害が出ると言う形になるため、思いもよらないようなひどいことが起きると言うわけではありませんが、良くも悪くも関わった惑星の性質を大きくしてしまうため、木星のハードアスペクトの場合は、ハードアスペクト時の悪い事象が更に拡大されてしまうという影響があります。

元々、太陽は自分自身の生き方そのものを表すものであり、その太陽が木星とハードアスペクトを形成している人は、悪い意味で自分の人生のビジョンや生き方が肥大化してしまうことになります。

どういうことかというと、その人の度量や能力を超えた将来のビジョンを、木星が要求してくると言うことです。

木星の要求は、本人にとってはトレンドとして映ります。トレンド、つまりスポットの当たっているものですね。

木星がスポットを当てる部分というのは、その人にとって魅力的だったり関わらざるを得ない存在感のあるものとして映るのです。
運行の木星が太陽に及ぼす関係性であれば一時的な、せいぜい一年程度のものですが、出生の太陽と出生の木星がハードアスペクトを形成している場合は、一生同じ場所に過剰なスポットが当たり続けます。

ですからこういった星並びを持つ方は、自分自身にスポットが当たっている意識が強く、「自分が、自分が」という傲慢なタイプになってしまいます。(これがソフトアスペクトですと、いい意味でスポットが当たる感じになるため、他人に嫌われずに存在感を示せる人になります。)

太陽と木星がハードアスペクトを形成している人は、必要以上に楽観的で、冒険を厭わない度胸がありますが、悪く言えば慎重さに欠け、状況にそぐわない法外な利益を狙って投機的なことにも手を出しかねない考えなしなところがあるため、身を持ち崩さないように注意が必要です。

野心家で豊かさや成功に対する執着が強く、向上心があるのは良いのですが、こつこつと地道に努力するようなことは嫌いで、どんぶり勘定や見切り発車で思い切った一発逆転を狙うような面が多々あります。楽観視する傾向が強いため「おいしい話」に飛び乗ってしまいがちで、実力以上、自分の身にそぐわない仕事や提案に安易に乗ってしまうような人になりがちです。
その結果として、他人の信頼や、金銭を失うこともあります。こんな性格ですから、当然お金もたまりにくいため、意識的に財布のひもを締めるようにした方が良いでしょう。

この星並びの人は、そもそもが気が大きく大雑把で、自分の欲求を我慢するのが苦手です。そのため、欲しいものは何でも手に入れてしまうようなところがあります。
物質欲が高いというよりは、自分を満足させることに対するブレーキがききにくいので、ついつい高級で贅沢な生活を送ってしまいがちということです。

あれやこれやと好き勝手に買い物をしているうちに、支出が収入を上回るようなことにも陥りがちです。一言で言えば計画性に乏しく気が大きな浪費家ですから、クレジットカードなんかには特に注意が必要な人です。最近はキャッシュレス決済が進んできていますが、こういうタイプの方は現金主義の方が安心です。

それでは、こういった太陽と木星のハードアスペクトを持っている人が、更にマレフィック天体とのハードアスペクトを形成した場合、どのような影響があるかについて見ていきましょう。

<太陽と木星が火星とのハードアスペクトを形成する場合>

火星は情熱や積極性を表す天体です。拡大を司る木星とハードアスペクトを形成すると、「イケイケドンドン」なところが過剰に現れることになります。ただでさえ、太陽と木星がハードアスペクトを形成している人は気がおおきくて自己表現が前に出る性質なのに、そこに更に火星が絡むと更にその性質に拍車がかかります。

気が大きくなり過ぎたところに、更に間違った方向性の情熱が加わるため、無謀な賭けに出やすくなる星の配列です。
投機やギャンブルに手を出しやすい時期で、しかもよく考えずに手を出してしまうため、金銭的に痛手を負うようなこともありえます。これは、単純にギャンブルや投資的な事象だけでなく、仕事上においても起こりえます。
例えば間違った確信による行動や賭けに出て、結果的にダメージを負うようなことになりかねません。元々野心家であるのにますます野心や欲望が膨らむ時期ですが、自信過剰と軽薄な判断によって損失が出やすい時期ですので注意が必要です。