怪しいお告げ(2)【芦屋道顕】庭内神祠の稲荷を怒らせ破産した男の話【霊的護身術】

怪しいお告げ(2)【芦屋道顕】庭内神祠の稲荷を怒らせ破産した男の話【霊的護身術】

怪しいお告げ(2)庭内神祠の稲荷を怒らせ破産した男の話

さて、大前提として幻聴や幻視が続いたならば、現代では精神医学の世話になるのが一番の解決法。しかし、ここではそういった現実的なこととは別の面から不可思議な現象の原因について話してゆくぞよ。

※こちらの記事はオカルト・スピリチュアルに興味がある方向けの娯楽を目的としておりますこと予めご了承ください。

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■先代が祀っていた稲荷宮を撤去した男

「庭内神し/庭内神祠(ていないしんし)」という言葉は知らなくとも、誰もが一度は「一般家庭あるいは企業、工場の敷地内にある小さな祠・神社」を見たことがあろう。

敷地内の神社や祠にあたる「建物」は昔から相続税の非課税財産となっていた。現代ではさらにその社や祠の建っている「土地」も相続税の計算時に非課税扱いになる判例も出てきており、昔から祀っている資産家にとっては節税対策にもなる有り難きもの。ゆえに、せっかく親から土地と共に社や祠を受け継いだならば、通常はわざわざ撤去しようとは思わぬものであろう。

ちなみに、何を祀っていても良いわけではないゆえ、生粋の日本人が突如ガネーシャやトーテムポールを祀っても「庭内神し」とは認められぬようじゃ。認められているのは主に不動尊や地蔵尊(お地蔵様)道祖神、庚申塔(虫封じのあれじゃ)そしてお馴染みの稲荷など伝統的に祀られてきて、非課税対象となった前例のあるものじゃ。

それでも、やはり先祖代々、大切にその家族や家業を守るために祀ったもので、相応に栄えている家や会社はそのご利益によるものやもしれず、節税効果がないからと取り潰してしまうのは考えものであろう。

ある男に至っては、先代までは大切に祀っていた稲荷宮をただ撤去したがために、5代続いた家業を潰し一家離散となった。

庭内神し

稲荷の怒りや祟りという以前に「さまざまな合理的理由があるだろう」と、当然この現代社会では思うものじゃ。しかし、合理的な理由以外に、実は稲荷の祟りとしか思えぬ話がいくつもあってな。

その男が受け継いだ家業は建築資材の運送業で広大な敷地に大型トラックを何十台も持ち、住み込みで働く従業員も多かったという。トラックと資材の置き場、従業員の宿舎とは道を隔てて大きな屋敷があり、その庭の北側に、創業時に屋敷神として、また商売繁盛を願うて祀った稲荷宮があった。

一族では長男が家を継ぎ、その稲荷も長男が責任を持って祀ることとなっていた。が、その男は仕事熱心ではあったがゆえに、目に視えぬものの力をまったく信じず、会社の成功は人的努力の成果であり、己の手腕であると思うていた。また、会社の敷地は広大ではあったが一等地ではなく片田舎で路線価も大したものではなく、稲荷の節税の恩恵もあまり感じていなかったようじゃ。

ある年、大型の台風がその地方を直撃し、トラックと資材置き場の敷地も屋敷の敷地も水が溢れ、稲荷宮も倒壊してしまった。水が引いたあとは、修復すべきところ、男はあろうことか御神体も台風で壊れて散らばった宮の木材も水に浸かってだめになったほかの資材も一緒くたにして産廃として廃棄してしまったのじゃ。

このとき、せめて御神体だけでもそれを授かった元の稲荷神社に返納すればよかったのであろうが、男に信仰心はまるでなく、その妻も同様であったゆえに誰も止める者がなかったのであろう。

■会社の倒産・一家離散は台風のせいだけか?

台風とその後の御神体の廃棄を境に起きた出来事は単なる台風の被害とも受け止められる。

まず、台風で大水に浸かり、保管していた資材に損害が出た。従業員宿舎も床上浸水で建て直すこととったが、これらはある程度は保険でまかなえた。ただ、取引先のいくつかが台風の被害を受け、発注が取り消しになる、支払いが遅れるなどが相次いだ。これにより資金繰りがかなり悪化した。

また、男には愛人がいてマンションを買い与え生活費も渡していたが、会社の資金繰り悪化でその余裕がなくなり、別れを言い渡したところ愛人は逆ギレをして男の妻に自分の存在を明かし、その後行方不明になり、不審死を遂げたという。表向きは心不全であったが年齢的にまだ若く、自殺が疑われていたそうじゃ。男は妻から離婚を言い渡され、2人の息子の親権は妻に渡った。

さて、ここまでならば会社の業績悪化は未曾有の大災害を男の会社のみならず周囲にももたらした「台風のせい」であり、離婚は男の自業自得でもある。

しかし、これらが進行していた間と、倒産から男の病いに至るまでに起きたいくつかの怪異は、人智を超えた存在の仕業としか思えぬものばかりなのじゃ。

続く。

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