ホロスコープで知るあなたの人生の愛とお金の危機3

前回は、太陽と金星のアスペクトを持つ人のホロスコープに、マレフィック天体のうちの天王星と海王星が関わった場合の影響について見ていきました。

今回は、マレフィック天体のうちの、冥王星が関わって来たときの影響について見ていきましょう。この結果は、太陽と金星のアスペクトを持っていない人でも、本人の金星に冥王星が影響する時期には、誰にでも当てはまる内容になります。

前回、海王星の影響についてみていきましたが、海王星の影響はとても長い(最低でも5年、長ければ10年近くに及ぶ)ので、もはや人生の一部のような形になってしまいます。自分がそういう人間なのだと勘違いするレベルですが、そうではありません。
この時期は、元々サバサバ系のしっかりしたタイプの人であっても、ナイーブさが強くなり、常に心が定まらずに惑う状態になります。ヒステリックな攻撃性というよりは、悲嘆的な不安定さとして現れます。しょっちゅう悲しくなったり、死にたくなったり、悲劇のヒロインのような心境になったり。

天王星、海王星、冥王星は、トランスサタニアン(土星を越えたもの)と言って、人間にはどうにもならない領域を司るものと位置付けられています。
火星までが個人の意識レベルでコントロールできる領域、木星、土星が社会的にコントロールできる領域、それ以上は運命的なコントロールできない領域とされていますが、私としてはこれは単純に古典占星術で土星までしか発見されていなかった頃の名残で、単純に遠くの天体ほどその力に抗うことが難しく、また影響する時期も長いので無自覚に力が働くことになり意識的にコントロールしにくいというだけだと思っています。

いずれにせよ、天王星、海王星、冥王星レベルの地球から遠い惑星になってくると、本人も自覚していないレベルでいつの間にか影響が始まりますので、気付いたら危機に陥っているということが多いのです。その中でも冥王星は、天の絶対権力者であり、まずその力に抗うことはできません。

ただ、冥王星の働き自体は、基本的には極端さが増すだけなので、必ずしも悪い影響が出るとは限りません。特に、金星のような吉作用のある星と絡んだ場合には、あまり深刻な影響は出ないことも多いのです。

さてそれでは、冥王星が金星とハードアスペクトをとった場合にどのような影響があるかについて見ていきましょう。

<金星と冥王星がハードアスペクトを取る場合>

金星は愛情や物質的な豊かさを示す天体です。
冥王星は極限の星で、良くも悪くも極端さが現れます。
この二つの天体がハードアスペクトを取ると、愛情を伴う関係や物欲に関して、極端な状況や欲求が生まれます。特に、出生の金星にトランジットの冥王星がハードアスペクトを取る場合は、人生を変えうるレベルでの変化の時です。そしてそれは、急激な変化ではなく、必然的と言っていいような大きな流れに乗るような変化になります。

金星と冥王星のハードアスペクトの時期は、愛情関係で非常に「欲しがり」になります。火星のようなガツガツした感じでも、海王星のような愛情に依存する感じでもなく、愛に生きることが自分自身にとっての使命でもあるかのような、非常に真剣かつ激しい衝動として表面に表れることになり、またそれが他人が驚くようなレベルのため、結果的に愛情関係の困難や問題を呼び寄せやすくなってしまいます。

愛情に関して衝動的な欲求が起こり、ゆったりと構えておくことができなくなります。相手がいなければまだ良いのですが、この時期に恋愛に陥ってしまうと、相手に激しく心を奪われてしまい、冷静な判断ができなくなってしまいます。正しい形で相手を見ることが出来なかったり、極端な態度を取ってしまい、後で後悔することになるかもしれません。
嫉妬と束縛はひどく、相手を支配したがります。セックスアピール自体も強くなるので、本気で入れ込んでいる相手がいても他の人にも色気を振り撒いてしまい、問題に発展しやすい星回りです。しかし色気を振り撒いていること自体には本人としては無自覚で、人間関係上必要だと思うからやっているというくらいの意識でいるためたちが悪い状態です。
また、冥王星はゼロか100かの星なので、逆に全く恋愛関係への興味がなくなることもあります。結果的に大きな愛に気付けず、損をすることもあるかもしれません。

愛情関連で影響がでなかった場合は、物質的な欲求が極端に高まる形で影響が出ることもあります。身の丈を越えるレベルで出費が多くなりますので、後で後悔しないように気を付けましょう。物質的な欲求についても愛情と同じく、全く物欲が湧かない形で影響が出ることもあります。

愛情にせよ、物欲にせよ、冥王星の影響下で起こることについては、本人の無意識的なレベルで起こることなので、後で後悔すると言っても長々引きずるほどのものにはなりにくいというのが特徴です。冥王星はやり尽くすような星なので、本人としては達成感があったりストレスを溜めにくく、メンタルのダメージになりにくいのです。