人生の辛い時期に関わる「マレフィック天体」とは(ページ2)

義務や管理、重圧、忍耐、責任などを意味し、「凶星」のイメージのある土星。
この土星は、特に現代人にとっては、生活していく上で切っても切り離せない存在です。
西洋占星術においては、凶星の代表格のような扱いのこの星ですが、私はこの星が大好きです。

土星はその人が何に重圧を感じやすいかということ。しかし、生まれつき重圧を感じやすい分野は、その人が息を吸うように自然に「きちんとする」ように心掛ける分野でもあります。
きちんとするっていいことですよね。それを仕事や生活に生かせたら、その人はきちんとした仕事をする人、きちんとした生活をする人ということになります。
土星とうまく付き合っていくことで、人生における困難をうまく乗り越えていくことも可能です。
そのために、その人がきちんとしたいと思うハウスが何なのか、土星が入っているハウスによって、自分自身のストレス耐性を知る方法について述べてきましたが、とうとう最後のハウス。第12ハウスについてお話しします。

<第12ハウスに土星がある人のストレス耐性>

第12ハウスは「隠れたもの」のハウスです。
潜在意識や深層意識、潜在能力。
普段表に出ない部分を示します。
また、表に現れないものですので、人に言いたくない、見られたくないこと。過去の過ち、倫理に反することや犯罪。病気や薬も含まれます。
また、逃げる意味合いもあり、現実逃避、良くないお酒の飲み方、薬物、夢などもこのハウスの領域にあたります。

「隠されたもの」というと、性的なことも含まれそうですが、このハウスにおける隠されたものというのは、「その事実から逃げ出してしまいたい、隠されたもの」になるので、性的な事柄はあまり現れません。
ただ、性的なことに対して忌避する感情や嫌悪感がある人であれば、このハウスに現れることもあるかもしれません。
とにかく本人が逃げたい感情があって隠そうとするものが現れるという感じです。
潜在能力も示すので悪い意味のハウスではないと言われることが多いのですが、このハウスは第6ハウス、労働や奉仕のハウスの対極に位置するため、このハウスに天体が入っていると労働や奉仕に関して傷がつくことになります。やはりあまりいい影響はないと考えた方がいいと思います。
ただ、労働や奉仕にあたらないもの、例えば本人の好きでやる芸術活動などが仕事になった場合は、自らの潜在能力や潜在意識を活用した形が仕事になることになりますから、このハウスがプラスの意味で生きてきます。
アーティストやスポーツ選手など、自己のポテンシャルを生かして収入に繋げる職業の方であればここに星があると良いかもですね。

さて、この深層心理や隠されたものを示す第12ハウスに土星がある人は、「何かを隠して生きること」に対するストレス耐性の高い人です。逆に言うと、そういった面のストレス耐性が高くなるような立場に置かれやすい人でもあります。家族に犯罪者がいたり、障害を持っている人がいたりするなど、人に打ち明けることを躊躇することになりやすい環境に育っていたり、そうでなければ自分自身が犯罪や人に表だって言えないようなことをしていたりするなど、隠さなければならない問題を自ら作るようなところがあります。
悪い方向への思い込みをしやすく、常に何かを隠し、抑圧された状態に陥りやすい人だと言えます。


以上、第1ハウスから第12ハウスまで、その人がどういったことに対するストレス耐性が高いのか、どういった部分に対して自ら重荷を課しやすいのかについて見ていきました。

さて、ここまで、自分自身のストレス耐性について見てきましたが、それでは実際に自分がストレスフルになる時期はいつかについて見ていくことにしましょう。
そのためにはまず、自分自身のホロスコープチャートを知る必要があります。

自分のホロスコープチャートが分かったら、いよいよ、自分がどういった時期にしんどくなるかを知る段階に入ってきます。

ここでポイントになるのは、自分自身を表す「太陽」と「月」、マレフィック天体と呼ばれる火星、土星、天王星、海王星、天王星です。

自分の人生においてしんどい時期を見極めるためには、このマレフィック天体が、自分のホロスコープにおいて他の天体に対してどのような関わり方をしているかということを見ていく必要があります。

ここで少しマレフィック天体についてお話ししましょう。
マレフィックというのは、眠れる森の美女のマレフィセントの名前の由来になった「不吉な」という意味を持つ言葉です。天体はマレフィック天体(凶星)とベネフィック天体(吉星)に分かれています。ただこれは単純な吉凶というよりは、その惑星が司る分野が、人間にとって扱いやすい分野かそうでないかの違いによって、吉凶が分けられるだけであると私としては考えます。
これだけ言っても分かりにくいですよね。
分かりやすく考える方法があります。

次回は、このことについて詳しくお話しします。