怪しいお告げ(3)【芦屋道顕】廃棄された稲荷の怒り?男を操った悪しき囁きとは【霊的護身術】

怪しいお告げ(3)【芦屋道顕】廃棄された稲荷の怒り?男を操った悪しき囁きとは【霊的護身術】

怪しいお告げ(3)廃棄された稲荷の怒り?男を操った悪しき囁きとは

これは(2)の庭内神し(ていないしんし)として代々祀っていた稲荷宮を、返納もせずただ廃棄してしまった男の悲惨な末路の話の続きじゃ。

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※こちらの記事はオカルト・スピリチュアルに興味がある方向けの娯楽を目的としておりますこと予めご了承ください。

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■男を不幸へ導いた得体の知れない誰かの声

男は元々、酒もタバコもギャンブルもやらず、愛人はいたが仕事熱心で性格は頑固でワンマンではあるが、決して精神的な何かを疑うような言動も行動もすることはなかった。それが、台風後に御神体を廃棄した数日後から、おかしな言動や態度が増えたという。

ある従業員は、男から急に解雇を言い渡された。その経緯がかなり異常だという。

台風があってから、住み込みの従業員のための宿舎が浸水で使えなくなり、従業員は皆、会社からだいぶ離れたところにあるアパートに住んでいた。車で飛ばしても会社まで30分かかる距離だったそうだ。そしてその日は休日で、従業員は1人も会社にはいなかった。

しかし、その日の夕刻に社長である男から従業員に電話がかかってきた。「俺の家の周りをうろつくな!大声を出すな!」というものであったという。従業員は驚いて、今日はまったく会社にも社長の屋敷にも近付いていない。社長がその声を聞いたという時刻には、パチンコ屋にいた。景品交換もしていて、その証拠もある……。そう伝えると社長は電話を切ったが、後日ほかの従業員も皆、同じように社長から怒鳴られたという。結局、誰もその日は会社には近寄っていなかったので男が聞いた声の犯人は分からなかった。


資金繰りが悪化しておかしくなってんのかね、と笑っていられたのは束の間で、その後も男は事あるごとに「俺の悪口を言ったやつは誰だ!」などと、誰一人しゃべっておらず黙々と弁当を食べている休憩室に乗り込んだそうだ。さらに、トラックで従業員と同乗しているときに、従業員は一言も発してないのに突然「なんだと?もういっぺん言ってみろ!」と怒鳴ることもあった。「俺、何も言ってないんだけど社長曰く『お前はもう終わりだ』という声が聞こえた」同じ体験を複数の従業員が経験していた。

そんなことが続いて耐えられなくなった従業員がどんどん辞めていき、仕事の発注も台風後にすでに激減していたが、仕事が入っても残る従業員ではこなしきれず、資材の運搬の遅延が続きミスも発生し、しまいには発注がなくなり倒産に至った。

■不気味な声は男の周囲にも

さらに、愛人が妻に自分の存在を暴露する前には、愛人がおかしな声を何度も聞いていたという。「あの男は金が惜しくて渡さなくなったんじゃない。お前に飽きたんだ。次の女をすぐに見つける。妻とも安泰だ。お前だけが捨てられる。それでいいのか?」と、男の家庭をぶち壊すことをそそのかす声が聞こえていたのだと。

そして、妻や子供たちも、御神体の廃棄からずっと悪夢にうなされるようになり、妻が子供を連れて出て行く直前には妻も不気味な声を聞くようになっていたという。その内容までは分からぬが。

■倒産と離婚後も続いた「声」

離婚後、さすがに男の不幸続きを見兼ねた先代の親友だった人物が「稲荷宮を撤去してから不幸が続いているだろう。先祖が御神体を授かった稲荷神社に事情を話して今一度きちんと祀ったらどうか」と進言をした。しかし、男は聞く耳をもたなかった。

そして、亡き父の親友だった人物の言葉には耳を傾けなかったが、謎の声の言うことは鵜呑みにしていった。謎の声は男に「仕事が来ないのは◯◯社が妨害しているからだ」「妻が離婚を望んだのは、妻にも愛人がいてそいつと暮らすからだ」などと囁き続けていた。さらに、声はさまざまな声色に変化して、あるときは行きつけのスナックのママが、あるときはタクシーの運転手が、通りすがりの小学生がと「誰もが俺を馬鹿にして、罵詈雑言を浴びせてくる」ようになった。


近隣住民とトラブルを起こし警察沙汰になった後で、見兼ねた元妻がなんとか説得して、男は精神疾患の投薬治療を受けることになったが、なかなか快方には向かわず投薬量は増え、日中もほとんどの時間ぼんやりして無為に過ごすばかりとなった。

ふだんは訪問ヘルパー任せにしていたが、あるとき元妻が男の様子を見に行くと、男は相変わらずぼんやりとしていたが、数十枚の写真を見せてきた。「変なやつが、家の周りをうろついている。部屋にもいる」写真は、その「変なやつ」を写したのだと。

元妻が見ると、写真にはどれも人間は写っていなかったものの、どれにもうっすらと赤い煙のようなものが写り込んでいた。男が鏡に映る自分の姿を写した写真には、男の顔の上に赤い煙が覆いかぶさっていて、その形は怒った人の顔に見えたという。

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