ホロスコープであなたの試練の時期を知る

ホロスコープであなたの試練の時期を知る

これまで、土星の働きと、そこから個人のしんどい時期を見ていくことの大切さについてお話ししました。
しかし、土星という星は、別によく言われるような凶星ではないのです。

月、水星、金星、太陽、火星、木星の働きは土星の管轄下にあるものであるというのが古典的な占星術の考え方でした。このため、土星は管理職的な意味を強く持った星になっています。先程、土星は所属部署の部長さんのような星であると述べましたが、まったくそのまま、土星は個人生活を統括、管理する役割を持った星なのです。

権威者、管理者、義務、こういった意味合いを持つ土星がマレフィック…凶星とされるのは、西洋占星術は西洋の貴族階級によって発展したものであるからというのもあります。西洋の貴族は基本的に遊んで暮らしていましたから、義務や権威者というものは大嫌いなんですね。うざったくてたまらないものなのでしょう。
しかし、現代社会においては義務や労働はやらなければ生きていけない、正常な社会生活を送る上で無視できないものです。このため、現代においては土星は凶星と言うよりは、積極的に生かしていくべき星という立ち位置に変わっています。

実際、西洋占星術でこそ管理的、権威的な意味のある土星は凶星扱いですが、中国で発展した四柱推命においては土星的な役割をする星(官星と言います)は最高の吉星の一つとされています。
これは何故かと言うと、四柱推命は古代中国で官僚を選出するための手段として発展した占いだからです。優れた官僚になる人を見いだすわけですから、管理や権威、義務などの土星が司る領域をうまく扱える人でなければ話になりません。

ですから、必ずしも土星=凶星と考えずに、一連の記事でずっとご紹介しているように「土星はその人を律し、ストレス耐性を示す星である」くらいに考えておくと良いでしょう。

<星の試練、耐えられない時は逃げることも大切!>

とはいえ、生まれつきのホロスコープによっては、土星はかなりの負担になる星です。元々のホロスコープがソフトアスペクトが多いなど重圧の弱い生まれであれば良いのですが、一ヶ所に惑星…特に火星以遠の星が固まっていたり、太陽から遠い星同士がハードアスペクトを作っていてそこに土星が更にハードアスペクトを作るような場合は、ストレス耐性なんて言ってる場合じゃない! このままじゃ死んでしまう! というようなしんどい目にあうようなこともあり得ます。
そういうときは、自分の体と心を壊さないことを第一に考えてくださいね。
特に天王星、海王星、冥王星が関わっているような場合は人生レベルでの変化の時期です。今いる場所からステージを変えても全然おかしくありませんので。

そして、もし耐えられるレベルのしんどさであれば、その辛い時期を乗り越えれば土星はきちんと実績を残してくれる星です。


実際、身内が社内でいじめに近い扱いを受けていた時期が数年続いていたのですが、その時期はちょうど身内にとって土星が重く重くのし掛かっていた時期でした。あと半年くらいしたら土星の影響が薄くなるので、「あと半年くらいで楽になるけど、心が耐えられそうになかったら辞めた方がいいよ。耐えても耐えなくても半年後には楽になるから」とアドバイスしていました。

結局身内は私のアドバイスを受けて、あと少しの間、半年は我慢してみようと思ったらしく辞めなかったのですが、実際、半年後には何年も辛い思いをしていたのが嘘のように楽になったそうです。
更に、しんどかった時期にもこつこつときちんとした仕事をしていたことが認められ、最近は上層部からの評価も高くなっているそうです。
まさに土星が忍耐の見返りに実績を与えてくれた良い例ですね。
ちなみに、身内は先程挙げた、「一ヶ所に惑星が固まっている」ホロスコープを持っている生まれです。
しかも、海王星や木星などの力の強い星が集まっていました。

一ヶ所に惑星が固まっていると、土星のような重い星がハードアスペクトにあたる点を通過しているときに、一度に複数の星に対して重圧がかかります。また、固まっているとは言ってもすべての星がまったく同じ位置にあるわけではないので、通過してしまうまでにも長い時間がかかります。
土星はただでさえ、ホロスコープの円周を一周するのに30年くらいかかる星ですから、惑星が一ヶ所に集まっている人は、土星がもたらすしんどさがそれだけ長く続くことになります。

それでも、辛い時期がいつまでも続くということはありません。しんどさをもたらす重い星が通過してしまえば必ず楽になります。
身内も、土星が惑星が固まっているエリアを抜けるのに実に5年はかかりましたが、そこを抜けてしまったら、驚くほどに状況が楽になっています。今のこの辛さがいつまでも続くものではないと、わかるだけでも人間は意外と頑張れるものです。

皆さんも辛い時期を知ることで、今の状況を前向きに耐え抜くことができればいいなと思います。

次回は、実際に自分がしんどい時期を見極めていく方法についてお話ししましょう。